情報発信と言う活動についての考察。

弁護士は、コンサル型ビジネスです。コンサル型ビジネスは、クライアントに対して良質な情報や知恵を提供するということが商売の本質となります。


コンサル型ビジネスと言う事は、クライアントが既に存在して、かつ、そのクライアントに何かしらの悩みや困りごとがあるということが前提になると思われるかもしれません。


例えば、誰かを訴えたい、あるいは誰かに訴えたという場合に、弁護士に相談にいらっしゃることがあります。そういった場合には、どうやってその悩みに対応していくべきかということを、現在直面する課題に沿った形で情報として提供することになります。


他方、今現在は具体的な悩みはないとしても、今後、何かしらの問題が生じた場合に備えて、いわゆる予防の目的で弁護士を顧問と言う形でつけるといったケースもあります。予防法務と言われるものです。


予防法務としての顧問契約を獲得しようとすると、こちら側から積極的に良質な情報を伝えていく必要があります。そのためには、やはり、普段から良質なインプットを行っておく必要があるでしょう。


良質なインプットと言うのは、言うまでもなく、読者のことを意味します。もちろん、読書以外の体験や経験も必要となりますが、それだけでは世界が広がりません。


読書は自分でテーマを設定できますから、非常に便利なツールです。そして、非常に安価な負担のみで勉強することができるツールでもあります。


初めて会う人と少しお話をしただけでも、その人の賢さあるいは物事をいかに深く考えているのかと言うことについては、印象としてはっきりとわかるものです。そのような印象を与える際に、この人は薄っぺらいなと思ってしまわれると、次はないでしょう。そう思われないために、普段から良質な読書を心がけておくことが大切です。


弁護士に限らず、コンテンツ型ビジネスを展開したいと考える人にとっても、読書は、必要不可欠なものです。コンテンツ型ビジネスとは、例えば、有料のノートを販売したり、あるいなアフィリエイトサイトを構築したり、目に見えないものを提供する仕事のことを意味します。


コンテンツ型ビジネスについても、こちら側から先方に対して積極的に質の高い情報を提供することが求められます。質の高い情報を提供することにより、情報発信者としての信頼性が高まり、その信頼性をもとに、よりコンテンツを流通させることが容易となります。


コンテンツ型ビジネスは、資金力に乏しくても、他に本業の仕事を抱えているとしても、誰でも容易に参入可能です。例えば、無料のブログを開設し、そのブログを通じて情報発信することでも、参入することができるのです。


ブログ以外にも、Twitterやノートを使って情報発信することができます。情報発信するだけであれば、一切費用は発生しないのです。つまり、その人のやる気さえあれば、いつでもどこでも情報発信し、コンテンツ型ビジネスに参入することができます。


情報発信には、年齢も、性別も、一切関係ありません。その人の考えたことや体験したことをわかりやすく伝えれば良いのです。


この、わかりやすく伝える、というのが非常に難しいところです。ただ単に事実を羅列するだけでは、読み手も飽きてしまうかもしれません。かといって、感情のみを思うがままに文字として表したとしても、やはり読み手にとってはわかりにくいあるいはつまらない文章となってしまうでしょう。


わかりやすく伝えるためには、事実と評価の表現のバランスをうまく図ることが大切です。事実をまずは示した上で、その事実に対する情報発信者自身の評価あるいは解釈を分かりやすい言葉で示すことが求められます。


裁判官が作る判決文も、事実と評価の部分に分けられています。まずは争いのない事実を確定し、次に争いのある事実については、証拠を用いて事実を確定します。その確定された確実を元に、法律に当てはめて結果を導くという流れになります。


Twitterの場合、140字以内と言う制約がある関係で、事実と評価をそれぞれ示すと言う事はなかなか難しいかもしれません。しかし、そういった制約の中でも、なるべくわかりやすい文章を作ろうと努力することが必要です。


およそ世の中に存在する事実というものについては、限られていると思います。その限られた事実を前提として、情報発信者自身がいかに解釈をするのかと言うことが最大の関心事といえます。何も、新しい事実を探して、世の中に発表する必要は無いわけです。




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