精神科入院中のこと

入院中の閉鎖病棟の廊下で、
僕は不敵な面をして座り込んでいた。
右手には空のペットボトル。
周りから人が消えていくような感じがする。
知ったことじゃない。
自分の知ったことじゃない。
何でこうなるんだろう。
何でこんなことになってしまったんだろう。
僕の心は怒りと寂しさと涙の感覚で壊れそうだった。
危うい均衡状態。
気がつくと自分は歩いていた。
他の患者や看護師たちの存在をいつもより強く感じていても、同時に存在を無視するように何も感じなかった。
不思議な感覚。
こうやって人は壊れそうに狂うステップを踏み出すのかもしれない。
細長い針で遠くから射抜かれるような視線を幾つか感じていた。
空のペットボトルが僕の右手から離れて、
ふわり宙に投げられた。
高い天井に当たる前に緩やかに数回転して、
カタン、廊下に落ちた。
カタン、ひどく乾いた音が鳴り響いた。
どこか大切な扉をノックしているような感覚がした。
カタン、、
僕は空のペットボトルを拾い上げる。
ぶっきらぼうに、ゆっくりと拾い上げた。
涙も消え失せるほどに、全てが乾いていた。
時間の感覚も、どこかに消えていた。

#散文 #こころ

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しゅう

2018年のポエム

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