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【CD紹介】Talvin Singh OK

1998年の発売当時はDrum'n'Bassに分類されていました。今だと何になるんでしょうね。ロンドン生まれのタブラ奏者でもあるタルヴィン・シンのデビュー・アルバム。

軽い乾いた音の有機的なサンプル・ビートはいかにも(当時の)D'nBっぽく、アンビエントな上物が乗っかった作りが時代を感じさせます。自身のタブラを始めとしたエスニック要素が各所に散りばめられ、日本からは坂本龍一とネーネーズが参加していたり、随所にアジアン・イングリッシュが散りばめられていたりと、アジアゴッタ煮的な風を持ちながらもどこか醒めた目で未来を見ているような。何かが始まりそうな期待感に満ちた音楽に、当時魅了されたのを覚えています。

大体世界中どこでも音楽は踊りと共にあったはずで、民俗音楽とダンスミュージックというのは相性がいい。近年、音楽市場全体が世界的な広がりを見せる中で、各地で民俗音楽とポップ・ミュージックを結びつけようという動きが広がっているように見えます。メタルもね!

西洋から見た東洋とか、そんなざっくりしたテーマはかえって扱いにくかったりもして苦手なのですが、久しぶりにとりだしたTalvin SinghのCDに、こんくらいの温度感がいいかなー、と不思議な共感を感じます。

Amazonだと中古で1円から購入できるという悲しみを背負っているようなのですが、spotifyでも聴けます。いい時代になった。



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