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村田さん、やっぱり「変態」は選ばれし者だと思います。

変態になりたいですか?

「No」と答えたあなた。このブログを閉じて「半身浴」とか「ピラティス」とか、もっと有意義なことに時間に当ててください。

「Yes」と答えたあなた。
なりたいですよね、その前提で進めます。

昔から「変態の人ってズルい」と思って生きてきました。
赤ちゃんプレイとか、女装とか、ドMとか。

「女王様がお尻にタピオカのストローを突き刺して、そこからタピオカを50粒も注いでくださったんです」とか言われたら話題全部持っていかれるじゃないですか。

変態の人たちはそのエッジが効いたプレイ内容を実践することで、他の誰もが知る由もない稀有な体験をすることが出来ます。そしてそこに計算がない。あるのは純粋な動物的欲求だけ

だから面白いんです。

私も熟女好きを謳いますが、上には上がいて、18歳の時に還暦ババアをファ◯クしたN先輩の前には風前の灯です。43歳?赤ん坊じゃねえか、と。

ズルい。
私も「変態」になりたい。

今日はそんな私が国内随一の変態だと思う女性小説家の方にお会いしてきました。まさにズルい女。村田沙耶香さんです。

2005年に「授乳」でデビューし、2016年には「コンビニ人間」で芥川賞を受賞された天才小説家。「コンビニ人間」は翻訳されて海外でも高い評価を受けているそうです。

そんな彼女の作品を何作も読んでいて思うこと。
「この人は変態だ」です。

例えば彼女の作品に「トリプル」では男女が3人組で交際するのが一般的になった世界を描きます。その中でのSEXは代表者1名が穴という穴に色々な物を突っ込まれて果てるまでほじくり返され続けるというもの。

ほへ?
そうなるのも無理はありません。

村田さんは「ない世界」を勝手に妄想して、あたかも見てきたかのように登場人物たちの心情や社会的背景、一風変わったイデオロギーなんかを描いて作品にしてしまいます。

でも、なぜそれが読まれるのか。
それは「説得力」があるからです。

明らかな「SF」だとしても、そこに生きている人たちの価値観や行動、言動には一定の論拠があり、それは理解に値します。だからこそ「今の社会もいつ壊れるか分からない」と思わせてくれる緊迫感があるのです。

そんなリアルでエグい妄想が高解像度で出来る村田さん。
リアルでエグい思想の持ち主に違いありません。

事実、小説家仲間からも「クレイジー沙耶香」と呼ばれているらしく、芥川賞の授賞式でも「今でもコンビニで働いています」と発言して会場をどよめかせていましたね。

そんな村田さんを目の前で見てきました。
あ、トークショーですよ。

司会の方からも「村田さんは変態です」と早速紹介されます。
それに対して村田さんはこう返しました。

「いや、みんな実は変態なんですよ、私が分かりやすいだけで」

なるほど、確かにそうかもしれません。
誰もが何らかの変態性を隠し持っていて、まだ出せていないと。

それが出来たらやってますねん。

私を含め、多くの人が社会性や常識性といった厚手の防護服を身につけ、知らぬ間にその快適さを享受している。だから簡単には脱げないのです。

しかし、世の中にはそれをスルスルと脱いでストリッパーのように妖艶な舞を魅せる変態たちが極たまにいるわけで、彼らが飲み会のイニシアチブを掻っ攫うわけです。

変態とは「常識に捉われず、己の欲望に正直な人間」と言い換えることが出来るかもしれません。

ともすれば、問題は「後天的に変態になれるのか」という部分です。
私はすっかり厚手の常識を身にまとい、それを脱げずにいますが、一度着たものを取っ払ってスッポンポンになれるものなのでしょうか。

もし仮に村田さんにも何らかのキッカケがあった上で変態になっていたのだとすれば、私にもチャンスがあるはずです。

それが知りたくて、最後の質疑応答で村田さんに質問をしてみました。

「村田さんはいつから変態なんですか?」

その時の返答がこちらです。

「わたしは、性の目覚めが早くて幼稚園前から達するコトを知っていたんです。その時は『達する』という言葉は知りませんでしたが、とにかくスゴいことが起きるって…。それで、これはすごい発見だからみんなに知らせなきゃと思って、小学校2年生の時に友達を集めて教えたんです。『ここをこうするんだよ』と。すると友人の1人が不穏な空気を察して『これは沙耶香ちゃんだから出来ることなんだよ!』って叫んだんです。」

頭がおかしい。
変態だ。

はい、分かりました。
生まれながらにして「変態」は決まっているのでしょう。

だからこそ、私のような凡人は精巧な変態の仮面を被るしかない。

だからみうらじゅんに憧れるんでしょう。
ホンモノにはなれないから、努力して魅せるしかない、と。

「俺は変態だ」と。


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