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将来高収入間違いなし?の仕事「プログラミング」の正体

今の時代、子供の教育に必須となったのが「プログラミング」だ。プログラミング教育は、2020年より小学校で必修になった。
国としてもプログラミングを重要なものと位置づけ、教育に力を入れていく。今後はプログラミングに関する大学の学部なども増えていくほか、プログラミングに習熟した人材は高い報酬を得られると予想される。
経営者が子供に与えるプログラミング教育はどのようなものがよいか。プログラミング教室に関する情報発信を行うポータルサイト「コエテコ byGMO」を運営するGMOメディアの代表取締役、森輝幸氏に話を聞いた。


プログラミングは「第四次産業革命の必須スキル」

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まず、そもそもプログラミング教育がなぜ重要なのか?について、森氏はこう語る。
「プログラミングで身につけることができるのが、論理的思考、逆算の思考です。
仕事をするとはいわば“ifの積み重ね”『こうなったらどうなる?』のシミュレーションをいかに数多く行っていくかです。プログラミングとはまさに、そのシミュレーションの連続、それがきちんと機能すれば、コンピューターは命令した通りに動いてくれます。
そのようなシミュレーションを行うのは、仕事に限らず人生においても大事なことです。そのような思考プロセスを持つことの重要性が高まっています。
もう1つ、プログラミングが重要になっているのには、時代背景もあります。今は言ってみれば『第四次産業革命のとき』で、かつての産業革命に蒸気機関が必須だったように、第四次産業革命にはITスキルが必須です。それだけ重要度が増しているのです。
デジタル庁を創設するなど、国はデジタル、DXに力を入れています。そのDXを支える人材育成のためにも、プログラミング教育は欠かせないものになっているのです。
今後は、新卒採用でもプログラミングができる人材かどうかで差がついていくでしょう。プログラミングができれば、報酬の高い仕事にも就ける時代がすぐそこまで来ています」

プログラミングは「男女平等な職業」

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プログラミングという科目のイメージについても、森氏は以下のように語る。
「プログラミングというと、男の子が学ぶもの、とお考えの方が多くいます。現在学んでいる子の数は男の子が圧倒的に多いですが、プログラミングは腕力が要るものでもないので、男女の差はない、むしろ女性のほうが向いている職業ではないかと考えています。プログラミングは相対的に収入のいい仕事ですから、これからは女性のエンジニアが増えてほしいと思っています。
大学の理工系学部は男子学生のほうが多く、なんとなく理系は男子学生、女性の理系は薬学系など限られた分野の感じがありますが、今後大学に情報系学部が新設されていくと、そのような文系理系といったくくりはなくなっていくのではないでしょうか。プログラミング教育の普及で、これからの時代、男女関係なく優秀な人が報酬のよい仕事に就くチャンスが広がっていきます」


学校、自治体による教育の差が結構ある

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「プログラミング教育の普及には、学習指導要綱も重要ですが『子供が興味を持つか』が重要です。GIGAスクール構想の推進で日本全国の小学校に端末が配布されました。これは文部科学省の英断だと思います。お子さんがプログラムに興味を持つためには、まず触れることが第一ですから。
そのように、子供がプログラミングに触れて、興味を持つ環境は整ってきていますが、何せ最近になって必修になった科目ですから、プログラミングを教える教師が不足しています。教える人のレベルによる格差も広がっているのが現状です。
学校の授業でプログラミングに出会い、もっとやりたい、学びたいと思ったならば、学校の授業と塾のように、民間のプログラミング教室がサポートする形が望ましいと言えます。
プログラミング教室の数は全国的に増えてきており、今後もその数は増えていく。私たちはそう予測しています。
プログラミング教育の差という点では、公立校に比べると私立校のほうが進んでいると感じています。ほかにもプログラミング教育に力を入れ、独自の教育プログラムを作成しているところもあります。
たとえば千葉県柏市は2017年度から市内の全公立小学校でプログラミングの授業を行っているほか、市内の大型商業施設でプログラミングのイベントや体験を何度も実施していたり、柏市教育委員会が後援する小学生のプログラミング教育を題材にした子供向けTV番組が放送されたりしていますから、お子さんの教育でプログラミングに力を入れたいとお考えの方は、調べてみるとよいのではないでしょうか」

民間のプログラミング教室それぞれの特徴

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森氏の口から出た「民間のプログラミング教室」とはどのようなところで、選ぶ基準についても聞いた。
「『プログラミング教室』といっても、各家庭のお子さんがプログラミング教室に通う目的は様々で、子供の特性によっても適した教室は異なります。“何を学ぶか”の視点で見てみると、大きく4つのタイプに分けられます。
1、プログラミング教室:パソコンやタブレットを使ってプログラミングを行います。初心者にも取り組みやすいScratchなどといったビジュアルプログラミング言語が主な教材です
2、ロボット・ものづくり系教室:ブロック教材を使ってロボットを組み立て、プログラミングをして動かすのがカリキュラムの中心です
3、パソコン教室:大人向けの教室が子供向けにプログラミング教室を始めたところです。パソコンを教えてきた実績が豊富なのが強みで、プログラミング教室の中で比較的月謝が安く、駅前など立地のよいところにあることが多いです
4、STEM教育系スクール:現在数を増やしている、理系教科(やアート※STEAMの場合)を総合的に学ぶことのできるスクールです。プレゼンや探求学習に力を入れているところも多く「子供を主体性のある人間に育てたい」と考える人に向いています

これらの4つのスタイルを、コースに複数組み込んでいる教室もあります。
大きな考え方として、①コンピューターが理解する特殊な言語を身につけるスタイルの教室で、プログラミングの基礎スキルを高める のか②ロボット制作の技術を楽しく学びながらプログラミングのきっかけをつくる のかで選ぶ教室の形は大きく変わります。プログラムを始めるきっかけは人それぞれで、その両方がカリキュラムに組み込まれている教室もあります。
大前提として『子供が夢中になる、楽しく学ぶ』ことを目的に、体験教室に行くなどして、お子さんが意欲的になるのはどちらかを見るといいでしょう」


教室選びの際に考えたい4つのポイント

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「授業形式は教室によりさまざまで、集団指導、少人数集団指導、個別指導のほか、同じ学年での授業だけでなく、学年をまたいで行われるものもあります。
どの形式もメリットやデメリットはそれぞれで、どれがよい、悪いはありません。
ここでも子供の特性を軸に、楽しく学べる授業形式のものを選ぶことが大事です。
教室はコロナもあり、プログラミング教室もオンラインのところが増えてきました。
オンライン教室はリアルの授業を行う(オフライン)形に比べて、授業料は安い傾向です。また、プログラミングというものの性質上、オンラインだからといって授業の充実度が劣るといったことはありません。
オフライン教室は通う手間はあるものの、リアルな場だからこその集中して学べることや、講師に直接質問ができる、一緒に学ぶ友だちもできて子供のモチベーションが高まるといった点がメリットです。
メリット、デメリットを勘案して決めるのがよいでしょう。
その他教室選びで気をつけたいのが、以下4点です。
①年齢:『幅広い年齢を対象』とする教室は比較的基礎的な内容を、『小学校高学年が対象』など年齢幅が狭いところはレベルの高い授業を実施する傾向にあります。
そもそも教室によって授業のレベルは異なり、対象の学年が小学校低学年、中学年、高学年か、全学年を対象としているかを確認しましょう。なかには未就学児から通えるところもあります。
②予算:毎月の費用はいくらか、入学金などがどのくらいかかるか。月謝は1万~1.5万円程度のところが多く、教室により教材の費用がかかることもあります。
③スケジュール:週に何回、月に何回行うか。欠席時の振り替え学習は可能か、メールやZOOMでのサポートなどはあるか。
④通塾のアクセスはどうか。オンラインでない場合、自宅や駅からの通いやすさも重要です。授業の回数や授業の開始・終了時間、曜日なども教室により異なります。
このほかに、オンラインオフライン問わず、その教室の授業を受け続けることがお子さんや親にとって無理のない範囲か、も考えておきたいですね」


経営者、会社に求められるプログラミングの知識

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今後、プログラミングが社会や企業経営にとってどのような存在になっていくかについても、森氏は語る。
「プログラミングは、あらゆる業種・業界・産業ともつながるものです。すべての仕事で今後DXが関係していきます。農業や漁業などの一次産業、成熟産業といわれる産業も例外ではありません。プログラミングに精通する人材がその業界に入ってくることで、DXは一気に進むでしょう。
エンジニアでなくとも、多くの人にプログラミングの知識は求められるようになっていきます。コードを書くなどのプログラミングの細かいことはわからなくとも、プログラミングの構造をわかっているなど最低限の知識がなければ、エンジニアに適切な指示や依頼ができないからです。
社会人向けのプログラミングに関するセミナーや講座に参加する人も増えています。
この先、どの会社にも経理担当者がいるように、今後、どんな会社も内部にエンジニアがいるのが当たり前の時代になるのではないかと考えています。
行いたいことがあるのに、外部のエンジニアに頼んで対応が完了するのは一月後、ではもはやその企業は競争力を維持できないでしょう。
そのように重要性は増していますが、まだまだ人材育成が追いついておらず、エンジニアの需要はひっ迫しています。
エンジニアは今後間違いなくニーズがあり、男女を問わず、力があれば日本に限らず海外でもやっていける職業ですから、ぜひ多くの子供たちに目指していただきたいと思っています」


社長onlineでは、それぞれについて効果的な学習方法、塾や教室などを選ぶポイントなどについて、それらの事業を展開している企業の経営者に話を聞き、明らかにしていく。
このほかにも、多くの親にとって関心事が高い「受験」についても、「中学受験」をテーマにお届けする。
今の時代、地域性や保護者の学歴志向に応じた、進学実績のための進学塾・予備校(中学受験・高校受験・大学受験)活用は大前提となっており、その分複雑なものになっていると言える。それをひも解いていく。
記事は4つ。

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