作詞時の引っかかりと流れるということ

書くこと大体書いたからあとはnoteも放置かなー。基本リクエストだしなー。とか思っていたところ
「前に言っていた『引っかかり』とかどうです?」
と、言われたので、そこを中心に。

言葉を紐解き喋るということ、言葉を紡ぎ唄うということ

言葉は不思議なもので、喋るという時と唄うという時と聞き方が変わる音があります。ラーとかワーなどの響く音は喋る時は騒音ですが、唄う時には共鳴音と変わります。間をつなぐ重要な言葉になりますね。
説明します。これは……、などの丁寧な言葉は喋る時は綺麗に収まりますが、唄う時には少し邪魔になりがちです。
その唄う時に綺麗に聞けて、尚且つ覚えて欲しいこと、気にして欲しいことをすっと置いていくのが個人的に「上手い」と感じる歌詞だと思います。上手(じょうず)、というか膝を思わず叩くほうの「上手いっ」って感じでしょうか。
喋り言葉(文章)と唄い言葉(歌詞)というのは同じ言葉としても違いがあります。違いがある、というか「変えないとそこに届かない」もの。と言った方がいいでしょうか?
「好き」という言葉は幾千幾万と唄われ、喋られ語られ書かれてきています。ですが、文字としての好きと音としての好きは記憶に残る箇所が違ってきます。
文字としてだと漢字の部分の「好」ひらがなの部分の「き」と一緒に目で覚え、心で読み記憶していきます。文字によっては「なぞる」という行為になることもありえます。
しかし、音。唄としての「好き」というのは「/suki/」になり「うい」という子音になり伸びが最後に起きてきますが、kのかという母音でのブレーキ音でかかりが来ます。
それが引っかかりです。なので良く耳に残るのは最初の「す」の方では無く、最後の「き」ではないでしょうか?

音が引っかかるということ、音が流れるということ

さきほど「引っかかり」と言いました。音にはすっと流れていってしまう触りの良い音(耳障りいう言葉で表現する人も居ますね)と、ききっという感じで引っかかりを感じ「なんだろう?」と思ってしまう音があります。
引っかかる音というのは「不協和音」とは少し違い、何故か耳に残る音と言いますか、記憶に残りやすい音のことを言っています。
流れてしまう音というのは逆に記憶に残りにくい音ですね。
言葉も口に出してしまえば「音」ですので、音を大事にしていきます。そして曲に乗った場合歌詞も音になり楽器としての音となります。まさしく声は楽器なり。ということですね。
ちょっとサンプルを用意しましょう。

「めのまえの、はーどるなんて
 こえられないなら、さあ、くぐっちゃえ」

ちょっとテンポの早めの120-130くらいの曲で応援系の曲。リズム的にもたたたたた、たーたたたたた、たたたたたたたた、たー、たたったた。っていう刻み系を想定しましょう。
この歌詞の場合まず「引っかかりの音」となるのは「はーどる」の「ど」と、「くぐっちゃえ」の「ぐ」になりますね。濁音の音はカ行より強いズンとしてる刻み音になります。
そして、この歌詞で言いたいことは「目の前にハードル(壁)->こえられない?->乗り越えなくて良いじゃない->くぐるって手もあるよ」という壁が来ても別の解答あるから一つにこだわるな。ってところでしょうか。前向きですね。パルクール的な前向きさがあります。好きですねこの手のは。
はい、では引っかかりの音が見えました。じゃあ他の音は流れる音なんでしょうか? 「めのまえの」えおあえお。口が大きく開く系でずっとですから大きい音の中では埋没しますね。ということでここは「流れる」という感じで見られます。
あ、「流れる」というのは良い意味というだけではなくて「悪い意味」でも使います。どっちでも取れるので『キー』の言葉として使うことが多いですね。例えば意味を残したい、こころにくさびを打つような言葉を考えてみて唄ってみても残らない。そんな場合は何か「音が流れる」ことが多いのです。
なので歌詞の変更作業で「引っかかる」音にしたりしないとダメだったりもします。意味を深くとろうとした時によく気がつかずに「流れる」音にしてしまって「全然意味が判らない」とか悲しいミスもたまにしますからね。気をつけましょう。
後半部分の「こえられないなら、さあ」までも同じように『おえあえあいああ、ああ』で、お->え、や、え->あ、あ->え、あ->い、い->あ、と小さく口をすぼめる「う」が入っておらずアクセントが少ないのでするっと流れていきます。そうしたあとの「くぐっちゃえ」『ううぅあぁえ』で、濁音の音が入るので「ぴた」っとかかりの音が来そうです。うん、これなら耳に残りそうです。

文字の意味だけではなく、音の意味も追いかけると歌詞は楽しい

今回の目的はここを訴えたかった。というものでした。
気になった歌詞をこう分解してみるのも楽しいですし、もっと好きになるきっかけになるかも知れません。そんな風に味わってもらうのも嬉しいなーって思いました。
今回はこの辺で。

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shachi

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