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SHADOWTIMES 2013/08/01 Vol.37

Post.18

「七つの刻印」 勝又公仁彦

先日、滋賀県高島市の上御殿遺跡で「守君舩人」という人名が七回書かれた、奈良時代か平安時代のものと推測される甕が発見された。七回も人名を記した土器は全国初とのことだ。厄除けが狙いではないかと言われている。どうして七回名前を書く事が厄除けになるのかはわからないし、腑に落ちない方もいるかもしれない。

古来「名前」「名付け」には呪力があると考えられてきた。そして、それを書くことで生じる呪力、唱えたり歌舞音曲にすることで生まれる音や芸による呪力、ある手続きで祀ったり安置する儀礼による呪力、またそれを祀る場所のもつ呪力などなど、様々な呪力がそこに込められていたかもしれない。

“Japanoscape” 「2013年6月1日東京都杉並区_MG_3133」
(杉並区の貴船神社。遠くて見えにくいが、紙垂(しで)もまた七つの刻み目をもつものが多い)

ただ、その行為や所作が甕の中のものを外敵から護るためなのか、壺の中に封じたものを外に洩らさないためのものなのかのどちらかさえ、今となってはわからない。

水の祭祀に関わっていただろうとのことで、発掘場所は当時の交通の要衝にあたるため、水運の安全を祈願するものとも考えられる。少なくとも粉々にならずに発掘されたということは、七回も書いた甲斐があったというものだ。詳しくは今後の研究の成果を待ちたい。

“Japanoscape” 「2009年6月23日奈良県吉野郡十津川村_MG_7649」
(玉置神社。茅の輪越しの鳥居。こちらの紙垂(しで)も七つの刻み目をもつタイプ。紙垂にはいくつかの流派がある)

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