タバコ屋不思議

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ノート

雨音

この間は16人のお客さんが来てくれた。
感謝。

物事が駆け足のようにうまく行くときもあれば、なんだか気がふさいでうまくいかない時もある。

その代わりに、忙しくしている時に気がつかないことに気持ちを寄せることが出来るその時間。

雨音。

15分しかないと急ぐあの日。
雨音を聞きながら時計を1分眺めていると
その長さに眼を見張る。

薄暗い室内に香るコーヒーのスパイス。

ネコのしっぽが左右に揺

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ご一読、ありがとうございます🌸
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灯し火

そろそろ日付が変わる頃だろうか。

少し前からヒタヒタと雨が降り出した。

折り畳み傘を構え、駅から早足に家路へと向かう。

暗がりの中にぼぅっと光る橙色。

少し肌寒い夜の雨に、その灯りは優しく寄り添う。秋の冷やかな風の下で、一服したくなるような灯り。

何となく口元が緩んで、ゆっくりと家路へ。雨の今日、大きなネコは店の前にいない。

あなたに花束を💐
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夏の空に向けて

梅雨が明けて、本格的な夏がやってきた。

響く蝉の声、うだるような蒸し暑さに照りつける太陽。
少し歩いただけで、じっとりまとわりつくような汗を掻く。

このままでは熱中症にでもなるかもしれないと思い喫茶店へと入った。

中はアンティーク調の家具で揃えられていて、カラフルな外国のタバコがマスターの背後をポップに彩っている。

照明がほんのりと灯る店内は、夏の暑さとは無縁の異空間だった。

そこに大き

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嬉しい限りです🌸
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心地の良い午後に 4/18

昼間の店内はとても穏やかだった。

春の日差しはとても強くて、涼やかな風がなんとも心地よい。

鳥のさえずりを聞きながら、いつもと同じようにコップを磨く。

ふっと椅子に座って一息つきながらノートを開いた。

走り書きで

“とんでもなく胸を打つ。

そんな気持ちになる時は、その感動や温かさに一瞬怖ささえも覚えるけれど、
その次の瞬間にはその感動は鼓動に変わり私の心を鼓舞してくれた。”

微笑。

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素敵な瞬間が貴方に訪れますように🐾
4

パレード

少し前からある喫茶店のメニューに時々
ノートが添えてある。

“ご自由にお書きください”

若葉の緑が陽に照らされて力強い今日、
私は足早に店に近寄り
走り書きのようにメッセージを残した。

“とんでもなく胸を打つ。

そんな気持ちになる時は、その感動や温かさに一瞬怖ささえも覚えるけれど、
その次の瞬間にはその感動は鼓動に変わり私の心を鼓舞してくれた。”

今朝、祖父母や従姉妹、従兄弟から動画のメ

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また遊びに来てください😊
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タバコ屋不思議営業中。
夕方になるとぼぅっと店には灯りが灯る。
夕ご飯の香りがたちこめるこの街中に。

素敵な瞬間が貴方に訪れますように🐾
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🐾 ボス、今日はここで雨宿り。

あなたに花束を💐
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啓蟄のあの日から

1ヶ月程経つだろうか。
今日は随分と寒いけど、暖かいも日も増えてきた。

俺はあれから、あの日を境に週2日アルバイトなんてものを始めた。
家で過ごす時間は少しずつ減っている。

2年前、バレンタインデーの裏切りを受けて学校という社会と縁を切った。

それからは何かを忘れるようにゲームに浸り込むものの、鬱屈とした気持ちが晴れることは無く、窓から見える青空が鬱陶しくて仕方なかった。

だけど今は、青空

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嬉しい限りです🌸
1

始まった季節に

下り坂を早足で駅まで向かう。

今朝は良い目覚めだった。

周りの評価を気にしたとたんに
ワクワクした気持ちは曇りだす。

私でいいのだ!

新しい元号も始まった。

走り抜けて、突破してやる。

大きなネコがこっちを見た。

ご一読、ありがとうございます🌸
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始まりの季節に

壁に掛かっているカレンダーを見て
今日から4月か、と独り言のように呟く。
そして新たなメニューを考えていると
スタスタとボスが近寄ってきた。

キリリとした目で外を見るのかと思いきや、私の手の甲に頭を押し付ける。

珍しいね、ボス。
私は小さな額をこちょこちょしたり背中をゴシゴシと撫でていると、ボスの前足が
くるりと腕にしがみつく。
そして瞬時に甘噛みしたかと思うと、
後ろ足で私の腕をキックした。

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また遊びに来てください😊
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