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映画:アメリカン・アニマルズ (2019)ネタバレ有

田舎は辛い。こんな所が俺をダメにさせている、みんな馬鹿ばりだ。俺も都会へ行き一山当てたい。しかしここから抜け出せる見込みはない。
そんな鬱屈した想いが彼らを間違った冒険へと導く。

退屈な大学生活を送っていたウォーレンとスペンサーはくだらない日常に風穴を開け、特別な人間になりたいと日頃から願っていた。
ある日、2人は大学の図書館に時価1200万ドルを超えるジョン・ジェームズ・オーデュボンの画集「アメリカの鳥類」が保管されていることを知り、それを盗み出すという計画を思いつく。2人はエリックとチャズを仲間に引き入れ、入念な計画を立てる。
そして4人は特殊メイクで老人の姿に変装し、ついに計画を実行に移す。
(Wikipediaより)

時価12億円の本…最初は楽しい夢膨らむ。怪盗の如きしなやかさでお宝を盗み劇的に遂行する絵に描いたような計画。ワクワクするようなアウトロー活動は好奇心を煽る。ニューヨークへ来てはしゃぐ彼らは大して僕らと変わらない。
そんな本作のストーリーは実は実話。しかも犯行を実行した当事者、両親、被害者の司書たちの証言も入る再現VTRの様相も呈している。
彼らの証言が映像化されているので個々の記憶の食い違いなども面白く映像化されていたりなど飽きさせない作りだ。編集も面白く当時と現在を面白く描いている。

お遊びのようだった犯行計画が現実味を帯び始め徐々に徐々に緊張感は増してくる。正直一名以外そこまで乗り気じゃないのがなんともかんとも。
そして実行当日の凄い事が起こりそうなくらいバッチリな老人メイクの変装からの中止、そして再度実行のシーンの緊張感とハラハラ感は正直彼は大したことはしていないのだが、その誰が見ても大失敗と彼らのパニックが乗り移ったように僕らもドキドキ焦ってしまう。おいおいおいおいおい!と。
全てが上手くいかず首謀者も一番冷静そうな奴も全員が完全に取り乱す様は痛々しいし、どうしようもない現実すぎる現実が悲しい。

事をやってしまった後の彼らも根が腐ってないので罪悪感と強迫的な恐怖に苛まれる結果に、しかも建てた計画はやっぱり一つも上手くいかない。そしてそのまま御用。俺は特別で他の奴らとは違って上手く出来るかもしれない…と、思っていても実はそうではない。そんな若く痛々しい彼らがバカをやって痛い目を見て成長するまでの作品でした。
にしてもよく司書のお婆さんはこんな映画に出てくれましたね。ラストは驚きました。

まぁ…やっぱり悪いことはするもんじゃないね!!!

ちなみにこの映画がスガイディノスで最後に見た映画でした。閉館する映画館は予告はないのですぐに始まるんですね…あれは結構切ないです。
そしてスガイディノスさん本当に今までマニアックな映画の数々面白かったです。ありがとうございました。


映画鑑賞と積みゲーの資金となります…たぶん