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珈琲の大霊師

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シャベルの1次創作、珈琲の大霊師のまとめマガジン。 なろうにも投稿してますが、こちらでもまとめています。
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珈琲の大霊師外伝-挨拶-

珈琲の大霊師外伝-挨拶-

 俺の名前はジョージ=アレクセント。珈琲の深淵を求める冒険者にして、その伝道者の片割れだ。

 故郷、アディア連邦の貿易都市マルクで後に”珈琲の大霊師”と称される少女、モカナと出会って俺の人生は大きな転換期を迎えた。

 珈琲はいい。人生を賭ける価値がある。珈琲は最高だ。その香り、酸味、苦み、甘み、その向こうにはその豆が育った土地があり、文化がある。珈琲を飲むことで、人はその場にいながら世界を旅す

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完結のご挨拶

完結のご挨拶

およそ10ケ月の間、お付き合い頂きありがとうございました。
珈琲ファンタジー、珈琲の大霊師本編はこの投稿をもって完結させて頂きます。
毎日1投稿を目指し、時には間に合わず次の日に持ち越して2投稿させて頂いた時もありましたが、なんとか完走できました。

さて、完結までお付き合い頂けた皆様。珈琲を取り巻く環境はお変わりないでしょうか?
中には、ハンドドリップを始めた方もいらっしゃるとか。
この作品から

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珈琲の大霊師306

珈琲の大霊師306

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最終章

    珈琲の大霊師

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 ――大陸北部

 二つの国が、国境を挟んでにらみ合っていた。

 物々しい装備、血を求める鈍色の武具。そして、血走る目。

 彼らは総じて気が立っていた。それも無理は無い。

 その原因は、彼らの国境に突如立てられた1つのテントにあった。

 彼らの王、両国の王は、昨夜前線の

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珈琲の大霊師305

珈琲の大霊師305

 時を遡って、ジョージがアラビカ家を見つけて1ヶ月経った頃。

 ジョージと、タウロスは、洞窟の中にいた。

「・・・・・・どかせそうか?」

「いや、こりゃきついな」

 タウロスの下半身が、土砂で埋まっていた。

 ジョージは、ネスレに土を掘り返させるも、次々に新しい土砂が上から落ちてきて、手に負えない。

「そう・・・か。まさか、お前のような奴と最後を迎える事になるとはな・・・。やはり、俺は

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珈琲の大霊師304

珈琲の大霊師304

 多くの思いが交錯した1世紀が経過した。

 タウロスの里があった霊峰アース周辺には、タウロスの里を首都とする国が発足し、10倍の速度で進むという特性を利用した産業が国の根幹を成していた。

 かつてタウロスの里と呼ばれた首都には、大きな宮殿が建ち、開かれた山から外界を見下ろしていた。

 その1室、最も豪奢で大きな部屋に、1人の少女が向かっていた。

 その肌は薄く緑がかっていた。

 少女は、

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珈琲の大霊師303

珈琲の大霊師303

 ――1年後

 タウロスの里と外の境界線である滝の外には、リフレール、ルナを始めとして珈琲商会の面々が顔を揃えていた。

「長かったですね・・・。やっと会えます」

 リフレールが、相変わらずの美貌に光を受けて燦然と輝いていた。その隣にいるルナの腕には、赤子が抱かれていた。

「まったくね・・・。厄介なもんだよ。外の人間は一度入るとこっちの時間で1年は出られないなんて」

 タウロスの里と外界と

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珈琲の大霊師302

珈琲の大霊師302

 ごりごり
               ぱきっ
          ごりごり

     ぱきっ

 アラビカ家に泊まった翌日、聞きなれた音がして起きた。

 この音は、珈琲豆を砕く時の音だ。丁寧に、一粒ずつ潰している。その丁寧さには、いつも感心させられる。

 とんとんとん

 階段を下りて1階に来ると、同時に鍋から吹き零れた雫がじゅわっと湯気を上げた。

 湯気の中でくるくる回るドロシーの後

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珈琲の大霊師301

珈琲の大霊師301

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第36章
    大団円の向こう側へ

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 ジョージ達は山を登っていた。メンバーは、モカナ、ルビー、ジョージ、リルケの4人に、案内役でコートがついた。

「アラビカ家の人達は、姉さんが出て行ってから、ずっとタウロスに反発してて、ある日突然居なくなったんだ。その後、皆で探そうとするとタウロスがそれを咎めるから、結局

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珈琲の大霊師296

珈琲の大霊師296

 まず最初の大きな事件。

 それをタウロスは良く知っていた。最も大きな二つの大国が激突し、タウロスが選んだ王の国が大勝し、最終的に相手の国を併合するのだ。

 そうして、大陸最大の国家ができる。

 その後は、どうやった所でその大国が全ての国をなぎ倒しておしまい。

 ゆえに、この歴史を選んだ時の勝負は短時間で終結すると決まっていた。

 遊戯を始めて、歴史遊戯の中で4年が経過した。

 タウロ

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珈琲の大霊師295

珈琲の大霊師295

 振り返ってみれば、ここまでこの男に乗せられていると言っても過言では無い。

 であれば、最後は絶対にこの男よりも俺に有利な勝負をしなければならない。俺が最も得意とする頭脳を使った勝負・・・。

 とすれば・・・。あれを、もう一度持ち出すか。

 あれは、俺と神しかやったことがない。俺は最後には神にも勝った。そうだ、これならば絶対にやった事が無いのだから、負ける理由が無いはずだ。

 あの舞台の中

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珈琲の大霊師294

珈琲の大霊師294

「加減はしてあげましょう。どんな精霊も、風の前には無力であることを教えてあげます」

 リング上に立つウィンが手を振ると、それだけで突風が起こる。そして、ウィンの側に風の精霊の姿は見えない。

「・・・風の寵児か・・・」

 ジョージは、ウィンの正体に少しだけ心当たりがあった。ウィンは、良く知っている誰かに良く似た特性があると言えた。

「モカナちゃん、無理、しないで」

 そう心配そうに声を上げ

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珈琲の大霊師293

珈琲の大霊師293

「さて、それじゃ始めといくか。勝負は3本勝負。1試合につき1人まで。1つでも負けたら、そっちの勝ちでいいぜ?」

 と、ジョージがタウロスの顔を見上げてニヤニヤと不敵に笑ってみせると、タウロスは不愉快そうに顔をしかめた。

「・・・自惚れるな。2本先取で構わん」

「へえ。ま、それでいいならそれでもいいぜ?じゃ、まずは心技体の体からいこうか。どうする?俺としちゃ、殴り合わせて勝った方が勝ちでいいと

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珈琲の大霊師292

珈琲の大霊師292

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第35章

    心・技・体!三番勝負

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「ごめんなさい、ジョージさん。・・・珈琲、まだ飲めるのは無かったです・・・」

 申し訳なさそうに俯くモカナに、ジョージは胸が締め付けられるような想いだった。

 モカナは、何よりも最初にジョージが美味しいと感動したこの里の珈琲を手に入れる為に、夜の森を歩いていたのだ

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珈琲の大霊師291

珈琲の大霊師291

「ああー、スッキリしました!一生分の勇気を出して、一生分の嫌味を言えた気がします!あの大役を任せて下さって、ありがとうございました」

 ニカが晴れ晴れとした顔で、深々と頭を下げる。ジョージは苦笑いしつつ、隣で憔悴しているコートに目をやった。

「・・・気が気じゃなかっただろ。お疲れさん」

「妹の知らない一面を知ったような気がします・・・。しかし、思った以上に上手く行きましたね。順調すぎるくらい

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