K-POP台頭の裏で衰退するイギリスアイドル界

この記事は将来書きたい論文の内容を頭から出して整理するためのものです。
まだ結論や仮定ありきで考えてる所が多いのでどうすればちゃんと根拠のあるものにできるか考えるためにも一度文字に起こしておきたいと思い書いています。
このテーマで論文を書きたい理由はK-POPの台頭に関してK-POP側の戦略を分析する人は多いですがこれまで世界的なアイドルを生み出してきた国の1つイギリス側の衰退という側面で分析している人を見かけなかったため論文化する意義があると思ったからです。

イギリスアイドル絶滅の危機
去年、ラジオ局キャピタル主催の音楽フェス『サマータイム・ボール』の出演者が発表された時イギリスの人達がどよめきました。
ガールグループもボーイグループもいなかったからです。

Summertime Ball 2022

複数人での出演は辛うじて1組ヒップホップデュオA1 x J1がいましたが後は全員ソロアーティストでした。
これまでグループやバンドで出演していた人が最低1組はいたのでこのような事態は初めてでしたしコロナ禍で2年中止になっていたからこそ出演者がほぼ全員ソロアーティストになっめた事に衝撃を受ける人が多いようでした。
またガールズ・アラウドのキンバリー・ウォルシュもリトル・ミックス活動休止後にイギリスからガールグループがいなくなったと嘆いています。

ボーイグループは専門外である事とユニオンJとか2010年代後半も活躍していたグループがいたためガールグループ中心で書いていきます。
なぜガールグループがここまで衰退してしまったのか。
個人的にはこのような仮説を立てています。

仮説① ソロ志向の高まり
仮説② オーディション番組の衰退
仮説③ リトル・ミックス一強化

仮説① ソロ志向の高まり
彗星の如く現れたレディー・ガガをはじめリアーナやテイラー・スウィフト、ソロでも成功したビヨンセなど2000年代中盤から2010年代初頭に実力ある女性ソロアーティストがどんどん台頭していきました。
その影響かソロ志向が高まりグループでデビューしたいと考える人が減ってきました。
かつてはシュガーベイブスみたいに友達同士でグループデビューする人達がいましたが今ではこういうグループはなかなか出てこなくなりました。

仮説② オーディション番組の衰退
古今東西アイドルを生み出す大きな原動力の1つになっているのがオーディション番組です。
ソロ志向が高まるイギリスにおいてオーディション番組はソロ志望の人達を半ば強引にグループ化できる貴重な場として機能していました。
ガールズ・アラウドを輩出した『ポップスターズ』や世界的に成功したワン・ダイレクションやリトル・ミックスを輩出した『Xファクター』ですがリトル・ミックス以降世界的なヒットを飛ばせるグループが出てこなくなったのが失速の原因の1つだと考えています。

仮説③ リトル・ミックス一強化
2010年代を代表するイギリスのガールグループと言えばリトル・ミックスですが彼女達は個々の歌唱力やダンススキルが優れている上コーラスワークやパフォーマンス力の高さなどグループとしてその能力の高さを如何なく発揮できる稀有なグループでした。
しかも楽曲を通して女性のエンパワーメントやLGBTQ+への賛同も示すなど社会的にも高く貢献してきました。
そのためガールグループに求められるもののハードルがものすごく上がり同時代にデビューしたグループがなかなか活躍できなかったのではないかと考えています。

あとがき
個人的にはこの仮説と芸能界の構造がK-POPの台頭とイギリスのポップス界の衰退の原因ではないかと考えています。
韓国の事務所制度もグループを温存できている要素になっていると考えていますがイギリスの芸能界の制度についてなかなか資料が出て来ず仮説としてもまだまだ決め手に欠けてる部分があります。
ただイギリスのグループは殆どが5年以内に活動休止又は解散、メンバーの脱退やメンバーチェンジが起こっているのが現状です。
兵役制度がネックになる韓国のボーイグループでもイギリスのボーイグループより長く活動できているグループが多いのは芸能界の構造が違うからではないかと思えます。

今後の課題はこれらの仮説を立証できるだけの文献や資料を集める事と2010年代のイギリスの音楽業界をより詳しく知る事です。
理想としてはゼノマニアとかイギリスの音楽業界に関わってる人達にインタビューできればより説得力のある論文ができると思います。
後はこのnoteを公開しておけば意見をもらえるんじゃないかという淡い期待とサボれなくなる状況を作っておきたいという怠け癖対策を込めて書いています。
イギリスアイドル好きとして論文を書く事でこの現状に一石を投じる事ができればと思います。

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