見出し画像

SHADOWTIMES 2013/06/06 Vol.29

《Day and Lights》Post.14
「移動するカミたち」 勝又公仁彦

うつそみの人はさびしも。すさのをぞ 怒りつつ 國は成しけるものを
諏訪びとは、建御名方の後といへど、心穏(おだ)ひの あしくもあらず

『海やまのあひだ』釋迢空

霰降り鹿島の神を祈りつつ皇御軍(すめらみいくさ)に我は来にしを防人歌 常陸國 那賀郡の上丁、大舎人部千文『万葉集 巻二十』

防人歌 常陸國 那賀郡の上丁、大舎人部千文『万葉集 巻二十』

“Japanoscape”「 2013年3月6日 奈良県桜井市」
(大神神社。二の鳥居の夕景)

大学でひょんなことから神道系の宗教哲学者を師とすることとなり、以来様々な形で神社や聖域を密かに廻って来た。それらは私にとっては、親しみ抜いたありふれたものであり、写真に撮りはしても、わざわざ発表するにはあまりに自分に強く結びついていて、批評の対象としにくいものだ。

神道は他のアニミズムと同様に、自然の諸現象を神とする。同時に天皇家をはじめとした各氏族の祖先を祀る、という側面をもっている。さらには菅原道真や崇徳上皇のような怨霊とされたものや、徳川家康や乃木希典といった著しい功績のあった人も神として祀られてきた。

“Japanoscape”「 2008年6月29日 青森県十和田市」
(十和田神社。祭神は日本武尊)

ここから先は

4,954字 / 14画像

¥ 200

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?