日本_異界_発見

日本「異界」発見 内藤正敏

自身山伏でもある写真家、内藤正敏氏が異界と現実世界との狭間を記録した写真つきガイドブック。解説は詳しいながらもわかりやすく、予備知識などなくても読み進められるのではないでしょうか。なにより、美しい写真を眺めているだけでも楽しめます。幻想的でありながら、それが極めて身近な距離に存在していることを感じさせる生々しさがある写真です。

内藤氏は、応用化学の分野の出身で、化学反応の美しさを表現するために写真を撮り始め、異界というテーマに興味をもって記録写真を撮っているうちに、山伏の修行をはじめてしまった人だと聞いています。自身の体験と幅広い知識があるからこその、写真と文章の説得力なのでしょう。

詳細内容の代わりに、帯に記載の各章タイトルを転記しておきます。この分野が好きな方は、このテーマ一覧だけでも興味をそそられるのではないでしょうか。


第一章 奈良の大仏と古代東北の侵略史/第二章 王権都市・京都の呪術空間/第三章 徳川将軍を守る異形の仏たち/第四章 立山に隠されたマンダラ宇宙/第五章 円空と妖怪・両面宿儺の原風景/

第六章 空海が視た「空」と「海」/第七章 宇宙のエネルギーを食す修験道の食文化/第八章 強飯式にみる日光修験の生命観/第九章 御嶽山と百草丸のルーツを探る/

第十章 「鬼」の背後に潜む”もう一つの日本史”/第十一章 神秘の山にシャーマンの原像を見た/第十二章 御柱祭で再生する荒ぶる神/第十三章 常世と民衆のユートピア





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