西国街道5 宝殿→姫路宿
本格的に街道を歩きはじめて3年目、夏は歩く時間がまとまって取れるので、ぐいぐいと街道を進む事が出来ます。1年目は中山道、2年目は北国街道・三国街道、3年目に選んだ道は西国街道。
真夏の京都から下関まで約570km、猛暑との共存も年々コツを得てきましたが、身体と会話しながら西を目指します。
2023.08.06
1.スタート地点まで
旅の荷物は超軽量に1グラムでも少なく。
リュックにすると汗が大変なことになるので、ショルダーバッグに夜の着替えだけを入れて歩き、毎日宿に到着後にバックごと洗います。
始発の京浜東北線に乗って、始発の羽田伊丹線に乗って出かけるのは綱渡り。電車が遅れるとアウトです。
日曜日のこの時間の羽田空港はガラガラで快適。
家を出てから5時間、ようやくスタート地点に立ちました。夏の街道歩きには生憎の天気である快晴、6日間に及ぶ夏修行のはじまりはじまり。
2.宝殿
この付近は岩を利用した神殿があるようですが、昇っている時間も体力もありませんので、街道を西に進みます。
3.塀鬼瓦
塀鬼瓦。
瓦屋根付きの豪華な塀に、縁起物の鬼瓦を飾る習慣が、播磨國に入ると目につくようになってきました。
まぁ権力の象徴でもありますね。
鬼瓦も様々ですね。
鬼瓦を通じて地域性が垣間見ることができそうで、この先が楽しみです。
4.焼杉板
焼杉板。
杉板の表面を焦がして炭化層をつくり、腐食や虫食いを防ぐ耐久性を高めた木板。
この付近で目につくようになってきました。黒光してとても美しく、見惚れてしまいます。
5.御着宿
拝殿に多くの絵馬が飾られています。
それぞれの絵馬の、奉納日や題目がわかりやすく丁寧に記されており、制作者の高い技量が伺えます。
6.姫路宿
ひね。
昼食時に”ひねポン酢”という気になるメニューがあるので注文してみました。私が住んでいる関東地方ではあまり目にしませんが、”ひね”とは卵を産み終えた鶏のことの様です。
東光小学校。
この後激励に来てくださる、前職の先輩、塩見さんの母校です。
↑親鸞は凄いですね。
さすが世界遺産・姫路城、外国人観光客が増えてきました。
みなさん熱さにうんざりしている表情です。
姫路城。
中学校の頃に友だちと遊びに来て以来、40年ぶり。
なんかジ~ンとしてきました。
もう何もかもが素晴らしくて、呆然と夢の中で彷徨う様に、城の中を徘徊しておりました。
大名行列を数値化すると本当に往時の人々の苦労が窺えます。それを数世紀にわたり統治した徳川幕府の統率力は図り知れません。
またもや結納の店が。
明石宿や加古川宿で目にしましたので、兵庫県の結納文化は今も大切に残されているのでしょうね。
7.建物の中を抜ける街道
建物の中を通り抜ける街道。
私の記憶の中では2カ所あり、ひとつ目は中山道熊谷宿の八木橋百貨店。開店時間に合わせて歩きました。店内の売り場には、中山道の名称が付いております。
ふたつ目は、東海道保土ヶ谷宿の相模鉄道天王町駅構内。
駅構内のきっぷ売り場前を、見事に貫通しています。
他にももっとあったかもしれませんが、想い出せません。
揖保乃糸。
さすが地元は売り方が違いますね。
信濃國を歩くと、双体道祖神と呼ばれる、夫婦と思われる仲睦まじい道祖神をよく目にします。子宝を祈る気持ちは今も昔も変わりませんね。播磨國でも同じような意味があると思われます。
8.夢前川
北爪米穀店。
美しすぎます。安野光雅さんの絵本の風景を見ている様で、少し立ち止まって眺めてました。
夢前川(ゆめさきかわ)。
素敵な名前の川ですね。その名の由来が気になるので調べてみると、ふたつの説がありました。
ひとつ目は、一夜にして川の水が無くなったり一杯になり、夢を見ている様だから。
ふたつ目は、川の石を枕の下に入れて寝ると、自分に起こる災いや不幸を教えてくれ、そういう夢を見た時は、石を近くの川に投げ入れると災いや不幸から回避出来るから。
ふたつ目の説、私なら枕の下に石を入れたら、寝るのが怖くなりそうです。
9.ゴールデンアワー
只今の時刻17:43。
夕方に西に向かって歩くので、真正面からの西陽がきついのですが、あと少しで到着する安堵感と、気温が下がる心地よさが同期する、一日で一番心地良いゴールデンアワーです。
今夜はここに行こう!
前職で一緒に仕事をした塩見さん。
高槻在住で、西国街道を歩いた初日夜と二日目朝に激励に来て頂いてました。
私が部屋に入り着替えようとした瞬間に
「ひぐっちゃんホテル着いた?」
とまるで窓の外から見ているかの様な驚きのタイミングでメッセージが!
塩見さんは出身が姫路で、プライベートでは市民オーケストラの指揮者をされており、丁度本日が宿泊先から車で5分のホールで練習の日だったのです。本日はご夫婦とお会いできました。素敵なご夫婦からパワーを頂き、明日から頑張れそうです。
ありがとうございました。
先程発見した美味しそうなお店のカウンターで、おでんと全国の美味しい焼酎をいただきながら、店主夫妻とお客様とお話しながら、まったりとしたひと時を過ごせました。
大好きな八丈島の焼酎”情け嶋”があり感動!
本日はぐっすり眠れそうです。
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