おばけ

高気密高断熱のデメリットに真剣に向き合わない日本の住宅業界の闇

高気密高断熱といえば、夏涼しく冬暖かい!という良いイメージがついていますが、かなり大きなデメリットがあり、日本の住宅業界の対応が遅れています。

【結論】つまり

換気システムが正常に動き続けないと、家の中の空気が淀んで、健康被害がでます。気密性が高いがゆえのデメリットです。

で、換気システムのメンテナンス性に力を入れている住宅会社は、日本にほとんどありません。このままだと、日本中に高気密高断熱住宅を原因とする健康被害が蔓延してほおかしくありません。

高気密高断熱住宅のデメリットをもう少し詳しく

まず、換気ができないと、二酸化炭素濃度が上がります。二酸化炭素濃度が上がると、酸欠カプセルで過ごすようなものなので、慢性頭痛、睡眠不足、集中できない、息苦しい、気持ち悪いなどの症状がでます。

人の多い会議室や満員電車の空気が淀んでいるのは、この二酸化炭素濃度の上昇が一因です。

次にハウスダスト。換気ができないと、ダニの死骸やほこりなどのハウスダストが家の中に充満します。その結果、喘息やアトピー性皮膚炎などのアレルギー疾患の原因となります。

他にも、建材や接着剤から発生するVOC(揮発性有機化合物)の問題もあります。

高気密高断熱住宅で換気をしないと、不健康住宅になる」ということは頭に入れておいてください。

24時間換気システムは義務化になったんでしょ?

その通り。平成15年に設置は義務化になりましたので、今から建てる家で、24時間換気システムを設置していない家はありません。設置は、です。

住んだ直後は、正常に稼働していますが、5年後10年後と正常に稼働していなくても法律違反ではないので、住宅業界としてはそこに真剣に取り組む必要がないとも言えます。

換気不良に陥る原因は?

一番多いのはフィルターの目詰まり。少なくとも、排気口(換気扇)のフィルターは、1カ月に1回の掃除は必要でしょう。

次に、機械の故障放置。修理費が高すぎて、放置してしまう人がいます。これでは家中の換気が止まりますので、もう不健康住宅まっしぐらです。

似ていますが、全館空調の弊害もあります。エアコンと換気システムが一体になった全館空調が壊れるとえぐい修理費がかかるので、多くの人が修理せず、別に壁掛けエアコンを設置します。これも換気システムが止まります。

換気不良を防ぐ対策は?

・機械のメンテ性向上
壊れても直しやすいようにしなくてはいけません。15年後に換気システムが壊れて、50万円かかったら修理しなくないですか?10万円以内で修理できる、簡単な仕組みがベスト。

・フィルターのメンテ性向上
給気、排気ともに掃除しやすい位置に設置する必要があります。最悪なのが、虫や排気ガスがべっとり付着した排気フィルターを室内から掃除する設計。絶対無理。虫を室内に放つのか!ってね。

・施主の意識教育
といいつつ、一番大事なのは、施主の意識です。換気を止めると、高気密高断熱住宅は不健康住宅になってしまうということを頭にたたきこんで、フィルターを掃除し、機械が壊れたら費用がかかっても修理することです。

どんなにメンテ性能の高いシステムを付けても、施主の意識が低ければ意味がないですからね。

いっそのこと、高気密高断熱住宅をやめたら?

それはきついでしょう。夏は暑いけど、自然の風で涼しくして、冬は寒いけど、こたつに入って耐える。みたいな。さすがにこれこそ不健康です。

高気密高断熱化は、室内の快適性を考えると不可欠と言えるでしょう。なので、高気密高断熱住宅のデメリットを正しく理解し、適切に対策していくほかないと思います。

まとめ

高気密高断熱住宅は、換気しないと不健康住宅になる。

そうしないために、住宅業界の対策が遅れているが、何より、施主の意識が最も重要。フィルターはこまめに掃除する、機械は壊れたら直す!これだけ。

この約束ができない人は、高気密高断熱住宅を建てると危ない。空気質の乱れって目に見えないので、対策が遅れがちですが、ボディーブローのよう身体に悪影響を与えます。

詳しくは、このあたりの記事をどうぞ。

換気システム選びに失敗すると室内の空気環境が悪化する理由|24時間換気システムの重要性

換気システムの正しい知識と失敗しない選び方(前半)|第?種換気・熱交換・給気フィルターの推奨レベル

換気システムの正しい知識と失敗しない選び方(後半)|機械・フィルター・ダクトのメンテナンス性能の見極め方

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