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【大手家事代行サービス運営会社】セクハラで団体交渉中。会社は、問題未解決にもかかわらず被害者に出勤要請

■「女性が働きやすい職場」で起きた執拗なセクハラ

ブラック企業ユニオンでは、大手家事代行サービス運営会社における、従業員Aさんに対するセクシャルハラスメント問題の解決を求めて、同社と団体交渉中です。

掃除や料理などの家事代行サービス業界が急成長する中、業界大手の同社は、「女性が働きやすい職場」を謳っています。Aさんもそこに惹かれ入社を決めたのですが、職場で執拗なセクハラ被害に遭ってしまいました。

Aさんが受けたセクハラは、直属の上司から、何度も交際や肉体関係を求められ、猥談をされるというものです。しかも、この被害を社内の別の上司に相談したところ、「丸く収めましょう」などと言われています。Aさんは、この上司の発言を受け、しっかり対応してくれないのだなとさらに傷つき、精神的苦痛を受けました。

Aさんは会社に行けなくなり、ユニオンに相談して、団体交渉をすることに決めました。

■要求に不誠実な対応をする会社

Aさんとユニオンが主に求めているのは以下の内容です。

① 事実調査及び加害者処分
② 問題解決するまで出勤できないため、その分の賃金補償
③ セクハラ再発防止の徹底

しかし、会社から返ってきたのは、あまりに不誠実な回答でした。

まず、どのようなセクハラがあったのかという事実関係については全く言及しないまま、「調査を行いました」というだけで、加害者を異動処分にすると一方的に回答してきました。加害者がどれくらいハラスメント行為の事実を認めたのか、加害者が自分の行為をどのように考えているのか、また会社はしっかり当該行為をセクハラとして判断したのか、そのうえで適切に処分に至ったのか、何もわからないままでした。

また、異動して普段の直接の関わりはなくなったとしても、社内の業務用グループチャットで、加害者の上司の存在は嫌でも認識せざるを得ません。加害者がグループチャット上に現れる度に、Aさんはセクハラ被害のことを思い出さなければならず、精神的苦痛は続いてしまいます。

そのため、単なる異動では不十分であり、Aさんに対する被害が二度と起こらないような、徹底した処分や対応を会社に求めていました。しかし、会社は応じませんでした。社内チャットで加害者の存在を意識せざるを得ない状態が辛いというAさんの訴えに対して、「業務上連絡の必要がないよう…配慮いたします」と一方的に述べるだけで、拒否を続けました。

挙句に、賃金補償については、「もう処分はしたのだから、Aさんは出勤できるはず」と7月以降の賃金補償はしないと回答してきました。Aさんは精神的な苦痛から回復していないため、すぐには復職できません。また、上記の業務用チャットの問題もあり復職には恐怖がありました。それにもかかわらず、Aさんの主張は一顧だにされず、会社は事実上、一方的に復職を強制してきたのです。

■「配慮します」と言いながら、加害者がふざける送別会の写真が何枚も送られてくる

そのような矢先に、実際にさらなる被害が起きました。Aさんの入っている社内の業務用グループチャットで、異動になった加害者の送別会の写真が何枚も流れてきたのです。その写真の加害者は、楽しそうにピースサインまでしており、自らのセクハラ加害行為を重く受け止めているようには到底見えませんでした。その写真を目にしてしまったAさんは、さらに精神的に傷を負ってしまいました。

これは、ユニオンが、二次被害が起こる危険性について訴え、対応を求めていたにもかかわらず、会社が無視したことによって起きた二次被害です。「それくらいは我慢するべき」とでも言うように、セクハラ被害を軽視し、被害者の心情を踏みにじった会社の対応がAさんをさらに追い込んだのです。

■セクハラ研修は一切なし、相談窓口も知らせず

この大手家事代行サービス運営会社は、「女性が働きやすい職場」を謳いながら、セクハラ被害者の訴えを聞き入れて守ることはせず、さらなる被害に追い込みました。

また、そもそも同社では男女雇用期間均等法で義務付けられている、社内でのセクハラ研修を行っておらず、セクハラ相談窓口すら周知されていませんでした。最低限のセクハラ防止対策すら怠っていたのです。そのような中で、Aさんの被害は起きているのであり、会社の責任は非常に重大です。

このような会社の対応を許すことはできません。みなさま、ご支援・ご協力お願いします。

■Aさんのコメント

最初は会社に相談する事ができず、勇気をだして、女性社員に相談したところ、面談時に、なるべく大事にしたくないようなことを言われ、そこで二次被害を受けました。されたこと言われたことを第三者に話すのはとても、辛いことです。そのせいで泣き寝入りする女性がいるのではないかと思い、会社に訴えかけたいと考えました。団体交渉や、書面でのやりとりをして行くうちに、会社の適当な対応や加害者を異動にさせたのだから出勤しろ、ということを言われて、被害者の精神的に参っている気持ち等はまったく無視で、とても辛い思いをしました。

私も、このように声をあげることを躊躇していましたが、ほかのセクハラ被害の女性の勇気に繋がればいいと思い会社にも声を上げています。

会社の、加害者がいなくなったから出勤してください、という言葉もハラスメントになると思います。

私は今精神的に辛い思いをして仕事にも行けず、それでも生活をして行かなくてはいけなくてとても、不安な毎日を過ごしています。

【相談窓口】ブラック企業ユニオンでは、労働相談を受け付けています。セクハラ・パワハラ、残業代が払われなかった、長時間労働だった、などの相談・情報提供を受け付けています。電話番号:03-6804-7650
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