西国街道17 高森宿→徳山宿
本格的に街道を歩きはじめて3年目、夏は歩く時間がまとまって取れるので、ぐいぐいと街道を進む事が出来ます。1年目は中山道、2年目は北国街道・三国街道、3年目に選んだ道は西国街道。
真夏の京都から下関まで約570km、猛暑との共存も年々コツを得てきましたが、身体と会話しながら西を目指します。
2023.08.30
1.高森宿
7日間の旅もついに最終日の朝。
記録としてどんな荷物を持参したか、整理してみました。
これ以上絞り込めない容量です。
この荷物で7日間旅が出来る、健康以外の前提条件は、宿泊先に洗濯機があるか、にかかってきます。
よって宿を選ぶ際の最優先確認事項は洗濯機の有無。
その他も語ると長くなるので、この辺で終わりにしましょう。
朝食。
昨夜の居酒屋さんで頼んだおつまみの残りの唐揚げと、おむすびを作ってもらい、包んでもらい美味しく頂きました。
世界的に有名になっている獺祭の酒蔵の"旭酒造"まで高森宿から約8km。
近いですね〜
昨夜飲みに行った三四郎の店員さん、時々獺祭の酒蔵見学した人が飲みに来ると言ってました。
早朝の街道の風景。
空気が澄んでいて、何度見ても気持ちが良いものです。
何故朝は気持ちが良いのか?
前日に空気中に舞っていた埃などが、夜露と共に一晩かけて地面に落ちているから、そんな気がします。
温泉に例えると一番風呂みたいなものですね。
高森宿に別れを告げ、島田川の畔を歩きます。1人で歩いていると、大袈裟ですが道が相方の様に感じます。
現在の状態は、高森宿という相方に別れを告げ、島田川といいう相方と共に歩き始めた感じ。
上の画像を見ていると、安野光雅の絵を想い出します。
小学校の頃から大好きで、風景画も好きですが、あいうえおの本とかABCの本がもっと好きでした。
母の誕生日プレゼントに、確か萩津和を描いた本を買った記憶があります。
歩いている地域から萩津和野近いですね。
萩往還も歩いてみたいなぁ。
街道で出会った哺乳類の動物。
何が一番多かったのだろうか?
感覚ですが、圧倒的に多かったのが犬→猫の順になり、次は圧倒的に少なくて鹿→猿と続きます。
足跡でいくと、猪・熊。絶対に会いたくないですね。
黒い屋根の家が増えてきました。
赤い屋根の家が沢山あった日が遠い昔の出来事の様です。
いつの間にか、旅の相方に岩徳線も加わって来ました。西国街道を歩く桃太郎の気分です。
2.中山峠
顔が三つある仏像、存在感抜群です。
何と呼ばれてて、どんな意味があるのでしょうね。
中山峠の坂道をゆったりと昇ります。
峠を越えると大抵は、新しい市区町村に入ります。
新しい市区町村の標示を見るのが何よりのモチベーションなのですが、平成の大合併などで全国の市町村数が、3,200から1,800近くに減っているので、なかなかその機会に恵まれません。
表示だけでも昔に戻して欲しいです。
もっと遡ると、明治の大合併前までの市町村数は71,000もあったそうです。現在の約40倍、そうなると忙しくて、訳わからなりそうですね。
3.今市宿
墓地大売出しの幟はインパクト大。
商売とはいえ、違和感わわ感じます。
マンホールに"くまげ"と記してあります。
昔は熊毛町又は熊毛村だったのでしょう。熊がいたのか気になります。
峠の麓の今市宿。
寺や酒屋などがコンパクトにまとまっていて、風情たっぷりの宿場でした。
4.呼坂宿
呼坂宿は隣の今市宿と2kmしか離れていません。
この様に近い距離にある宿場は、役割分担をして一緒に宿場としての機能を果たしています。
セブンイレブンで朝のおやつと、身体の冷却。
真夏日に歩く際は、水分補給の他に、身体を冷やすことが極めて重要。
コンビニにイートインがあったら、迷わず休憩をする様にしてます。
鳴水。
蛇口から汲めるのは、本当に助かります。ペットボトルに詰め込みました。
上の画像の岩が、自然の様で自然ではない感じです。形は違うのですが雰囲気が沖縄のお墓に似ていました。
5.久保市宿
今まで冷凍のペットボトルを買ってましたが、このタイプがあるとは気づきませんでした。
こちらの方が、持ちやすく飲みやすく軽いので、使いやすいです。
駅で運賃表をみると、自分が歩いてきた距離と労力と、一瞬にして移動させてくれる鉄道運賃を天秤にかけると、鉄道運賃は安いなぁと感じます。
疲労が蓄積しているのか、1時間も休憩してしまった…
今日は山口宇部空港からの最終便で帰るのでのんびりしてられない、いざ出発。
国道2号のキロポストも、いつの間にか400kmを超えてます。下関の背中が見えてきました。
6.花岡宿
花岡宿付近からは、旅の相方が山陽新幹線になります。
いつも高いところにいるので、岩徳線みたいに顔を見ることが出来ないのが難点ですが、頻繁に現れては一瞬にして轟音と共に走り去りますので、音で楽しませてくれます。
花岡福徳稲荷社と法静寺。
神仏習合、山門が一緒になってます。
今回の西国街道では、宮島の厳島神社には五重塔がありました。
街道歩きて気が付いた神仏習合の社寺は、日光道中の東照宮や姫街道の豊川稲荷。よく観察すればもっとあるのでしょうね。
家と家の間の小さな路地というか、境界に水路が張り巡らされています。
途中から気が付きましたが、花岡宿全体がそうなっていたのかも知れません。
元々水に苦労していた地域なのか、頭の良い人が治水したのか、興味が湧きますね。
桜の時期に歩いたら気持ちよさそうな道です。街道歩きは、どの季節も其々の良さがありますが、特に桜の時期は印象に残ります。
7.徳山宿
この付近で道に迷ったかと不安になりましたが、郵便局があったので、おそらく大丈夫です。
街道で迷ったかなと思ったとき、何があると街道沿いかの目印となる商店をいくつか紹介します。
概ね上の店舗があれば一安心できます。
酒蔵が登場しましたので、道には迷ってません。
早乙女之碑。
代々語り継がれてきた悲しい話、まだ残っているって、重いですよね。
その当時の村人たちの悲しさは、想像以上だと思われます。
只今の時刻14:18。
ラーメン本陣という、街道歩きにはたまらない名前の店を見つけましたので、他の飲食店は見送って、ここまで来たら定休日。
この瞬間、今まで食欲を我慢してきたのに、膝にてを付いてしまいました…
遠石八幡宮。
長い階段を昇って良かったです。
1940年に再建された社殿は国の登録有形文化財、堂々たる佇まいでした。
影向石。
遠石八幡宮の創建に由来する石。
しっかりと手を添えて、力を授かってきました。
只今の時刻15:24。
ラーメン本陣が定休日で、その後に行こうとした店2件も時間が遅く空いておらず、ようやく昼食に辿り着けました。
徳山宿の中心部はどの道が街道だったかよくわかりませんでしたが、夜は相当賑やかになりそうな歓楽街でした。
8.帰路
7日間の旅が終わり明日から仕事…
次は9月中頃に下関を目指します。
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