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#11 調査PRのフレーム②|HUT・会場調査

こんにちは。
シグナルリサーチの木須です。

今回も覗いていただき、ありがとうございます。

前回の記事では、「調査PRのフレーム①|都道府県調査・海外調査」ということで、よく見かけるインターネット調査以外の方法をご紹介しました。

調査PRフレームの体系図

今回は「調査PRのフレーム②|HUT・会場調査」ということで、よりインターネット調査から離れた事例をご紹介できればと思います。


HUT(ホームユーステスト)


1つ目は、HUT(ホームユーステスト)です。
HUTとは、調査対象者の自宅に製品を送って試してもらい、感想や評価を聴取する調査手法です。

例えば、美顔器を使うことによる肌のくすみへの効果を測定したいときに、自宅で定期的に使ってもらわないと効果を測定できないかと思います。
この場合のように、単純なインターネット調査だけでは手の届かない範囲でも、HUTを使うことでより実態に即したデータにすることができます。

「短期的な使用感を測定する型」と「長期的な使用感を測定する型」があるので、それぞれについてご紹介していきます。

短期測定調査|写真に関するブラインド調査(サムスン電子ジャパン)

サムスン電子から発売している「Galaxy」のカメラで撮った写真と、
一眼レフカメラで撮った写真では、どちらがよりキレイだと感じるか?
ということをプロカメラマンに対して調査した事例です。

インターネット調査だとスマホやPC上で見る写真の画質が分かりにくいため、あえてHUTとして対象者の自宅に写真を送って調査をしました。

その結果、プロカメラマンの約6割が「Galaxy」で撮った写真の方が一眼レフで撮った写真よりもキレイだと感じました。

Galaxy vs 一眼レフカメラ

この調査結果を出すことで、「Galaxy」はプロカメラマンも認める性能を持つカメラを搭載しているということを暗に示すことに成功しています。

長期測定調査|フル活チャレンジでの変化に関する調査(イノセントジャパン)

フルーツスムージーを1か月間飲み続けると、身体や生活習慣などにどのような変化があるのかをHUTで測定した事例です。

対象者63名に1か月間フルーツスムージーを飲み続けてもらった結果、飲み始める前と比べて身体や意識・気持ち、生活習慣に良い変化があったと感じた人は、半数以上いることが明らかになりました。

1か月のフル活結果

スムージーを飲み続けることの便益を明らかにしています。
その他にも、インフルエンサーを活用して情報の信頼性を高めているところもポイントです。

会場調査


2つ目は、会場調査です。
会場調査とは、予め設定した会場に調査対象者を集め、商品やサービスについての評価・感想を調査する手法です。

自宅で行なうのがHUT、会場で行なうのが会場調査という場所の違いがあり、どちらの形式の方が適切に調査をできるのかが見極めポイントとなり、調査によって導き出すこと自体は大きく変わらないところがポイントです。

では、会場調査の事例を整理していきます。

会場調査|決済速度に関する実証実験(JCB)

現金、クレジットカード(サインレス)、非接触型(QUICPay)、QRコードの4つの決済手段にかかる時間を測定した事例です。

実際に会場にレジを用意し、各決済手段で25名ずつ集め、レジの会計終了までにかかる時間を測定したところ、非接触型の決済は現金決済よりも20秒早く会計が終了することが明らかになりました。

各決済手段の会計時間

この会場調査により、電子決済を導入することで生活者側にもお店側にも新たな時間が生まれることを定量的に示すことができています。

拡大推計

また、#9でご紹介した拡大推計を用いて、具体的にどのくらいの時間が生まれるのかを示しているところもポイントです。

会場調査×生体データ調査|買取と幸せ体験に関する実証実験(コメ兵ホールディングス)

続いては、生体データを用いて会場調査を行なった事例です。

脳波解析を行い、買取体験が感性に与える影響を検証することで、買取体験がどのような体験であるのかを可視化しています。

査定前のワクワク感(Excite)を100%としたときに、査定後はワクワクが22ポイント上昇していることが明らかになりました。

査定前と査定後の感性変化

この調査から、査定のフェーズごとの不安やストレスの浮き沈みが明らかになったため、コメ兵では買取を行なう生活者の環境整備が必要であるとし、その環境づくりに取り組む姿勢を示すことで結びとしています。

2つ紹介しましたが、これ以外にも臨床試験のようなことを行なう調査もあり、科学技術の進展とともに調査手法も広がっているというトレンドもあります。

最後に


以上、最後までご覧いただきありがとうございました。

今回は「調査フレーム②|HUT・会場調査」について整理しました。
次回は「調査PRのパターン(機会+脅威訴求①)」というテーマで整理できればと思います。

引き続き、よろしくお願いいたします!

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