ダクト汚れ

全館空調(ダクト給気型)をおすすめしない理由

ダクト給気型の全館空調はおすすめしません!住んだ直後はいいですが、その後のデメリットが大きすぎます。

ダクト給気型の全館空調とは?

外から空気を取り込んで、(冬の場合)その空気をエアコンで一度暖めてから、ダクトを経由して、各部屋に暖かい空気を送る空調システムのこと。

エアコンと換気システムが一体化しており、空調と換気が合わせて行える素晴らしいシステム!という感じで認識されていると思います。

「エアコン1台で部屋中あったか!」
「家中温度差がなく、ヒートショックを予防!」

という感じで、PRされていますね。

ダクト給気型という言葉を聞いたことがないけど…

一般的には、全館空調=ダクト給気型の全館空調という認識ですし、世の中の全館空調のほとんどが、ダクト給気型なので「全館空調」と聞いたら、これのことだなと思ってもらってOKです。

本来の意味からすると、全館空調=家全体を空調で温度を均一にするってことなので、必要なことなんですよね、快適な家にとって。なので、ダクト給気型ではない「ダクト排気型」の全館空調ならOKなんですけどね。

ダクト給気型の全館空調を導入すべきではない理由

ダクト給気型の全館空調を導入すべきではない理由は、以下の通りです。

・故障したら壁掛けエアコンにする
故障時のメンテナンス費用が高いので、全館空調が壊れたら、多くの人がヤマダ電機あたりで壁掛けエアコンを買ってきて取り付けようぜ!となります。

全館空調が止まると、換気も止まりますので、室内の空気環境は最悪に。二酸化炭素上昇、VOC濃度上昇、ハウスダスト充満…で、不健康住宅まっしぐらです。

・故障時の対応に時間がかかる
真夏や真冬に故障したら悲劇。工事が特殊ですぐ直してもらえないので、しばらく無エアコン生活に。となるとますます、ヤマダ電機に行きたくなる気持ちもわかります。

・ダクト内のホコリ
フィルターがあっても、ダクト内にはホコリが溜まります。部屋の天井にある給気口にホコリが付着してくるはずです。

そのホコリが常に部屋に供給され、ハウスダストアレルギーの原因になります。

理想は、数年に一度ダクト掃除をすることですが、ほとんどの人がしないでしょうから、そもそも導入すべきではありません。

これは、全館空調のみならず、ダクト給気型の第一種換気でも同じことが言えるので、ダクト給気型の第一種換気もおすすめしていません。

・エアコンの効率
一般的にエアコンの効率は、壁掛けエアコンが進んでいると言われているので、全館空調に使われるエアコンは効率が高くないことが多いです。なので、光熱費が高くなるのではないか?と危惧します。

実際に全館空調の光熱費のデータを見たことはないので、確証はないですが、業務用エアコンは家庭用エアコンより格段に消費電力が高いので、全館空調用のエアコンも同様ではないかと推察されます。

・初期設置費用
壁掛けエアコンに比べると高いです。見積には「全館空調費用サービス」とか「全館空調は特別価格で提供」とか書いて、ごまかすことが多いみたいですが、当然価格には影響しています。

じゃあどうすればいいの?

推奨は、「ダクト排気型」の第一種換気+壁掛けエアコンです。ここに冬場は加湿器が加わります。

もちろん、基本性能(窓・断熱・気密・換気)を整えることは当然必要と考えてくださいね。いつも言ってますが、ざっと挙げておきますね。

・窓
サッシ→樹脂
ガラス→Low-Eペア(アルゴン)※1~3地域はトリプルも検討
スペーサー→樹脂

・断熱
UA値→ZEH基準クリア(4~7地域は、UA値0.6以下)
玄関ドア➡D2/K2グレード以上

・気密
C値→0.7以下(断熱工事施工後に気密測定)

・換気システム
種別→メンテナンス可能な第一種換気(ダクト排気型)
熱交換→全熱交換80%以上
給気フィルター→PM2.5対応

まとめ

ダクト給気型の全館空調は、光熱費が高く、ハウスダストアレルギーのリスクが高まり、故障時の費用が高く、将来的に換気不足に陥るリスクが高いため、おすすめしません。

ダクト給気型の全館空調を導入しなくても、快適な家は作れます!

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