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ゲーム:THE 裁判 (PS2)

トムキャット式裁判開廷!
えーっと、何故シンプルシリーズが「裁判」なんて堅苦しいテーマの作品を作るに至ったかの説明はいらないでしょう。いつもの事だし。この当時、流行っていた作品を見れば一目瞭然…と言う事で今回は「THE推理」で有名なトムキャットシステム開発の「THE裁判」をレビューして行きましょう。

ザックリ本作の説明をすると主人公で新米司法官である「桃田 司(ももた つかさ)」が様々な裁判の依頼を受け、事件を調査し、裁判で勝利して行くというもの。これだけだと某有名裁判ゲームと同じだが、本作の特徴は殺人事件以外にも相続、離婚、著作権問題など他の作品ではあまり日の当らない題材を取り上げているところ。毎度毎度違う形の事件を調査する事になるのでなかなか飽きさせない内容になっている。そして裁判のシステムは今ではおなじみの「陪審員制度」を2004年の作品なのに早くも取り入れており、発言によって判断が揺れ動く陪審員達の心の動きが見れたりと、本作の裁判は裁判でも目の付けどころが他と違ってなかなか新鮮だ。
そして本作も「トムキャットシステム」が開発と言う事もあり「THE推理」や「THE鑑識官」と世界観を共有しており、本作も「擬人」の存在は大きく関わってくる。おなじみのキャラクターも数名登場するぞ。

やり直しなんて効かない!撤回なんてできない!
…とまぁ、トムキャット開発のシンプルシリーズがお好きな方なら是非プレイしてもらいたい作品なんだけど、いろいろと問題も多い…。
調査では時間制限が備えられておりその時間内に、できるだけ多くの証拠品を揃えなければならないタイムアップしたら即法廷である。時間は証拠品を調べたり、人と話したり、場所を移動する事で経過して行くのだが、つい同じ行動をもう一度しても経過したり、人と少し話すだけで大幅に経過したりとリアルと言えばリアルだが、なんだか腑に落ちない時間経過の仕方をする。

また法廷では某有名裁判ゲームのように、所々の気になる証言でプレイヤーは、「証拠品の提示」「詳しく説明してもらう」「異議を申し立てる」そして「聞き流す」などのアクションを起こす事がやはり本作の肝となるのだが、これがまぁ難しい難しい!
矛盾を明らかにするため証拠品を突き出すにも意味ありげで本当はなんの意味の証拠品や、意味が分かりにくい証拠品が多く、証拠品選択時のアイテム説明文も頼りないくらい簡素なもので、証拠品の肝となる事はちゃんとプレイヤーが覚えておかねばならないのだ!しかし、ある意味これは新しい!メモはいつの時代だって大事だ!

でもそれはまだいいのです、それはいいんだけど問題は、「提示したものが間違った場合」だ。普通一回ミスをしたのならライフが減ったりして、もう一度そこからやり直しというのが常だが、なんと本作では選択が間違ってようが、話をスルーしてようが、リアル指向にこだわったせいなのか失敗しようがなにしようが問答無用で裁判は進んで行く。そのため、一度の失敗で裁判の展開が大きく変化しそうだが・・・そうでもなかったりする。
なんと裁判は道筋が始めから立てられたかのように進んで行き、所々のアクションは陪審員の心を動かすだけのものでしかなかったりする。なので裁判の結末も決まっており、それまでに陪審員の心をどれだけプレイヤー側に持って行けたかで勝敗が決まる。しかもその裁判の結末はプレイヤーの判断とはあまり関係なく、プレイヤー側に有利な大展開を見せてくるので、勝訴できたとしてもあまり納得できるはずがない・・・これがこの作品の評判の悪くしている最もなところだろう。あと話の終わりは満席で勝訴しても、ギリギリで勝訴しても会話があまり変わらない所もやっぱり残念な所だ。

そして本作が損をしているところはもう一つある。それはプレイヤーに対する窓口の狭さだろう。THE推理をプレイした人ならこの濃い世界観は受け入れられるし、嬉々としてプレイ出来るのだが、そうでないプレイヤーにはきっとシンプルな裁判ゲームを期待しているのに、突然「擬人」やら「ブレインコピー」などの専門用語が飛び出し面を食らう事だろうし、その後もきっとついて行きにくい事だろう。これなら初めからタイトルの脇に「THE推理外伝」とか入れてもいいくらいだ。凄まじくややこしいけど。でも後に登場した「THE鑑識官」では同じ世界観でありながらも、「THE推理」のテイストを上手に薄めている。やっぱりこちらは濃すぎたんだなぁ。

色々と言いたい放題書いちゃいましたが、最後にまとめさせていただくと、やっぱり本作はシンプル好きな方以外にはお勧めできません。でも本作は他の裁判ゲームでは見えない角度から裁判を切り取った意欲作だったと言う事は確かですよ。そこの所を是非体験してみたい方、またTHE推理やTHE鑑識官は好きだったけど本作にはまだ手を出されていない方には是非お勧めしたい作品です。それとやっぱなんだかんだ言ってもキャラクターは可愛い!
あとぬいぐるみに擬人機能を搭載した「ベンジー」というキャラクターはこの世界でも行過ぎたテクノロジーだと思う。


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SF007

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