牌譜添削④雀豪2さん

●成績概観

主さんの成績

着順傾向

2-3着が多めですね。現在豪2ですが1230戦で安定段位は豪1.5。雀聖をめざすには何かを大きく変える必要がありそうです。

攻守バランス

和了率は悪くないものの、打点も低めであることを鑑みると攻撃力は少し物足りません。放銃率も悪くないですが、トータルして和銃差が10%程度だと少々厳しいでしょうか。攻守両面から課題を探していきたいと思います。

●主さんのスタイル

守備型

10個程度牌譜を見せていただいた中で、先制を受けたらだいたいオリを中心に考えているスタイルで、守備重視の方だと感じました。

低打点型

アガリも無理に高い打点を目指さず、無理なくアガりを拾うタイプでした。

このスタイル自体は段位戦のラス回避重視配分には向いていると思います。ただ、いくつか課題も見えてきました。

●牌譜検証をして感じた課題

①ヘッドレス形が苦手

基本的な牌効率のミスが目立ちました。特に「ヘッドレス」の形が非常に苦手だと感じます。ここを集中的に勉強するだけで和了率は劇的に上がると思います。

②肝心なところでの押しが苦手

勝負局面での押しが苦手だと感じました。守備型であること自体は良いのですが、「さすがにこれは押さなければならない」という局面は見つけられるとさらに良いと思います。

➂現物が尽きた時の安全度比較

オリの意識はあれど、手詰まったり二軒聴牌が来た際の不用意な放銃が目立ちました。オリと決めたあとも、そのような手順でオリていくかをもう少し意識すると良いと思います。

●事例集

実際に①~➂の課題を感じた事例を紹介していきます。

8/14 20:33の半荘 東1局

打3mが放銃

課題➂の手詰まり状況ですが、この3m放銃は不用意です。打4mか8mか良いと思います。
現物がなくなった時には、スジやカベを頼ることになりますが、その際どんな形に当たりうるかを整理すると良いと思います。
348m全てリーチ者に「筋」で、両面には当たりません。周りの牌もたくさん切られているので、カンチャンにも当たりにくい。ですが、決定的な違いは生牌かどうかです。下家はトイトイ仕掛けで、生牌はシャンポンに超危険です。この差はかなり大きいです。

8/14 20:33の半荘 東2局1本場

打2sとしたところ

これが今回牌譜検証を通じて、最も優先度が高い課題だと感じた部分、課題①の「ヘッドレス形が苦手」です。
普段あまり強い言葉を使わないようにしているのですが、これは打3sでかなり一択だと思います。雀聖以上の方は考えるまでもなく体が勝手に3sを選べるくらいの牌姿だと思います。こういう、ヘッド固定する打2s or メンツ固定でヘッドレスに受ける打3sを選ぶかには、おおよその目安があります。それは、連続形があるかどうかです。
今回、56789mの形は47mの両面ではなく、58m69mのノベタンで頭を作って両面テンパイをすることができます。45667pも同様で、58pだけでなく、36pの亜両面や47pのノベタンの受け入れがあります。さらにご認識頂きたいのは、いずれの聴牌形も最低ノベタンで良形になるということです。
それに対し、2s切の受け入れは47m58pの4種だけです。これは超大差です。このように、連続形がある場合はほとんどのケースでメンツ固定でヘッドレスに受けることが有利になると覚えておいていただければと思います。
今回、具体的にどのくらいの差があるか、麻雀AI Mortalのオススメ度も以下に乗せておきます。一番右の数字がオススメ度で、打牌候補を総計100点を割り振られています。今回の99点はほぼ一択であると読み取って頂ければと思います。
※オススメ度は簡易計算のため完全に信用はできないのですが、それでも超大差であることはお判りいただけると思います。

Mortal君も激オコです笑

8/14 21:08の半荘 東2局

打9mとしたところ

これは打4sが正着です。同じくヘッドレス形ですね。
ヘッドがない時は、ターツを複数残せば、ヘッドができた時に残った方のターツで聴牌にできるため待ち受けが広くなることはザックリ覚えておいた方が良いと思います。同じくMortalのオススメ度も載せておきますね!

こちらもかなり大差です!

8/8 19:45の半荘 南1局

先制リーチを受けて打3mとオリ

ここは課題「②肝心なところでの押し」です。これは3sか7sを押したいです。
赤5sを切り出しているリーチは、36s待ちや47s待ちにはほぼなりません。なぜなら、もう一枚5sが必要であるため、赤5sを切り出していることがおかしいからです。たまにトリッキーな赤切を繰り出してくる石橋プロのような方もいますが、不特定多数相手では気にする必要はありません。それよりなにより、自分の手が出アガリ満貫ツモって跳満の勝負手です。相手が親で不利な単騎待ちとはいえ、安全な3s7sくらいは押してしばらく聴牌を維持したいです。

8/8 19:45の半荘 南2局

ここから打3sでオリるが…

これは8pをプッシュしたいです。自分が超良形のイーシャンテンで十分アガりが狙える形。かなり放銃したくない局面ではありますが、安全牌が3s1枚だけしかありません。終局までを見据えた場合、押してアガリ切るのを目指すムーブと、3sからの気合オリでは放銃率も大差ないと思います。

8/5 17:16の半荘 南1局

打8mで放銃

この放銃も不用意ですね。これはまだ共通現物があるので恐らくミスの自覚があるのではないかと思いますが、主さんのスタイルだとこういう不用意な放銃は致命傷になるタイプなので気を付けたいところです。対面が全ツしているのを見落としてはいけません。

8/5 17:16の半荘 南2局

打3pとするが

これは打3sを選びたいです。違うパターンながら、やはりヘッドレスにすることに大きな抵抗を感じていることが伝わってきます。

まとめ

牌譜添削という性質上、どうしても少し偉そうな書きぶりになった点お詫び申し上げます。
他にも細かく気になった部分もありましたが、クリティカルな3点に絞りました。この3点はいずれも勝敗への影響度がとても大きい部分です。これだけを徹底的に復習・反復すれば、驚くほど成績向上は見込めると思います。主さんの今後の麻雀ライフを心より応援申し上げます。

今回は以上です。

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