屋根修理

30年保証/60年保証はあてにならない

これはよく言われることなので、今更?という感じかもですが、知らない方もいるようなので、お話してみます。

30年保証/60年保証とは?

注文住宅の完成から30年~60年の長期にわたり、家の不具合を保証するシステム。ある程度の規模を持つ住宅会社であれば、このシステムを採用している会社が多いはずです。

一見、素晴らしいシステムに見えますが、詳細を調べると「別になくてもいいじゃない?」という感じがしてきます。

10年ごとの有償メンテナンスが必須

保証の適用には、ほとんどの会社で、10年ごとの有償メンテナンスが必須です。つまり、

「10年経過したら、お金払ってメンテナンス工事してくださいね。そうしたら、10年保証伸ばしますよ。その後,、また10年経過したらお金払ってメンテナンス工事してくださいね。そうしたら、10年保証伸ばしますよ。この繰り返しで、最大30年/60年保証しますね」

ということです。この内容で、「長期安心保証!」とPRしていることに、疑問を持つのは私だけ?

有償メンテナンス工事は誰がやる?

有償メンテナンス工事は、当然、家を建てた住宅会社(もしくはグループ会社)が行うことになるでしょう。

となると、相見積がとれないので、金額の妥当性も謎です。そもそも、そのメンテナンス工事が必要なのか?ということさえも、謎と言えます。

施主からすると、「この有償メンテナンス工事をこの金額でやりますか?やりませんか?」という二者択一に迫られるということです。

有償メンテナンス工事を行わなければ、当然保証はそこで打ち切りになりますので、30年保証/60年保証は実現しないことになります。

誰が得するのか?

住宅会社は、10年後の有償メンテナンスで、その後10年間の保証費用+利益を得るので、得をするのは住宅会社です。

ならして考えると、施主は保証など受けずに、「壊れたら直す」方が得になると言えます。ま、保険みたいなもんですね。保険も、保険屋さんが儲かるようになってます。

でも、安心が買えるじゃないか!

確かに。損をしたとしても、10年後に有償メンテナンス費用でぼったくられたとしても、「その後10年間は保証してもらえる」という安心をゲットすることができるので、意味がないとは言えませんね。

しかも、中小の工務店では、そもそもこんな長期保証できませんし。という意味では、損してでも30年/60年保証の安心感に価値を感じる人にとっては、価値があります。

ただ、なんでもかんでも安心を得るためにお金を払っていたら、「家計が苦しいです。月々保険料5万円払ってます」みたいな状態になりかねないので、実益主義で考えるならば、やっぱりあてにならないなーというのが結論です。

じゃあ、何があてになるのか?

建材メーカーの保証期間はあてになります。建材メーカーの保証期間は、単純に製品の質に比例するので、保証期間が長い=製品の質が高いと、考えることができます。

保証の適用条件等はややこしくて、実際に保証されんのか?という部分は確かにありますが、製品の質を見極めるためであれば、とても分かりやすい目安になります。

外壁材や屋根材であれば、塗膜保証の期間。外壁シーリング材であれば、ひび割れ保証の期間は、とても参考になります。

まとめ

住宅会社の30年保証/60年保証は、安心感を得るという意味では、価値がないとは言わないけど、その保証費用+αを施主が負担しているので、実益性は低い。

契約をとるためのよく考えられた仕組み、と考えるのが妥当。経営的な観点で考えると秀逸だと思いますが、施主の実適正から考えると、まーあてにならないなと思います。

一方、あてになるのは建材の保証期間。詳しくは、「メンテナンス性能」について|記事まとめあたりをご覧下さい。外壁、屋根、バルコニー、太陽光発電システムのメンテナンス性について、詳しく解説しています。

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