ドッガーバンク

ドッガーバンク、そう、「世界でも有数の漁場である」と学校で習ったことを何の脈絡もなく、突然、思い出しました。場所は、イギリスの右上にある北海の中ほどです。

そして、その名前を知った授業の内容を鮮明に思いだしました。世界地図を広げて、先生が質問します。
「なぜ、世界でも有数の漁場なのか。」と先生はいったん説明を止めて、生徒に質問しました。

大概の生徒は先生に当てられるのが嫌で下を向いていますが、一人だけちょっと小太りの愛嬌のある男子が手を上げました。
「先生、ヒントをください。」おっ、大胆な発言。
「オッ、良い質問、ではこれではどうかな。」もともと用意してあったもう一枚の世界地図を広げました。

それは、海の等深線と暖流・寒流の流れる方向を記した地図。
つまり、等高線の反対で、海の深さを示す線が描かれていて、海底の凸凹具合が分かるものです。
それを見たその生徒は、「そこは海がとっても浅いですね。」
先生、「いいとこ突いてるね。では、海が浅いとどんなことが考えられるかな。」

別の男子が手を上げました。
「先生、海が浅いと太陽の光が良く当たるので水温が高いからではないですか。それと、そこって、海流がぶつかっていますよね、片方が暖流もう片方が寒流ですよね。」
「その通り、良い推理だね~。日の光があるので暖かく、魚が集まりやすくなっているのと、暖流と寒流がぶつかるとこは養分が豊富でプランクトンが集まるんだ。」

答えを聞けば、皆納得。
最初に答えた男子生徒は、もう一つ何か見つけて、「先生、日本のそばにも同じような場所がありますよね。佐渡島の上の方。」
「よく、気づいたね。そこは、大和堆・武蔵堆と呼ばれ、日本近海でも有数の漁場になっているんだ。」

人間の記憶っていったいどうなっているんでしょうね。
もっとも、この力がもっと働いてくれていたら、別の道に進んでいたかもしれませんが。


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