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MV等映像の依頼の方法について

こんにちは、俺です。
昨今ボーカロイドやVtuberをはじめとして、歌ってみた動画やオリジナル楽曲が世の中にどんどん出てくるようになりました。
中にはとても凝ったMVを制作されてる方もおり、映像制作者にとっても非常に刺激になるものを見ることが増えてきました。
僕たち映像クリエイターにも大小さまざまな映像制作のご依頼をいただく機会が増えてまいりましたが、気になることが出てまいりました。

依頼の仕方について、です。


依頼の方法をクリエイター側が偉そうにどうこう言うのか!という感じに思われかねないのですが、一旦聞いてください。

※12/17追記
思ったよりも多くの方にご覧いただいておりますので補足です。
このnoteはボカロやVtuber向けのMV依頼の説明を中心に記載しておりますが、基本的にはそれだけに限らず実写MVやMV以外の映像・イラスト・音楽等に応用できる内容になっています。ボカロ・VTuberMVを一例としてご覧いただければと思います。

そもそも、映像クリエイターへの依頼の方法が明言されていない

実はこれに尽きるのかなと思っています。
「MV 依頼 方法」等でググると「予算を決めよう!」「内容を決めよう!」「制作会社・クリエイターに相談しよう!」みたいなのは多いのですが
実際に「どのように相談するのが最適か」といった部分は案外見つかりません。個々のクリエイターも(自分も含めて)「ご依頼はご相談ください」くらいしか書いてないことが多いですよね。
で、そうなると我々のもとに届くご連絡は
・MVを作りたいのですが、いくらで作ってくれますか?
・ボカロのMVを作りたいのですが、〇〇(既存作)はいくらで作ったのですか?
・〇〇みたいなのを作りたいのですが可能でしょうか?

といった情報量の少ない、短いお問合せでいただくことが多いです。

さて、こういった少ない情報量のご依頼に対してお返事をするとしたら
1:0円~1000万円の範囲にて承っております。
2:〇〇にかかった費用につきましてはクライアント様との守秘義務もありお答えできません。
3:〇〇に寄せることは可能です(または不可能です)

としかお答えできないんです。

じゃあ、どうやって依頼すればいいの?

詳細は後程例文を記述いたしますが
・まずはご自身のことを伝える
・依頼したい楽曲についての説明を加える
・どういったテイストのものが良いかなど、要望を伝える
・予算感を伝える
・いつまでに作ってもらいたいのかを伝える

といった点を大事にしていただければと思います。
「え?そんなに書かなきゃいけないの?」と思った方もいるかもしれませんが、これは決して「こう書くのが当然だろ」という上から目線の話ではなく
我々映像クリエイターはそれらの情報を元に
・どういった映像を作るか
・そのために必要な時間や素材の算出
・結果的にかかる費用
・スケジュール確認・他案件とのバランス調整

等を考慮して、そもそもお受けできるかどうかの判断をさせていただいております。
その上でこちらから必要な情報・素材等コミュニケーションをさせていただきまして、ご依頼主との合意がとれた場合に「製作開始」となります。
以下、上記5項目について説明させていただきます。

ご自身のことを伝える

端的に言えば自己紹介なのですが、そこまで複雑に書かなくても大丈夫です。
例えば
「ボカロPをしております。〇〇と申します。
普段はこのような音楽を制作しております
http:~」

「バーチャルユーチューバーとして活動しております、〇〇と申します。
詳細は以下の私のチャンネルをご覧いただければと思います。
http:~(チャンネルURL)」

等、簡潔なもので問題ございません。
ご依頼主の属性がわかり、かつ参考になるものがあると映像を作る際にも非常に参考になります。
また、Vtuber等で、この時点ではまだ情報公開がされておらず、映像完成後に情報公開となる場合

「〇〇と申します、
この度新規Vtuberの立ち上げに伴い、〇〇様に映像をご依頼したく思い、ご連絡させていただきました。詳細につきましては以下、ご説明させていただきます(または資料等を添付いたします)」

といったように、どのような展開をしていくか等のご説明をいただければ非常にその後の制作上のコミュニケーションがお互いに楽になるかと思います。

依頼したい楽曲の説明

MV(ミュージックビデオ)を作る前提とするならば、非常に重要です。
作家個々に楽曲の得手不得手、得意ジャンルや苦手ジャンル等もありますので、何かしらの参考楽曲をいただければと思っております。
具体的には
「今回ご依頼したい楽曲はこちらになります(楽曲ファイル添付)」
「〇〇様の△△という曲のカバーを作っております(元楽曲URL)」
「現状まだ完成はしていないのですが、こちらが現状のデモになります」

等、楽曲そのものをお聞かせいただけましたらと思います。
「受けてもらえるかもわからない人に楽曲データ送りたくない!」という方もいらっしゃるかもしれませんが
僕たちも楽曲の雰囲気や構成がわからないことには一概にお受けできるかの判断も難しいため・・・よろしければお聞かせいただけましたら嬉しいです。
上述した「新規VTuber立ち上げ~」等もそうですが、我々も映像でご飯を食べている人間なので
信用問題は非常に大切にしておりますので、いただいた情報や楽曲を外部に漏らすことはまずありません。安心してご依頼いただければと思いますし、もし必要であれば守秘義務契約等も交わすことが可能ですので、企業様など守秘義務に厳しい場合はその旨ご相談いただければと思います。

どういったテイストのものが良いかを伝える

MVを作ってもらおうという時点で「こういうのが作りたい!」というご要望があるかと思いますので
可能な限り詳細にお伝えいただければ嬉しく思います。
例えば
「〇〇(作品)のような映像にしたい(作品URL)」
「悲しい曲なので、悲しみと少しの希望が伝わるような映像にしたい」
「非常に展開の多い曲調なので、それに負けないくらい映像も激しくにぎやかにしたい」
等、なるべくこだわりたい部分を詳細にご説明いただきたく思います。
もちろん、参考URL等は映像に限らず、イラストや写真等なんでも大丈夫です。ご自身が参考になりそうだと思うものをご提示いただければ、こちらも汲み取った上で一つ一つ「これはこういうことですか?」等コミュニケーションの際にご確認させていただきます。
技術的に難しい部分等が発生した場合にも代替案をお出しできますので、まずはざっくばらんにご要望やこだわりを教えていただけたらと思います。

予算・スケジュールを伝える

やはり皆様が気にされるのはお値段だと思います。
ただお値段につきましても、正直本当に内容によりけりなので
一律おいくらです!と言い切れないのが申し訳ないなと思うのですが
完全フルオーダーの一品を作る、という気持ちにてご相談いただければ嬉しく思います。
ご予算の相談方法については
「現状、予算を〇〇万円ほどで考えております」
といったように、あらかじめ自身の出せる金額を決めてしまう方法と
上述した諸々の情報をもとに
「上記のような内容ですと、大体おいくらくらいの予算感で考えておけばいいでしょうか?」
といったように質問してしまってもいいと思います。
「あれ?上で0円~1000万とか書いてたじゃん!」とか思われるかもしれませんが
ただ「MVを作って!いくら!?」って言われたらそう答えることしかできませんが、上述した楽曲や参考資料、ご要望・等がしっかり明記されていればより詳細にお見積りをお出しすることができます。
また、金額感は用途や納品形式によっても変わってくる場合がございますので、そちらも合わせて明記いただければ嬉しく思います。
「完成後はYouTube・ニコニコ動画にてアップしようと考えております」
「冬のイベントにてDVD頒布を想定しております」
「ライブイベント〇〇にて、イベント中に放映いたします」

といったような感じで可能な範囲で用途も明記いただければ合わせて考慮させていただきます。

また、金額については
個人(同人)か企業かで大きく変わってくる部分もございます。
これは何故かいいますと、個人の取り扱いと企業の取り扱いでは僕たち制作者にかかる責任も大きく変わってきます。トラブルがあったときの対処や企業のコンプライアンスにかかる部分も含め、対企業様が相手の場合はどうしても役割や税金等のお話や担当者以外の社内対応・コンプライアンス対応等、対応時間が増加する傾向にありますので
「本当は企業だけど安価に抑えるために個人依頼のフリしておこう」ということはしないほうが後々のためにいいと思います。

スケジュールにつきましても合わせて明記いただければと思います。
「〇月〇日に公開したいと思っております」
「コミックマーケット合わせのため、〇月〇日には完成していたいです」
「誕生日配信に間に合わせたいです」

といったような感じで、ある程度の区切りを設けていただければ
逆算して製作期間の中でできることと厳しいことをお返事させていただきます。
避けたほうがいいのは
「いつまででも大丈夫です」
という書き方です。これはクリエイターが友人間等であればすぐに気軽にコミュニケーションがとれるので問題ないことも多いのですが
こと依頼となると、作る側も「いつでもいいって言ってたし・・」と目の前の別件を優先してしまったり、依頼側も「いつでもいいって言っちゃったし・・・」となり、進捗確認がしづらい状態に陥ってしまいます。
それほどお急ぎでない場合でもある程度の期間(通常1~2か月)の範囲内で締め切りを区切ってしまったほうがいいと思います。

また、逆にあまりにも時間が無い場合には根本的に不可能な場合や、可能だけど特急料金をいただく場合等もございますので、できるだけ余裕をもってご依頼することをおすすめいたします。

その他、必要な要素を伝える

例えばボカロMV等の場合、キャラクターイラストをどうする問題や
VTuberが自分のモデルデータを使ってほしい等あるかと思います。
その場合も先に伝えておくことをお勧めいたします。
「今回のMVにはイラストレーターの〇〇さんにイラストをお願いしたいと思っております。」
といった場合には、イラストレーターの方にも「MVで使うイラストを描いてほしい」という依頼とともに、映像制作者の情報を共有しておくとやりとりがスムーズになると思います。
また、こちらからイラストレーターの方に保存形式等を指定したい場合もございますので、イラストレーターの方の情報を共有いただけましたらと思います。

「今回のMVにイラストを使用したいのですが、イラストレーターの知り合いがあまり多くなく、ご紹介いただくことは可能でしょうか?」
といった内容にも映像制作者側対応ができることが多いので、イラストレーターのアテが無い場合には無理せず相談するのも良いと思います。
この場合もどういったテイストのイラストが欲しいかなど合わせて明記いただければと思います。

「Vtuberのモデルデータを使用して、〇〇させることは可能でしょうか?」
Vtuber等、アバター要素のあるMVの場合にはやりたいことや表現したいことを書いていただきつつ、どういったモデルなのか(3DなのかLive2Dなのか)を記載の上ご相談するのが良いと思います。
映像制作とVtuberの技術は似て非なる部分もかなり多いので、できることとできないことが結構ありますので
代替案を含めてこちらからご提案させていただくことも可能かと思います。

お問合せ例

ここまで書いたことを元に、お問合せの例文を記載いたします。
基本的にはスタンダードなビジネスメールの類ですが、こういった内容のお問合せがあれば製作者側もスムーズにお返事ができるかと思いますので参考にしていただければと思います。
コピペして使用しても問題ございませんが、コピペ後に改編する場合は再度読み直しをしておかしなところが無いか等ご注意くださいね。
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〇〇様

初めてご連絡させていただきます。
ボカロPをしております。〇〇と申します。
ニコニコ動画とYouTubeに作品をアップしておりますので、お手すきの際にご覧いただけましたら幸いです。
(URL等)

今回は〇〇様に私の楽曲「〇〇」のMVを制作していただきたく
ご連絡させていただきました。
楽曲はこちらになります。
(URL等)
この楽曲は明るい曲調の中にも切ない系の歌詞をのせて作った楽曲になるのですが、個人的にも非常に自信作なので、ぜひともMVを作って公開したいと思い、ご依頼先を探しておりましたところ
〇〇様の他作品の映像を拝見させていただきまして、今回の曲のテイストにぴったりだと思い、ご依頼のご連絡・ご相談をさせていただいた次第です

MVのテイストとしては、〇〇様の「△△」のMVのほか
・〇〇〇〇〇〇(参考URL)
・〇〇〇〇〇〇(参考URL)
・〇〇〇〇〇〇(参考URL)
といったようなテイストのものを希望しております。

また、MV中にイラストを使用したいと思っておりますが、イラストレーター様の知り合いがあまり多くなく、〇〇様からご相談・ご紹介いただくことは可能でしょうか?
個人的には淡いテイストのイラストを使用したいと思っておりますので
・〇〇〇〇さん(参考URL)
・〇〇〇〇さん(参考URL)
・〇〇〇〇さん(参考URL)
のようなテイストのイラストをご依頼させていただきたいと考えておりますが、ご相談は可能でしょうか?

今回のMVは私のYouTubeとニコニコ動画で公開の他、冬のイベント〇〇に応募しようと考えておりますので
まずはイベント合わせのスケジュールにて、〇月〇日頃までに完成したいと思っております。
予算は〇〇万円ほどを想定しておりますが、〇〇様のご予算感的にいかがでしょうか?内容と合わせてご相談させていただけましたらと思います。

その他、何か必要な情報がございましたらお伝えいたしますので
まずはご検討いただけましたら幸いです。
お忙しいところ恐れ入りますが、どうぞよろしくお願いいたします。

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こんなところでしょうか、僕もビジネスメールに強いわけではないので言い回し等はくどい部分もあるかと思いますが
このような内容で送ればスムーズなやりとりが可能かと思います。

臆せずバンバン依頼しよう!

そんなわけで、依頼の方法みたいな偉そうな書き方をしてしまいましたが
せっかく作った曲やキャラクターのMVがコミュニケーションひとつでうまくいかなかったり、納得いかないものになっては悲しいと思います。
MVに限らず、せっかくのフルオーダーの映像ですので、依頼側も制作側も気持ちよくスムーズに進めることで、依頼者も製作者も、最終的には見てくれる方々にとってもいい作品になればと思っております。
これからMVをはじめ、映像を依頼してみよう!と思ってる方にとって
何かしら参考になりましたら嬉しく思いますし、僕個人としてもご依頼ご相談等いつでもお待ちしておりますので
興味があればまずはご連絡くださいませ!

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