忘れられない景色

っていうのは、いくつもある。

あのとき。あの場所。

出会った1000号館の前。
話し込んだアパートの玄関前。
チャリを押して帰った、車通りの少ない路地。
雪の日の線路の上。
いつものスーパー。夜中はクーラー効きすぎて寒かったな。
2人だけが知ってる、骨付きカルビが美味しくて、濃いめのコークハイを注いでくれる最高の居酒屋。
工場夜景がきれいなあの静かな海。水上花火。うさぎの島。
澄んだ空気と温泉。高速って頑張れば気合で乗れるもんな。
いつも行ってたショッピングモール。バイト終わりとか、たまに一緒に帰ってたっけな。
飲み会から帰ったら物を投げられた。だけど、一緒に寝てた。
先に家を出て、帰ってきた時は、いつも何か仕掛けてあって。チラシの裏とかに手紙代わりのメッセージ。
毛布はいつも綺麗に畳んであった。




 
目に涙を浮かべていた。
赤ワインを口に含む。 
僕は君からもらった服を着ていた。

美味しかったな。

もう移転したんだって。

あのお店。


君の愚痴を聞くのがすきだった。

わかわかんないよね。


ずっとずっとずっとずっと

こびりついて消えない。

たくさんのことを忘れるけど

その景色だけは鮮明に覚えてる。


だからいつかもし、

また会えたら、、

一度だけでいい。


おめでとうって。

伝えることにするよ。


たったそれだけのこと。




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