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20年前の実写ガンダム【G-SAVIOUR (2000)】ネタバレ有

これが実写ガンダムだ!
ガンダムと実写。思えばガンダムと実写というのはなかなか結びつきが弱い。昨今では「レディ・プレイヤー・1」にガンダムが登場した事もあったけれどアレはゲスト出演という形。
初代プレステでも実写の太いシャアが登場する「GUNDAM 0079 THE WAR FOR EARTH」なるゲームもアレな内容ではあったが頑張って一年戦争を再現していた。しかし今回レビューを書く「Gセイバー」は完全新作!なんと海外との共同制作で作られたインターナショナルなガンダムだ!
…まぁその実体は当時機動戦士ガンダム20周年を記念してカナダと共同制作で作られたテレビ映画なんだけどね。

私自身存在は知っていたのですが、時代が進むにつれて存在感は薄くなり、黒歴史のような気もするだいぶ怪しいオーラを放つ作品作品だったのですが、一体どのようなモノなのか気になって鑑賞しました…まぁ、凄い作品でした

宇宙世紀223年、地球。元地球議会軍のパイロットであるマーク・カランは、宇宙都市''サイド・ガイア''の生物工学博士、シンシア・グレーブスを助けたことから事件に巻き込まれてしまう。地球の食糧危機に端を発したその事件は、地球議会軍とガイアとの戦闘に発展してしまった。

過去の記憶から、軍を辞め戦うことを拒否し続けていたマークだったが、大切なものを守るため、最新型モビルスーツ『Gセイバー』への搭乗を決意する! 
                        (ニコニコ大百科より)

ストーリーは良くも悪くも腐敗した連邦のような政府と戦っていくガンダムっぽいストーリーになってはいるのですが、登場人物たちの行動はどれも先のリスクを1ミリも考えない行動をするクレイジーな連中ばかり。
主人公マークは捕らえた科学者と当たり前のように行動を共にし、自分の恋人を巻き込み、更に他の女を好きになっちゃう凄まじくゲスな野郎。

更に主人公の恋人ミミは己の感情のままに敵味方を裏切りまくるエキセントリックな性格で、最後には笑いながら爆死する凄まじいキャラクターでした。敵は敵でどれも私利私欲しか考えない深みの無い悪役ばかりです。

話の展開も設定説明が多いせいかテンポが悪く、それでいて面白く無いのが残念です。食料問題という切り口は良いのですけどね。
一番凄かったのは連邦の進行を食い止めるため、MSはあるけど兵隊がいないからという理由で戦った事すら無い人々をMSに乗せて戦わせるシーン。それでいいのか。

そして見せ場であるCGによるMS戦は全体的に動きにキレがなく、モッサリしており、カッコよくないです。Gセイバーのビジュアルのカッコ良さすら上滑りしています。

ドラマパートも未来的な雰囲気は皆無で非常に安っぽい作り、ハンガーにあるMSなども全てCGで作られているのですが、これなら特撮でガンプラ置いた方が良いと思うくらい完全に背景から浮いてしまっています。
…とまぁ悪いところを挙げるとキリがない本作。まさかここまでの出来とは思いませんでした。

しかし実写ガンダムという挑戦はとても素晴らしい事だと思いますので、是非また違う形で作って頂きたいですね。 


映画鑑賞と積みゲーの資金となります…たぶん