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SHADOWTIMES 2013/11/07 Vol.49

Post.24
「スタンフォードの馬」 勝又公仁彦

モンゴルから日本に帰り、その余韻も覚めぬ内に、私はサンフランシスコへと飛んだ。空港には昼過ぎに着いた。光の強さはモンゴルによく似ている。空気が乾燥しているのだ。お世話になるシリコンバレーのNさんのお宅への途中、スタンフォード大学を見学した。

(ゴールドラッシュで移住し集まった鉱夫を相手とした雑貨商で成功し、カリフォルニア州知事から鉄道王となったリーランド・スタンフォードは広大な土地を所有していた。平坦な学内で一際目立つフーバータワーに登ると、見渡す限りのほとんどが大学施設で埋め尽くされている。山の方までもが敷地だそうだ。写真に写っているのはごく一部。一カ所でこれだけ広いキャンパスは日本では考えにくいだろう)

サンフランシスコは元々移民の街だ。東洋系の顔立ちをした人も多い。新学期が始まったばかりのスタンフォード大学の中もアジア系らしき人が目立つ。全てが学生や職員というわけではなく、屋外にいる人の多くは観光客だ。

サンフランシスコから1時間ほど離れた大学にわざわざ観光に来るのだから大したものである。やはり世界的な名門校だな、と感心していた。後日知り合ったシリコンバレーの人たちからは、ヒューレットさんとパッカードさんが成功するまでは誰も行きたがらない田舎の学校だったと聞かされて、意外な思いがした。

(ヒュームセンターは書く能力と話す能力を高めるための施設。コミュニケーションとプレゼン能力を磨くための専用のカリキュラムと教員が用意されている。視覚や聴覚を通した効果的なコミュニケーションのためにデジタルメディアを指導する教員もいる。日本の大学や高等教育機関にも書くこと話すことやプレゼンテーションを学ぶ独立した施設がほしいところだ)

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