リアル志向の本格派シミュレータ!?

シンプルシリーズの中でもAAでネタにされるくらいポピュラーだと思われる作品。 実在する大戦時代から現代の戦車まで13種類の戦車を使用し、敵の殲滅、巨大砲台の破壊など30種の様々なミッションをクリアしていこう。
と、いうことなんだがパッケージに高らかと掲げられた「リアル志向の本格派シミュレータ」という謳い文句はプレイして即、悪い冗談だと言う事に気づくだろう。そういう事に疎い僕でもわかる。
一秒間に3発も連射出来て、30発撃ち切ったらリロードという戦車の構造的にどうなのよと言いたくなる基本システムや、迷彩色をマップの色調と合わせれば防御力が上がる謎技術など、とてもTVゲームらしい大味な仕様になっている。

その上、ミッションでターゲットとなる戦車はかなり近づいてこないと撃って来ないうえに、木などの障害物にぶつかっても前に進もうとして動けなくなったりとバカ丸出しの動きをしてくれる。
プレイヤーはとにかく敵の射程外から撃ちまくれば一方的に攻撃出来るし、相手が近くても動き回りながら撃てば決して負けることは無い。そう、これがD3とヴァンテアンシステムズが導きだしたリアルなのだ。
ちなみに対戦モードとプレイヤー二人で操縦係と照準係に分けて遊ぶ事が出来るCOOPモードがある。

戦車は連射が命！

だが決して油断できないゲームだ。もちろん敵はステージが進むにつれて数も増えて耐久値も上がるので一機をを相手にし続けていると他の戦車が無音で真後ろから近づかれて撃ってくるということも普通にある。レーダーでは見えてるのだが気づいた時にはやられてる事もしばしばだ。
なにせこちらの戦車は二発も当たれば爆散してしまう。なのでプレイヤーは常にバカ集団(敵)の思考と行動パターンを予測し、慎重に、時には大胆に行動しなくてはならない。決して操作性は悪くないので面倒くさくなったら裏から体当たりして0距離を食らわせてやれ。 そこに快感とやりごたえを感じてしまったら君も立派なTHE戦車ゲーマーだ。
そして最後のステージは中盤の難所が嘘のようなくらい簡単で力が抜けるぞ。まったくこちらの予測の斜め上を突き進んでる仕業だ。

最後に全ステージクリアすると武器チェンジが出来るようになる。コレが凄い。なんと戦車に別の戦車の砲塔を付けて遊ぶことが出来る。つまり馬鹿デカいエイブラムスの砲塔を九八式中戦車のちっこい砲塔に変えたりする遊びが出来るのだ。クリア後は魔改造戦車で駆け巡れ！
感想を言うともう壊滅的なくらいボリューム不足だけどツッコミどころ満載でそれなりに遊べちゃう面白い作品でした。
ただし決してリアルな戦車ゲームとして期待しないこと！以上！

DATA

SIMPLE 2000シリーズ Vol.32 　THE 戦車
発売：D3パブリッシャー
開発：ヴァンティアンシステムズ
対応ハード：PS2
発売日：2003年6月26日
ジャンル：リアル志向の本格派戦車シミュレータ