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人を「役割」や「属性」でしか捉えることが出来ない人がいる

本来、人間関係とは「相手」と「自分」との「関係性」で構築されます。しかしどうも世の中には「役割」とか「属性」というものを関係性に関わらず主観的に割り振り、それが人間関係であると誤認している人が少なからずいる気がします。
それが様々な人間関係の困難の一因となっているように感じるので、その事について掘り下げてみたいと思います。

「アイドルだから」「ホストだから」「キャバ嬢だから」「風俗だから」お金を払えば買えると思い込んでいる関係性

昔からアイドルの熱愛報道があると途端にギャーギャー大騒ぎしてアンチ化する男女は少なくないんですが、それは「アイドル」というのが明らかに「疑似恋愛を体験させる商売」を行っており、お金を払って「推し活」すれば"疑似恋愛の恋人の役割"をアイドルが担ってくれるという暗黙の了解があるからですよね。
そこにはアイドルとファン個人との直接的な関係性の構築は全く無い。例えるならどこかの会社が売る「月の土地」を買って、土地取得証明書を見て、はたまた月を見上げて「自分は月の土地を持っているのだ」と自己満足するだけのものでしか無いのに似ています。
そのなんの意味もない幻の自己満足を得る為に、大金を払って推し活をし、得てもいない嘘の恋人に裏切られたと被害者意識をこじらせて攻撃的になり、SNSやリアルで他害行為を行うようになる。
これは基本的に破綻や別離しか無い初めから行き詰まった「関係性」でしか無いんです。なぜならアイドルは一人の人間に過ぎず、私生活があり、本当の恋人を作り、本当の恋愛をして、本当の結婚をして、リアルな生活をするのが普通だからであり、なんの関係性もない1ファンは本当の恋人の関係性にはなれないからです。
お金では人の心は買えませんし、無関係な人と関係性は構築できません。

私はアイドル商法、疑似恋愛商法というものが非常に嫌いで、なぜなら本来売り物として成立しない虚構の関係性を恰も金で買えるかのように騙しているからなんですよね。
アイドル推し活にしろキャバ嬢・ホストにしろ、こういう風に「金を払えば恋人の"役割"を担ってくれる」という誤認・騙しが、それが偽りであると理解できない一部の人たちの人間関係の困難をより強めている気がするのです。
最近はミュージシャンや俳優などにもアイドル的なガチ恋推し活をして「それが普通だ」と勘違いしている人達が非常に多く、恋人や結婚といった本来祝うべきおめでたい出来事が、恰も世紀の大犯罪であるかのように罵倒され呪われ誹謗中傷や週刊誌によるプライバシーの侵害に繋がるような非常に不快な社会になっています。
馬鹿にお前らは馬鹿だと言う人が誰もいない。
関係性が理解出来ていないんですよね。人間関係は「役割」や「属性」で、自分が割り振った「役割」や「属性」を相手が演じればいいと勘違いしている。
そのような誤認を逆手にとって不相応な金を稼ぐアイドル疑似恋愛商法は一切やめるべきだと私は思っています。

芸能人のアテンドや不倫が週刊誌に売られる理由

人間関係の構築は社会的認知力や共感力、想像する力、それ相応の時間をかけて共にすごしお互いのパーソナリティを知ることなど、能力や時間などのコストをかける必要があります。
そういうものが理解できない、或いは能力が足りない人は「お金を払えば役割を担ってくれる」というファストな機会に飛びついてしまう。
しかしお金では人の心は買えません。
そしてお金で体や関係性を買う人・売る人は大前提としてクズです。
金を払って買う側は傲慢になり買う相手を見下していて、普通なら考えられないようなゲスな行動を行う。性暴力や暴行、暴言、恫喝、恥知らずな要求、避妊しないDVなど。
本来であれば対等で尊重した関係性の構築(寄り添い、思いやり、信頼など)に対して求心力があり人を惹きつける所を、代替的に金銭欲で惹き付けて、奴隷を金で買って服従を強いているからです。
金で買われる側も金を得る為にリスクを度外視しているくらいの人間なので、相当に気が強いでしょうし、大人しい従順な奴隷であるわけが無い。
金を貰って性行為をし、その後は口止め料を要求、断られたら週刊誌に売るまでが彼らの金脈です。売春婦の裏には半グレ男が関わっていて脅迫されることも少なくないようです。
まともな関係性が構築できず、金で「役割」を売り買いする人間同士にまともな結末は起こりえません。週刊誌に売るまでがデフォです。

「妻だから」「夫だから」「子供だから」と家族にまで「役割」や「属性」でしか把握することが出来ない人達

「釣った魚に餌をやらない」と言われるほど男性は手に入れた恋人や妻に対して無関心になる事が知られていますが、その根底には「恋人」「妻」といった「役割」を担った相手は関係性に関わらず自動的にその役割を果たすだろうという誤った思い込みがあるのではないでしょうか。
恐らくは幼少期から母親に対して、母親も一人の人間であるという認識が乏しく「母親の役割を担う存在」としか考えてないような気がするんですよね。
母親にも子供時代があり、大人になり、人格があり、好きな物や嫌いなものがあり、人生があるという事が理解出来ていない人が男女共に少なくない気がするんです。母親とは家族をケアするのが当たり前の人格の無い奴隷であるかのように誤認している。
そのまま大人になると「恋愛とはケアワーカー奴隷を手に入れること」であり「ほうっておけば自動的に家事育児をするもの」であり、「手に入れたからもう構う必要は無い」という人間としての尊厳が奪われた「奴隷」を手に入れたと勘違いしてしまう。
自分が風俗やパパ活などで女を金で買って不倫していたりモラハラやイジメなどで妻を蔑ろにして関係性が破綻していながら、妻が別の男性と婚外恋愛していた事を知ってショックを受ける男性も少なくないようです。「老けた女は女としての役割は終わっている」「母親の役割を担った女は家事育児をするだけの感情も人生も無いロボット」だと思い込んでいる。

「平等」を履き違えている

関係性が理解できない人にはある特徴があります。それは誰かにとっての特別な関係性を「依怙贔屓」であると誤認していること。
誰かと誰かの特別な関係性や絆は、無関係な自分にとっての「不平等」だと感じているんですね。
SNSでは「女」だと分かるとやたらめったら男性アカウントから話しかけられるようになります。それは「女」という存在に対して「癒し」や「優しい」といった社会的な役割を担うのを期待しているからだと感じます。また女性が冷たかったりキツい言動をするのも非常に嫌がり、途端に敵として標的にして誹謗中傷や嫌がらせをし出すことも。
いわゆる「母性」が「誰か」を特別に褒めたり庇ったりしていながら、「自分」に冷たいのは「依怙贔屓」だと、「母性」は「自分たち(子供的な自己認知)」に対して「平等に優しくするべき」という勘違いがあるように思うのです。
「女性」は単なる性別に過ぎません。主観的に勝手に割り振った「役割り」をその人が担う必要はありませんし、「女性」にも一人の人間の人格や人生があります。彼女にも個人の人間関係があり、全ての男性に全員同じように平等に振る舞うロボットではありません。

「恋人なんだからこうするべき」や、他の誰かのいい所と、自分のパートナーの悪いところを比べて、お前も同じようにしろと要求する

関係性が構築できない人は、相手に人格や人生があるということが理解できません。なので自分の思い込みの中での「恋人の役割」として「果たすべき任務」を勝手に決めつけて、それを担うのが当たり前だと思っています。
「毎日電話して」「逐一報告して」「勝手に活動しないで」「休みの日はどこかに連れて行って」「高級レストランにエスコートして」「イベントは必ずお祝いして」「私の好きなブランドをプレゼントして」など、「恋人の役割が自分に対して果たすべき事」を際限なく要求して憚りません。そして要求が叶えられないと不満を感じて嫌いになり別れる。それが人を「役割」でしか把握できてない人の特徴です。
「○○さんのパートナーはこうなのに」など他人と自分のパートナーを比較して、何か要求するのも、それが自分のパートナーと誰かの恋人はそれぞれ別の人生を生きてきた、別個の人間であることが理解できないからです。

幼稚なまま成熟しない社会的認知力

子供の頃は公園で初めて会った相手ともいきなり親友のように遊ぶことが出来ますが、大人になり、ましてやパートナー関係ともなるとそのような幼稚な認知状態のままでは相当な困難が付きまとうことになります。
ロマンス詐欺や結婚詐欺に遭うことも少なくないでしょうし、ホス沼に陥って風俗に堕とされる危険もありますし、美人局やハニトラ、性的搾取、望まぬ妊娠・堕胎・子殺し、家庭崩壊、離婚など、様々なリスクがあります。
アイドルやミュージシャン、俳優などが恋愛や結婚する度に誹謗中傷行うのも非常に醜悪な社会問題です。

人間関係は「役割」ではなく「関係性」です。人の心は「金」では買えません。

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