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2024年大阪オフィスマーケットについてぼやく

年末に各方面から小耳に挟んだり調べたりした話について備忘録としてメモしておく。


2022年度に5万坪、2023年も1万坪、さらに2024年は9万坪の竣工が控えているということで、2023年初頭は、大阪全体のオフィスマーケットについて、「今年は空室率上昇と賃料相場の下落が起こり始めるだろうな〜」と戦々恐々としていた。

しかし蓋を開けてみると、(三鬼商事のオフィスマーケットレポートによると)2023年春以降は大阪ビジネス地区の平均空室率は5%を切り、小幅にも低下を続けている状態。新築ビルはそこそこ苦戦しているようだけど、既存ビルとは価格帯がそもそも違うせいで棲み分けができていたり、郊外からの立地改善による移転が増えているとの話である。コロナ禍で止まっていた移転計画を再検討し始めた企業も多いらしい。

とはいえ2024年は大阪では久々の新築ラッシュ。しかも建て替えではなく、うめきた2期のように、これまでオフィスが存在しなかった場所へ新たに単純増加するものもあり、24年いぱいかけて、空室率は10%…までは行かずとも、7、8%ぐらいまでにはなるんじゃないかなと思っている。

ちなみに2023年末時点で、2024年竣工ビルの成約状況を小耳に挟んだところ


御堂筋ダイビル 9割以上

アーバンネット御堂筋 6割

JPタワー 5〜6割

大阪堂島浜タワー 5〜6割

グラングリーン 2〜3割

のような状況らしい。

恐らくどの物件も賃料はそれほど大幅に落とせないから、満室での竣工はないだろうけど、それぞれ竣工1年後ぐらいに価格が見直されてくると、既存ビルとの取り合いになってきて、恐らくその頃が市況的に一番悪化している状況なのだと思う。

しかし、梅田駅周辺にこんなにビルができてくると、その他エリアはかなり厳しいですよね。

今までは御堂筋沿(本町〜淀屋橋)付近がオフィス街として強さを持っていたけれども、東京本社の企業の総務部門って、まぁほぼ東京じゃないですか。その、東京から大阪へオフィス探しに来る方達に、梅田以外のオフィス街の魅力って伝えられるかっていうと結構難しいんじゃないかと思う。

なので、梅田付近で値崩れが起きると、それ以外はかなり苦戦すると思う。まぁオフィス以外も、あれだけ商業施設やらホテルやら建ちまくるんだから、かなりの人流が梅田付近で止まっちゃうんじゃないかと思ってるんですよね。まぁ言うても滲み出してくるからそこまででもないか。

そんなわけで、現時点の見方としては「2024年中は空室率は右肩あがりでも、賃料は横ばい、2025年から賃料下落傾向」と見ているわけです。

とりあえず現時点の感覚をざっくりメモしておいて、時々振り返ろうと思います。

ところでこちらのプロパティクロック。オフィス市況を時計の針で表すのめちゃよくないですか…?ビジュアルが好き。


上昇、下降のサイクルについて、この順序を辿るのはまさにその通りなんですが、それをクロックって形にするの、いい…美しい…っていう完全に個人の偏愛でした。


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