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【クリエイター向け】依頼の受け方について

先日のnoteが思ったよりも反響があって驚きました、こんにちは俺です。
前回のnoteでは「クリエイターへの依頼の仕方」について書かせていただきました
MV等映像の依頼の方法について

で、反応等を見ていると逆に「依頼の受け方も知りたい」という声も散見されましたので、今回はクリエイター向けに依頼の受け方と流れについて記載していこうと思います。
また、クリエイター側が陥りがちなミスや、やってはいけないことについても、併せて記載させていただきますね。
もちろん前回同様、あくまでも朝倉の個人的な経験に基づいて書いていくため、必ずしもこれが正しいということではないと思いますが、参考になれば幸いです!
また、今回も映像やCG等を見本として記述いたしますが、音楽・イラスト・その他各種クリエイティブについても同様の部分は多いと思いますので
随時自身のジャンルに置き換えてみていただければと思います。

今回もメールやDMで使える例文を後半に記載いたしますので、そちらも参考にしてみてください。

前提として

今回の記事は決して「仕事の手に入れ方」とか「フリーランスで生きていく!」とかそういった類の内容ではありません。その手の記事はネットで探せば有象無象が無限に出てきますし、僕も似たようなことしか書けないと思います。
あくまでも「依頼を受けてこなすまでのフローとNG例」についてお話できればと思っておりますが
「仕事の受け方」については以前書いた以下のnoteが参考になるかもしれませんので、よかったらご覧ください(やや喧嘩腰な内容のためアレですが・・・)
やりたいことを仕事にする方法(CG・映像編)

依頼の窓口について

まずはなによりも「どうやって依頼を受けるか」の話になるかとは思いますが、何かしらのクリエイティブを趣味、またはプロ志望として活動しているとどこかのタイミングで「誰かに頼まれて製作しないんですか?」と言われたり、または自分の中で「依頼を受けてみたい!」と思うところからスタートすると思います。
依頼を受けるにあたって、もちろんサンプルを提示したり実績を提示したり・・・といったことも大事なのですが、まずは何よりも窓口(連絡先)を明示することが大事です。
具体的には
・メールアドレス
・TwitterのDMやFacebookのメッセンジャー等、SNS状のやりとり
・Webサイトにお問い合わせフォームを作る
・フリーランスのお仕事紹介サイトへの登録
・Youtube、Behance、Pixiv等、作品登録サイトへの登録
等が考えられます。
要するに、
「あなたに依頼をしたいと思った方が」
「あなたに連絡をする術」
を明示してあげることが第一歩となります。
SNSや自身が登録している各種サービス等にメールアドレスを記載したり、TwitterのDM等を誰からも受け入れられるように設定し、「ご依頼はDMまたはメールまでご連絡ください」等と記載することが一番簡単かつ素早く案内できるでしょうが、個人情報や不要の連絡を避けるためにメールアドレスやDMの開放に抵抗のある方は、代わりとなる連絡先としてWebからのお問い合わせフォームや案件紹介サイト経由の連絡のみを受け付けられるように誘導してあげることで、比較的スムーズかつ安全なやりとりが可能かと思います。

依頼の可否について

さて、いざ依頼のご連絡が来ました、そのときにどういった返事をするとスムーズか、についてお話いたします。
個人的に依頼について確認するのは以下の内容です。
・内容について
・納期について
・予算について

上記3点が、「そもそも依頼を受けるかどうか」を決める部分になります。
逆に言えば、上記3点を失敗すると非常に苦しい思いをすることになりかねないので、この部分は慎重に判断するようにすると良いでしょう。
また、仮にこの3点が記載されていないお問い合わせが来た場合、まずはこちらの3点を優先して確認することをおすすめいたします。
要するに
・内容について
依頼内容が自身にとって不可能、あるいは極端な難易度の内容ではないこと

・納期について
締切が無理の無い日程で設定されていること、または極端に短くないこと
極端に短い場合はその理由が明示されており、その上で受けられるかどうかの判断ができること

・予算について
あなたにとって金額が過不足ないこと、または必要経費が発生したとしても回収できる範囲のもの、またはあなたの納得できる金額であること

といったような判断基準で判断していくと良いと思います。

ちなみに、業界では度々「この内容でこの金額は安い!」「この金額は搾取だ!」等といった議論が発生いたしますが、ここではそういった話はしないでおきます。あくまでも「依頼としてあなたが納得できるかどうか」を重要視してください。

依頼の詳細を伺う

さて、ここまでが以来の可否についての判断になりますが
続いて、依頼の詳細を伺うようにしましょう。
内容・納期・金額が確定できたとしても、それはあくまでも「依頼を受けますよ」という返事をしただけにすぎず、依頼をした方からするとまだまだ
「本当に期待通りのものが上がってくるだろうか・・・」という不安は拭えない段階だと思います。そういった不安を払拭するコミュニケーションを心がけるようにすると良いと思います。具体的には以下に記載します。

・内容の詳細な確認をする
依頼の内容に沿って、資料となるものを伺ったり、近い作品をこちらから提示したり、「こういった表現はどうでしょう」等提案をしたりといった、より内容に踏み込んだ相談を進めていくようにすると良いと思います。
「この内容でしたら、こう見せることによってより強い印象を与えることができると思います。(参考URL)」
といったように、なにか参考になるものを提示してあげると依頼主にとっても安心を得やすいと思います。

・チェックフローを提示する
依頼の連絡を受けてから、完成・納品まで1度も連絡をしないということは基本的に無いかとは思いますが、とはいえ依頼主サイドからしてもあまり頻繁に進捗確認をするのは気が引けますし、逆に作る側である我々もあまり頻繁に進捗を問われるとげんなりしてしまったりしますよね。
そういった疲弊を避けるため、先にこちらからある程度のタイミングを提示してあげると良いかと思います。
「それでは週明け○日にイメージボードや資料をお送りいたしますので、その内容で問題なさそうでしたら、その後週1程度進捗を共有させていただきますので、気になる点等発生したら随時ご連絡くださいませ。」
といったような感じで、依頼主チェックのタイミングをうまく挟めるように提示してあげることで、依頼主も安心するかと思います。
もちろん、内容によっては作業タイミングもあるかと思いますので、やり取りの中で、都度
「次回カット○○〜カット○○くらいまで、レンダリング前のプレビューにてご確認できるように進めてまいります。」
といった連絡をできるようにすると良いと思います。

・必要素材等を確認し、必要であれば手配してもらう
内容によっては依頼主から素材をいただく必要が発生する場合もあります。これは気まずいことでもなんでもないので、必要なものが発覚した場合には素早く手配の連絡をするようにしましょう
「商品ロゴをいただいておりませんでしたので、ロゴデータのご手配をお願いできますでしょうか?」
「こちらで映像中に字幕として説明文を記述したく思っておりますので、文章のご手配は可能でしょうか?」
「この部分に使う写真素材につきまして、もし御社にございましたらいただくことは可能でしょうか?」

等、必要なものは手配してもらうようにしつつ、こちらではスムーズに入れ込み作業等ができるようにしておくと良いと思います。

・不明点、未定部分の洗い出しをする
依頼を進めていくうちに、不明点や未決定だった部分が出てくる場合があります。そういった点も気づき次第、素早く依頼主と相談するようにしましょう。
「今回の映像のBGMについてはどのようにいたしましょう?フリー音源を使用することも可能ですが、ご予算の兼ね合いの範疇にて、できれば新規で楽曲を作ったほうが印象としては効果的のように思います。その場合、コンポーザーのご紹介も出来ますので、まずはご検討いただけますでしょうか?」
「英語字幕を入れるかも、といったお話もあったかと思いますが、その後いかがでしょうか?YouTubeの字幕でも追加可能ですが、映像中に入れ込んでしまうことも可能ですのでご相談させてくださいませ。」
といった感じで、相談ベースでのやりとりを進めていくとスムーズに決定していけるかと思います。

依頼OKの例文

さて、上記をふまえて、依頼を受ける際の返事について
例文を以下に記述いたします。
コピペ使用も問題ございませんが、その場合にはしっかり見直しておかしな点が無いか等確認してくださいね。

________________
○○様

この度はご連絡ありがとうございます。
○○と申します。

改めましてご依頼につきましてのご連絡、ありがとうございました!
内容確認させていただきまして、ぜひともお受けさせていただきたく思いますので、以下確認事項も合わせましてお返事させていただきます。

・内容について
内容諸々承知いたしました。○○○○のMVということで、まずは楽曲をしっかり聴き込ませていただきつつ演出を考えて行ければと思っておりますが
ご要望にございました○○の点につきましては問題なく入れ込めるかと思います。
ただ、□□の箇所につきましては、私の環境的に制作が難しい部分もございますので、解決案も含めて考えてみますのでご相談させていただいてもよろしいでしょうか?

・納期について
○月○日納品との旨、承知いたしました。
基本的には問題ないかと思いますが、製作中大きな修正等が発生した場合に物理的な遅れが見込まれる可能性がございますので、その点だけご了承いただけましたらと思います。
上記点問題なさそうでしたら、まずは○日目処にてイメージボードをお送りさせていただきますので、その後週1程度でご確認等をお送りできるような進行で進めさせていただければと思っておりますがいかがでしょうか?

・ご予算について
○○万円との旨、承知いたしました。
こちらも基本的には問題ございませんが、BGMを別途新規で制作する場合や素材等を購入する必要が出てきた場合等、別途金額がかかるものが必要になってしまった場合にご相談することは可能でしょうか?

・その他、確認事項
MV中に配置したく思っておりますので、○○のロゴデータをご手配いただけましたらと思います。
また、○○の素材等をお持ちでしたら共有いただけましたら幸いです。

以上につきまして、ご検討の上、問題ございませんようでしたら
そのまま製作開始とさせていただければと思っておりますので
まずはご検討いただけましたら幸いです。

お忙しいところ恐れ入りますが
どうぞよろしくお願いいたします。

________________

と、いったような感じでしょうか?
典型的ビジネスメールの書式で記載いたしましたが、これが100%正解!!ということではなく(むしろ僕もそれほどビジネスメールに強いわけではないので・・・)色々なお返事の仕方があるかと思いますが
基本的には返事の内容が明確で、現状の不明点や懸念点が明示されている内容を意識することが大事だと思っています。

依頼NGの場合・例文

ご依頼はいつでも嬉しいものですが、やはりタイミングや内容によっては依頼をお断りせざるを得ないときも往々にして存在します。
NGになる理由は様々ですが、いずれにせよお返事するときに
「不要に相手に不快感を与えないようにする」
ことは大事だと思っております。不快感って何よ?って話ですが、それは後ほど記載いたします。
NGのお返事をする際には
「NGの理由を明確にする」
「受けられる条件や代替案をお伝えしてみる」

といったことが大事になるかと思います。
以下、例文を踏まえて具体例を記載いたします。

例1:スケジュールの重複
_______________
○○様

この度はご依頼のご連絡ありがとうございます。
○○と申します。

ご依頼いただきました件につきまして、確認させていただきましたが
大変申し訳ございません。いただきましたスケジュールの間、別件にて埋まってしまっておりまして
無理してお受けしてしまうと○○様にご迷惑をおかけしてしまう可能性もございますので、まずは今回のご依頼の件、辞退させていただけましたらと思います。

ただ、個人的にはとても魅力のあるご相談だと思っておりますので
○月○日頃以降でしたら、別件の納品も終わっているため、本件に集中が可能になりますので、もしスケジュールに余裕がございましたら○月○日以降にて製作開始のご相談は可能でしょうか?

お忙しいところ恐れ入りますが
ご検討いただけましたら幸いです。
どうぞよろしくお願いいたします。

_______________

例2:金額の不足
_______________
○○様

この度はご依頼のご連絡ありがとうございます。
○○と申します。

ご依頼いただきました件につきまして、確認させていただきましたが
現状いただきました内容ですと、
製作期間的には問題ございませんが、ご予算感が非常に厳しい部分がございまして・・・。
仮にこの金額にてお受けする場合、修正等の対応はできかねるような感じになってしまい、○○様にとって意図しない形での完成を迎える可能性もございますので
まずはご予算感につきまして、ご相談は可能でしょうか?

もしご予算的にこれ以上厳しそうであれば、例えば○○の部分を□□にする等で製作コストを下げる等、別途代替案もご提示させていただくことが可能ですので
ご検討いただきつつ、ご相談させていただくことは可能でしょうか?

お忙しいところ恐れ入りますが
ご検討いただけましたら幸いです。
どうぞよろしくお願いいたします。
________________

といったような感じで
「なぜNGなのか」「代わりにどういう解決策があるか」を提示してあげることで、依頼主にも選択肢を提示してあげられるようにすることがベターかなと思っております。
もちろん、中には「どう考えてもこの内容は無理だな・・・」という依頼も来ることがありますので、その場合には
「今回は大変恐縮ではございますが、ご依頼を辞退させていただけましたらと思います。」
と言い切ってしまった上で
「また今後も何かお手伝いできそうなことがございましたら、いつでもお気軽にご相談くださいませ!」
等、突っぱねたわけじゃないよ、という柔らかい姿勢でお断りできるようにすると印象も悪くはならないでしょう。

やってはいけないことがあります。

依頼に関連して、SNS等で時々見受けられることなのですが
基本的にはSNSに依頼内容に踏み込んだことを書くのはやめておいたほうがいいでしょう。
よく見かける内容としては
「○○の案件が来たんだけど予算が安すぎて断ってやった」
「○○と□□と△△が同時進行でつらい」
「クライアントがバカだから話にならない」
「○○さんがやったあの案件、俺が断ったやつだ」

などなど・・・こういった内容をTwitter等でよく見かけますが
正直、個人的にはこれを書いている人に対して「バカだな〜〜〜」って思っちゃいます。
依頼主というのはあなたのことをよく知った上であなたに依頼することがほとんどです。こういった内容を書いてしまった場合もほぼ確実に見ていると思って間違いないでしょう。
確かに、断った案件の中にはありえない条件を出されたものもあるかもしれません。あなたに人気が出始めて、たくさんの案件が同時進行になっているかもしれません。クライアントに話が伝わらないこともあるかと思います。
ただ、そういった内容は表に出すべきではありません。そういった内容を書いてしまう人に依頼をするのは依頼主側としても炎上や情報漏えいリスクが大きいですし、結局のところそういった内容の書き込みを見て「危ないな・・・」って思われて別の依頼もなくなってしまう可能性があります。

どうしても我慢のならないことはTwitterを始めとするパブリックな場で愚痴るのではなく、身近な友人や家族恋人レベルにとどめておきましょう。
SNSというのは一見クローズドなようで、案外みんな見ているものです。

また、どんなに条件の悪い依頼が来たとしても
その依頼内容はクローズドな情報であることがほとんどです。
小さな自己顕示欲を示すために結果として大きな信頼の喪失につながるようなことにならないよう、自分も含めて気をつけないといけないな・・・といつも思います。

依頼を受けて作品をどんどん公開していこう!

そんなわけで、クリエイター向けの依頼の受け方のヒントの一つとして、先日の記事と対になるような内容を記載させていただきましたが
この記事が参考になる対象の多くは「これからプロになっていきたい人」だと思います。
案外こういった連絡の仕方なんかは学校とかでも教えてくれないことも多いため、最初はどう返事したらいいか戸惑うこともあるかと思います。実際僕も最初はすごいめちゃくちゃなビジネスメールっぽい返事になったりもしていました・・・。
今でもそれほど得意ではないのですが、以前よりははっきりとした連絡ができるようになったと思います・・・。
ともあれ、せっかく依頼を受けたい!という前向きな気持ちを連絡一つで減速させてしまうのも勿体ないですし、
こういった内容は
「先輩の背中で学べ!」とか「見て覚えろ!」とかそういう時代でも無いと思うので
依頼の受け方の際にこのnoteが一つの参考になりましたら嬉しいです!

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