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25歳でセレクトショップを開業して黒字倒産した話「完結編」

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辞めることが怖く、他にできることもないと思ってなかなかやめられずにダラダラと毎日お金のことばかり考えながらお店をやっていました。

お金が入っては飲みに行き現実を忘れたいと現実逃避をしていて、お酒の量はかなりのものだったと思います。

次第にお酒を飲んでいない時に手が震えることもありました。

アル中の手前、うつ状態もあったと思います。

逃げたい!と毎日思っていた

とにかく「いま」を忘れたい。

逃げたい。そんな思いで、お店に電話がかかって来るのが恐怖でお店の電話線は常に抜いていました。

その時に店で流していた好きだったバンドのCDなどはお店をやめてからきく焦燥感にかられ一気に汗をかくほどトラウマとなっています。

逃げたいのにお店を辞めたら無一文になるし何より生活できない。

僕はそんな状況で何も考えらなくなっていました。

とにかく1日がただ終わり明日が来ることを恐れて朝まで売上を使って飲みに行き続けていたのです。

辞めたらかっこ悪いし、申し訳ない。失敗できない!そんな思いでなんとか頑張っていました。しかし、僕の心は限界だったのだと思います。

そんなに苦しくて辛いなら辞めたらいいやん!

ある時、知り合った方から、やってて全然楽しそうじゃないし、苦しいのになんでやっているの?辞めたらいいやん!と言われました。

その言葉を第三者から聞いた時になぜか僕の肩の荷がおりました。

あっそうか!僕は楽しめていないんだ。なんで苦しみながら好きだったはずの服屋をやっているんだろう。とようやく現実に目を向けることができました。

現実に気づき初めてお店を休んでみた

その言葉を聞いて、僕は初めて自分の現実をしっかり見ることができたのだと思います。

それまでは、現実逃避をずっとしてきたのです。そして、2年間1度も休まずにお店に立ち続けていたのですが初めて1日休みをとりました。

何もせずに温泉に行ってゆっくりしてみました。

すると、あれ?こんな楽しい日常ってあったのかな?と僕は久しぶりに不安を感じることもなく1日を終えることができたのです。

お店を休んでようやく気づいた辞めてもいいということ

今までお店を潰してはいけない!

とずっと思ってなんとかやってきていました。しかし、それはただの「執着」に過ぎませんでした。

月商200万ほど売っていたお店ですが、一気に資金繰りができなくなって本当は利益が出ていたにもかかわらずキャッシュが回らなくなっていていつ潰れてもおかしくない状況だったのをその場しのぎで一発逆転を夢見ていました。

しかし、ようやく自分の現実に向き合って、苦しい、ツライという感情を認めることができました。その時に、「あぁ辞めてもいいんだ!」とようやく僕はお店をやり続けるという執着から解放されたのです。

自己啓発や自分を肯定する言葉を唱えるなんてなんの意味もない!

お店が売れずに毎日お金の不安を感じていた時に、うつ状態、アルコールに依存していた時に自己啓発にもハマり、毎日「ありがとう」とか「感謝します」なんて100回呟いていました。

そんなことしても売れるわけなんてありません。

なぜなら、何も売れるための行動をせずに現実に目を背け逃げ続けていたのですから。

よくある、自分を肯定する言葉を唱え続けろ!なんて薄っぺらいことを言う人がいますがそんなことをやっても現実なんて行動しない限り変わらないんですよね。

トイレを毎日きれいにすれば売れるとかもありましたが、毎日掃除してきれいにしてもお客さんが来なければ売れるわけなんてないんですよ。

自分が気づき、認めて、今を受け入れない限り行動が変わることはありません。

売れないお金の不安の正体を知ることで自分の感情と向き合うことができた

自分を肯定する言葉を自分に言い聞かせても実際にはなんの意味はありません。

頭で自分にわからせようとしている間はその自己肯定はただの自己正当化に過ぎません。

本当に幸せな人は幸せアピールなんてしませんよね。

幸せだと思い込みたいから僕は幸せです!とアピールするのです。

それって頭で理解しようとしているに過ぎないのです。

自分の感情に向き合い、自分はどう感じているのかを受け入れること。

その感情を認めていくことが自己受容でもあると思います。

ただ自分の感情を感じるだけで良かったのに、僕は不安の正体がわからず、そこから逃げて、頭で言い聞かせて自己正当化し続けていました。それでは何も解決もしないですし、自分を変えることはできません。

あの時、「そんな辛い、苦しいのになんで辞めないの?」と言ってもらえたから、僕は、「あぁ僕は今苦しいし、ツライんだ」と感じることができたのです。

感情を感じられたらすぐに行動に移せた

そこから僕はお店を閉める決心をし、すぐに閉店セールの準備と、職探しをはじめました。面接に何個か行ってすぐにアパレル大手での仕事が決まりました。

そこでは1年で店長になり、様々な勉強をすることができました。

自分の「今」に気づき、受け入れて、認めることで変わることができると知りました。

この時の経験は今は大きな僕の財産でもあると思います。

コネも何もなく、自分の生まれた土地でもない場所でお店を開業し、25歳の何も知らない若造が、年間2500万近くの売り上げを上げてきたことはある意味、こんな僕でもそれくらいの売り上げは作れるという自信にもなりました。(失敗したけど。笑)

あの時に僕は変わる選択をしなければもしかしたらこの世にいなかったかもしれません。

今見えない不安を感じているあなたへ

僕は、逃げることももちろんできましたし、閉店したことは逃げたことなのかもしれません。

それでも自分が苦しい、ツライと思っていることからは逃げてもいいと僕は思います。

そこから離れて客観的に自分を見ることによって、今自分が何を感じているのか?自分の感情に素直になってみてください。

不安の正体ってなんだろう?不安のほとんどはまだ起こってもいない未来のはずです。その未来を勝手に悲観的に想像して感じる感情がどんな感情なのか?

そこに目を向けてみることではないかなと思います。

なんでお金がないと不安なんだろう?と当時は考えもしませんでした。

お金がないと言いながら毎日飲みに行けてたし、生きているんですよね。お茶も買えたし、ご飯も食べていた。

できるところには支払いもしていたし家賃も払っていた。(たまに遅れたり、借金を重ねたりしたけど)

その現実に気づかずにただ見えない不安に怯えていました。

そんな毎日は楽しいか?と自分に問いかける余裕もありませんでした。

だから、一旦不安な状況から離れることです。

僕は、いったん休みをとって不安から離れたからこそ、あっ今まで苦しかったんだ、ツラかったんだという感情に気づくことができました。

そうすることで、自分の感情を感じられるんじゃないかなと思います。

感じられたらあとは変わるしかないですよ。

大丈夫!そこから離れることができたら不安ごときで人は殺せないのですから。

この経験があるから僕はどんな失敗が起こっても命までは失うことはないから大丈夫と思えるようになりました。

今、不安を感じていても大丈夫。

何度も死にたい!と思っていた僕でも今は楽しく生きているのですから。

あなたにも同じようにできるし、心の底から楽しい!と思えることが見つかりますよ。

そのためには、今の自分の感情と向き合って感じること。

そして、あなた自身が変わることだと思います。

誰にも分かってもらえない。

そう感じていても、自分を分かってあげられるのは自分だけです。

「自分の力を信じましょう!」

こんな大失敗した僕でも今では、企業に対してコンサルもしているのですから。

自分の人生を決めること。

そして、今の自分の欲求も含めて受け入れることです。

そうすることで新たな道が見えてくると思います。

大丈夫!あなたの夢は叶うと思いますよ。

あとがき

このシリーズを書くのに、約2年ほどかかってしまいました。

結構自分の嫌だったトラウマも含めて書くので2年前の僕ではまだ描けませんでした。

2年で僕は心も成長したのかなと思います。

おそらく2年前に書き上げていたらこの結末は描かなかったと思います。

そこまで当時の自分を客観視できなかったはずなので。

人は常に前を見ていけば成長できるものです。

自分の人生を決定し、その自己実現のために知識、経験を積み重ねて自分と向き合って変わり続けることで未来は大きく変わっていきます。

今ではまたいつか余裕ができれば小さなお店でもやりたいなと密かな夢もあります。

当時ではできなかったもっとお客様のためにできることが今は沢山できると思います。

お客様の自己実現を叶えるセレクトショップ。

そんなお店をいつかできたらなと思いながら毎日を楽しく、自由にやっていっています。

僕にもできたのだから、あなたもきっとできますよ^^

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