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口説くとは「カジュアルに好意を伝える」こと

男性は女性を「どう口説けばいいのか」について考える前に「そもそも口説いているのか」と問い直したほうがいい。

ほとんどの場合、問題は「うまく口説けない」ことにあるわけではなく「そもそも相手を口説いていない」ことにあるからだ。

ただただ女の子と雑談をして数時間お酒を嗜んでも、それは決して口説いたことにはならない。それは楽しい時間を一緒に過ごしただけだ。セックスを前提とした男女の関係には一歩も近づいていない。

では口説くとは何か。どうすれば口説いたことになるのか。
これは簡単である。相手に好意をカジュアルに伝えることである。いうなれば相手を異性として意識していることを軽く・それとなく伝えるということだ。

現代日本ではアニメ・漫画で醸成された告白文化が、フィクションの垣根を超えて現実に広がってしまっている。人に好意を伝えるという行為はサプライズ的でならなくてはいけないという謎の感覚が、日本人の価値観の中に染み付いてしまっている。

はっきりいってこれは世界の恋愛・セックスカルチャーとは大きくかけ離れていると言っていいだろう。男女の仲になるのに告白が前提なんていうカルチャーが根付いているのは日本だけだ。

そもそも考えてみてほしい。
なぜ相手に対する好意を秘めなくてはならないのか。

もちろん誰かを批判するのに時と場合を選んだ方が良いように、相手へ好意の伝え方もTPOをわきまえるべきである。のべつ幕無しに好き好きと相手にアピールするのは迷惑行為にしかなりえない。例えば(ビジネス・プライベート問わず)複数人のグループで話している時に、誰かから過剰に好意を向けられても女性は困るだけだろう。

しかし、一対一の場で相手に軽い気持ちで好きだという気持ちをアピールするのは決して間違った行動ではないし、ましてや恥ずかしいことでもない。

むしろ、そういった好きアピールを一切していないのにも関わらず、ある日突然「実はあなたのことが好きです」とサプライズ的に好意を開陳することの方が、よっぽど相手を慌てふためかせることだろう。俗に言うぬいペニ現象だ。

恋愛関係になりえない関係性が構築されてしまっている状態で、突然好意をぶつけているわけなので、相手も驚きを伴う拒否反応が出てしまうのは当然のことだ。これを避けるためには相手への好意は間を置かずカジュアルに重苦しくない空気で・手を変え品を変え伝えていくことがとても大事である。

「そんなふうに好意を伝えたら女性が引くのではないか」と考えてしまう人もいるだろうが、単刀直入に言って間違っている。そう考えてしまう人は、女性を好きになるのは罪であるかのような強いバイアスがかかっている。

むしろ好意を伝えることで、返報性の原理であなたへの好意を逆に引き出しやすくなる。なんなら、好きと伝えるのは好きになってもらうためであるくらいに考えたほうがよい。

以下のリンクは「オードリーさん、ぜひ会ってほしい人がいるんです。」という人気番組で番組の女性アナウンサーが「もしMCに告白されたらどうするか」という話題で盛り上がっている動画だ。この動画内で一ノ瀬アナウンサーの言う「あたし、好きって言われたら好きになるシステムだから」という言葉は、非常に多くの女性が口にする常套句である。人は好かれると好きになるのだ。

それでも引かれたとしたら、それは女性の方が間違っている。好意を抱くかどうかはあなたの自由意志なのだから、それについて女性が気持ち悪いとかありえないとか感じる権利はない。当然のことながら、あなたの感情が行動として具現化し、女性に迷惑をかけてしまった場合はその限りではない。だが行動に現れない限りは、それはあなたが所有するあなたの自由な感情なのだから、誰かに指図されたり非難されたりする言われはないのである。

もし女性が正当に引く権利があるとしたら、それは関係性の中で好意の伝達と受容というプロセスを経ずにセックスしたいという思いをぶつけられた時だ。それは「好きでもない人間とセックスをしたい」という思いであると受容され「あたしでなくてもいい」「ただの身体目当て・性欲処理」という受け止められ方をされてしまう。この場合、女性は自身の価値を認められていないわけなので、引く権利・気持ち悪がる権利がある。ただただ楽しい雑談をしただけなのに最後に突然ホテルに行こうよと言われたら当然のように断られる理由はここにある。

「付き合ってないのにセックスなんてありえない」というこの言葉は、口にする彼女たち自身も本当の意味を誤認している。
彼女たちの本音は「自分のことを好きでもないのに、代替可能な性欲処理の道具にされるなんてありえない」だからだ。

だから、うまく口説けていないという事象の原因はすべて
そもそも好意をうまく伝えていない
② ①を経ずにセックスしたい意思を伝えている
の2つに収斂される。(もちろん清潔感がないとか覇気がないとか最低限の金もないとか、そもそものモテの基盤の部分に原因がある場合を除く)

うまく口説くにはこの2つの完全な逆を行って回避すればよい。
つまり
①好意をカジュアルに伝える(何度も手を変え品を変え伝える)
②その上でセックスを打診する

だ。

口説くという行為の本質は、これ以上でも以下でもない。
目指す関係性のゴールがワンナイトだろうが、結婚を見据えた真剣交際だろうが、人類全体の男女関係として変わらない法則である。

どうやって口説いてるの」ってよく聞かれるんですけど、ホンマないんですよねえ。真正面から行くだけなんで。

なんとなく会話のなかでちょいちょい探っていって、「向こうもそんなに興味なくはないんかなあ?」っていうすり合わせして、そこから明確な意思表示に移るという…

R25 チュートリアル徳井のインタビュー

口説き方が上手い人は、①カジュアルな好意の伝達②セックス打診の2つの「伝え方のレシピのレパートリー」を持っていて、それらを状況に合わせて柔軟に、かつ適切に使い分けられる。

重要度で言えば、①カジュアルな好意の伝達の方が圧倒的に大きいと考えていい。②のレパートリーは限られているが、①のレパートリーは多様で人によって適切な方法が変わってくるからだ。誰かにとっての効果的なパターンが、他の誰かに取っては最悪のアンチパターンだったりすることもある。

とはいいつつもどのパターンも本質はカジュアルに好意を伝えること。手を変え品を変え、相手がその気持ちを自然に受容できる状態に持っていくことだ。
私はこれを個人的に「好き刺し」と呼んでいる。

「好き刺し」の重要性については本稿のここまででたっぷりと語ったので、実際の好き刺しのレパートリーは別の記事でまとめようと思う。

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