シルクロードの音楽

【復元雅楽】古伎楽や、天平期の琵琶曲など

日本コロムビアから1994年にリリースされたCD「復元楽器による シルクロードの音楽」。正倉院の古文書や、敦煌文書などから芝祐靖さんが復曲した楽曲が収録されています。「敦煌文書 急胡相問」「正倉院・天平琵琶譜 番假崇」「伎楽 行道乱声」「伎楽 獅子」「長秋竹譜 曹娘褌脱」の全五曲。

Twitterで四天王寺の舞楽の話なんかが出ていたので、古いものが気になって引っ張り出してみました。

古いものは天平年間、源博雅の時代のもの、12世紀頃のものと5世紀程度の幅がありますが、現代に伝わる雅楽とは旋律や楽器の構成が異なり、楽しめると思います。特徴的なのは現代の雅楽ではカットされてしまっている低音部が豊かなことです。

四天王寺の舞楽との絡みで言うと、二曲の伎楽が収録されています。殊に獅子は書紀にも伝わる古い演目であり、この12世紀の楽譜がどの程度古い様式を残しているのかわかりませんし、そもそも獅子のバリエーション自体も複数あった可能性もあります。各地に伝わる舞楽や伎楽も、土地と時代に合わせて変わりながら受け継がれてきたものですので、そのような移り変わりの一地点にこのような楽曲があるのだと思うと感慨深いです。

私の手元にあるCDは絶版になっているようなのですが、同じ曲目のものが笙奏者である宮田まゆみさんの名義でリリースされているようです。表題CDにも宮田さんは参加されているので、あるいは同じ音源かも知れません。





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