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郷愁のローポリ世界へ 【 BACK IN 1995 】(PS4)

90年代。ハードが2Dのスーパーファミコンから3Dポリゴンを多用しまくったプレイステーションに変わった世代交代の時、その革新的なゲーム達に僕たちが熱狂していた。だけどまぁ今見てみたらカクカクのポリゴンにガタガタのテクスチャが貼られた3Dキャラを脳内で補完が必要なものだったが、僕らはそこに確実な「未来」があり、「先端」を見ている核心があった…。

そんな時から25年。空飛ぶ車もレイバーも電脳化すらされていない2019年、ちょっと予想出来ない成長ばかりを遂げた現代になんだか郷愁を誘うタイトルが現れた。ファミコンライクなゲームが雨後の筍の如く登場する中、突然変異の如く現れたプレステライクな最新ゲーム「BACK IN 1995」
美しいドット絵ではなく荒いポリゴンには御歳30ながらノスタルジーを感じずにはいられない…コイツはプレイせねば。

「あれがタワーか…行かなくては」私は戻ってきた。この忘れ去られた場所に。あの惨劇からどのくらい経ったのだろう。これまでもずっと、前に進もうと努力してきたつもりだった。だが何をしても、ずっと同じ場所にとどまったままもがき続けている気がしてならなかった。あのタワー。あそこで、過去を清算しなくては。

本編のセリフより

何やら意味ありげな回想から始まる本作は90年代よくあったバイオハザードライクなアクションアドベンチャー。もちろん操作はスティックを傾ければ思った方向に歩いてくれるモノではなく、我々を苦しめて来た往年の「リモコン操作」だ。
主人公は謎のバケモノだらけになってしまったビルの中で謎を解き、生存者からのおつかいに応じ、目的のタワーを目指して進んで行く。ホラーな風味も当時らしい。

往年の雰囲気はたっぷりだ。このガビガビのポリゴンは素晴らしい。音楽も完璧だ。特に主人公のレンチによる近接攻撃のモッサリとしたモーションなんて最高じゃないか。しかもゲーム画面もブラウン管風のエフェクトを付ける事も出来るぞ。

そんな本作…なの…だが…しかし……正直つまらない。
本作はマジで淡々と謎解きと敵を倒しお使いをこなすだけになってしまっている。クリーチャーのデザインもミートボールに手が生えたデザインだったりと恐怖を煽っているのか、ウケ狙いなのかわからないのも残念だ。
しかも本作はコレと言った盛り上がりもボス戦もなく、ストーリーの真相が突然知らされ、3時間程度で終わってしまう。いくらなんでも短すぎる…。あと衝撃的なシーンには是非プリレンダームービーも欲しかった…。

雰囲気は非常に良いのだがゲームとしての面白さやカタルシスはバイオハザードどころかオーバーブラッド(リバーヒルソフトのPSゲーム)にすら到底及ばず、「懐かしさ」だけが売りのゲームになっているのが残念でしょうがない。

まぁそんなつまらないと思う所も、ある種の味わい深さを感じるべきなのかもしれない…いや…まぁ当時のアレな中古ゲームを掴まされた感はそれはそれで懐かしいもんだし…ってそこは狙っちゃダメでしょ!

そんなこんなで郷愁を誘う俺たちのレトロゲーム風ゲームは若干アンニュイな気分になってしまう一本でした。今後ももっとローポリゲーは登場していただきたいです。


DATA

BACK IN 1995
発売:メディアスケープ
開発:Throw the warped code out
対応ハード:PS4、Switch、3DS
発売日:2019年5月23日
ジャンル:アクションアドベンチャー



映画鑑賞と積みゲーの資金となります…たぶん