脳ある関西人は関西弁を隠す。
私は新卒で東京に出てきました。
それまでは一切関西を出ていません。
小中高は大阪、大学が京都、実家はずーっと大阪です。
生粋の関西人と言っても良いのかもしれません。
そんな私が社会人一年目で同期に言われた言葉があります。
「あなたって、関西ハラスメントだね」
最近とくに重視される企業のコンプライアンス。
パワハラ、モラハラ、セクハラ、アルハラ…などなど。
色々なハラスメントを聞いたことがありましたが、これは初耳です。
「なんでやねん!」
「お前アホちゃうか!」
「そんなハラスメント聞いたことないわ!」
そう返した私に対して同期は言います。
「それそれ」
言われてすぐ、私には何のことか分かりませんでした。
あとになってわかったのですが、私のキツい関西弁での物言いが高圧的で威圧感を与えてしまっていたんだとか。
そして最初の研修が終わってから配属後にもこの壁にぶち当たります。
「〜さん、あの件って共有しはりましたか?」
「はりました…?何を?」
関西人の方はお分かりだと思いますが、関西弁で「〜しはる」は敬語です。
関東弁(標準語とは言いません)で言えば「〜される」です。
その後、先輩に「〜しはる」って敬語だと思わないですか?と聞いてみたところ、思わなかったよ、と言われました。
これはとても危険なことです。
知らず知らずのうちに、自分がタメ口で先輩に接していることにされかねないのです。この関東という異世界では。
これは大リーグに移籍後の新庄選手がBARで「苦ぁ〜」と言って黒人にシバかれた話にも通じるものがあります。(黒人を蔑称するスラングに「nigger(ニガー)」という言葉がある)
私は黒人にシバかれたくないし、先輩に睨まれたくありません。
バカじゃないんです。
だからこそ、私はそこから関東弁をマスターしました。
元々バラエティ番組が好きだった私はスマスマもよく見ていたので、SMAPの5人から関東弁をスピードラーニングすることに成功します。
今では自在に操ることができ、関西に帰った時は関西弁、関東では関東弁を話すバイリンガルです。
そんな私をつかまえて、関東人はこう言います。
「あれ、あんまり関西弁出ないね?」
出ないんじゃない、出してないんです。
これほどの愚問、答えるに値しないのですが、あまりに多い。
だからここで一度言っておかねばなりません。
それに、この言葉には別な意味が含まれています。
・関西すぐ捨ててるんだ
・すぐ関東に染められちゃうんだ、弱いね
・どうせ面白さも無いんでしょ?
あぁん???です。
言っておきます「脳ある関西人は関西弁を隠す」ことが出来るんです。
その方がこのコンクリートジャングルで生存できる。
いわば進化を経ている、NEO関西人なのです。
サポートされたお金は恵まれない無職の肥やしとなり、胃に吸収され、腸に吸収され、贅肉となり、いつか天命を受けたかのようにダイエットされて無くなります。