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世界一アホなアナウンス「発車しますと、揺れますのでご注意ください」について。

先日某東京メトロに乗っていた時のこと。

駅でドアが開き、数十秒で人が激しく往来する。
そしてドアが閉まる前にアナウンスが入った。

「発車しますと、揺れますのでご注意ください」

アホすぎる。
誰に向けてのアナウンスなのか。

おそらくまだ歩くこともままならない赤ちゃんだって、ベビーカーを押すときに揺れが来ることは理解しているだろう。中学校の理科で「慣性の法則」を学んでいなかったとしても、だ。

じゃあ、一体誰に向けて必要なアナウンスなのか?
「おい、発車したら揺れるなんて聞いた事ないぞ!」と誰かが言うのか?
そんな奴がいたらわたしは優しく「理科の教科書23ページに載っていますよ」と諭そう。

逆に考えてみてほしい。
逆に揺れない方が驚くだろう。

もし今後技術が進歩して、発車したのに一切の振動を感じさせない列車が発明されたなら「発車しても揺れませんのでご注意ください」と言えばいい。揺れが無さすぎていくつもの駅を乗り過ごす人が出るかもしれない。

バカなアナウンスの問題は、これだけに止まらない。
本当に問題なのはこのアナウンスを「大企業が真剣に放送している」と言う事だ。

誰もが知っている鉄道会社が会議を開いて、スーツのおじさんやら若手エリートが寄り集まって真剣な会議をして、録音するアナウンスや車掌のセリフをマニュアル化して決めている。その結果「発車しますと、揺れますのでご注意ください」が採択されたのだ。

先日セブンpayの問題が大きなニュースになっていたが、世界一の規模を誇る小売店が一斉に決済システムを導入したのだから問題が起きても仕方がないとは思う。ある意味健全な問題だ。

しかし、このアナウンスはどうだ?
小学生、ないし幼稚園児でも「おかしい」と気づくような事に、誰一人気づくこともなく、何ならサービスを受けた何万人もの乗客ですら疑問を持っていない。これほど不健全なことがあろうか?

世間は怒りの対象を間違えている。
危険視する対象を履き違えている。

難しいことをして間違えるのは健全だ。
簡単なことを間違えるのは不健全だ。
そんな簡単なことなのに。

つまりどう言うことなのか。

人間は思っている以上に愚かだ、ということである。

大型の決済システムを導入すると賢そうに見えてしまうが、それは難しい技術を扱っているだけのこと。もっとシンプルで単純なアナウンスの文言1つで大きく間違ってしまうのだ。

人類は「難しいこと」に挑戦して、戦うステージを変えているだけで、実は単純な事にも気づかない愚かな生物なのだ。プログラミングができても、医療に従事していても、アナウンス一つロクに作れない愚かな生き物なのだ。

「知識」や「技術」で「賢さ」を判断するから奢る。
それは積み上げて得られるものであって「賢さ」ではない。

歴史を重ねて積み重ねたものはあれど、人類は何も賢くなっていない。
そんな風に思えば誰も「自分は賢い」なんて愚かな考えを持たないはずだ。

サポートされたお金は恵まれない無職の肥やしとなり、胃に吸収され、腸に吸収され、贅肉となり、いつか天命を受けたかのようにダイエットされて無くなります。