郡道美玲 あめもようボイス2020

トラック3

…雨が降ってきた。

俺と先生は雨宿りをしている。

しかもどこか2人でデートの様子だ。

だが、生憎の雨模様。

天気予報をチェックしなかった自分を責めつつも俺の足の疲れを心配してか声をかけてくれる。

そんな彼女に俺は「そっちこそ、足大丈夫?」と語りかける

しかしどうやらさっき先生の方がコケたらしく

それを心配した発言だった。

彼女的に足を挫いたのが恥ずかしいらしい。

空から稲光とともに轟音がこだまする。

雷神様が自分たちに嫉妬しているのだろう。

雷に気を取られていたが、彼女のかわいらしい悲鳴と共に左手に温もりを感じた。

俺の手の冷たさで気を晒そうとしているが照れているのがまるわかりだ。

「このまま繋いでおこ?」

素直じゃない人だ、惚れ甲斐がある。残りの命を懸けるに値する程。

ここは彼女のかわいらしいわがままに付き合ってあげよう。

彼女は満足そうに「うん!」と頷く。

「このままだと終電、なくなっちゃうね」彼女はそう言う。

駅から遠い場所で雨宿りしているのがわかる。

俺は別に駅まで走って濡れても良かったが、今日は彼女がいる。無理はさせられない。しかもさっき足を挫いたばかりだ。

「ぁのさ!あの…あそこ入らない…?」

彼女が指さした方向にはラブホテル。

手負いの先生+雨宿り+終電を逃す

それより全然賢い選択である。

しかし、大胆な人だ。

そして顔を真っ赤にしながら吃りながら言いわけをする。

だが、たしかに風邪をひいては元も子もない。

ここは彼女の提案に甘えよう。

「…行きたい。入ろうよ、ダメ?」

そんな目でお願いされたら断れるわけないじゃないか、ずるい人だ。

ついでにお願いのキス。今夜、どうやら俺はオオカミになりそうだ。

ホテルのエントランスに入る。

そりゃドキドキする、こんなところ使う機会なんてほとんどない。

いろいろな部屋がある。

彼女はお風呂から部屋が見えない「タイピュ」がいいらしい。

手慣れている彼女。

少し引っかかってしまう。

しかし、素直に答えてくれる。

彼女に好かれている。それだけで満足だ。

また恥ずかしくなったらしい。

いきなり年上マウントしてリードしてくれる優しいお姉さん。

しかし、エレベーターを間違えるところが郡道美玲。

そんな少しドジでかわいらしい罵倒する君が好きだ。


今夜は眠れそうにない…。

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