マハーバーラタ/1-9.ドゥリタラーシュトラ、パーンドゥの結婚

1-9.ドゥリタラーシュトラ、パーンドゥの結婚

3人目の子供が生まれ、ヴィドゥラと名付けられた。
ビーシュマはドゥリタラーシュトラとパーンドゥが一人前になるまで、再び子供を育てながら王国を実質的に統治する役割をこなすという数年間を過ごしていた。

3人の子供達はクシャットリヤの王子として必要なすべてを教え込まれた。
長男ドゥリタラーシュトラは比類なき強さを授かり、
次男パーンドゥは弓の技術を習得し、
三男ヴィドゥラは最も賢かった。
そして長男ドゥリタラーシュトラがユヴァラージャに任命されたが、盲目であったため、国を統括するにはふさわしくなかった。
パーンドゥはあらゆる武器の扱いに優れていたので軍隊の司令官に任命された。
ヴィドゥラは王に使える大臣として教育を受けた。
こうしてヴィドゥラの協力を受けながら、ドゥリタラーシュトラ王の名の下に、パーンドゥが国を統治することになった。

子供達は年頃になり、ビーシュマは花嫁探しを始めた。
ガーンダーラのスバラ王には、シヴァ神に献身していることで有名な美しい娘がいた。
また、マドラのデーシャ王には、美しさと優しさで世間の注目を集める娘がいた。
ビーシュマはヴィドゥラに相談した。
「この2人は名家の伝統も引き継いでおり、クル王家の王子達の妃としてふさわしいであろう」
「私達にとって、あなたは父であり、母であり、グルであり、全てです。きっと最良の選択に違いありません」

ビーシュマはガーンダーラへ使いを送った。
スバラ王はドゥリタラーシュトラが盲目であることを理由に最初は賛成していなかったが、娘のガーンダーリー本人がクル王家へ嫁ぐことに反対しなかったので安心した。
そしてガーンダーリーが取った行動は偉大な自制心を示すものであった。夫より優れた能力は持ってはならない、そう固く信じていた彼女は結婚相手が見ることのできない世界を拒むために、自らシルクの布で目を縛った。
ガーンダーリーの兄シャクニは彼女をハスティナープラへ送り、結婚式を終えるとガーンダーラへ帰っていった。

マドラのデーシャ王は娘マードリーの為にスヴァヤンヴァラを開催した。
パーンドゥはその人格、美しさ、高貴さをもって他の求婚者を圧倒し、マードリーの夫として選ばれた。

ビーシュマは偉大なクル王家の妃としてやってきたこの2人の花嫁にとても喜んでいた。

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