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2019年5月の色々(ナナヲアカリ/どんたくミナトライブ/夢みるアドレセンス/ユニコーン/ラッキーフィッシュと浮かぶ夜/忘れらんねえよ×ネクライトーキー/BiSH/第1話)

5.1 ナナヲアカリ「ススメ!!しあわせ症候軍ツアー」@福岡DRUM Be-1

令和最初のライブは、完全初見なナナヲアカリ。ロック兄弟というニコ生の番組MCとして知っていて、楽曲自体は去年聴きはじめたばかりなのだけど、2018年ベストアルバムにも選出したし、秀逸な作家陣から曲を募り、自身のアイデンティティと合わせて歌唱するというこのスタイル。YUKI、木村カエラの流れを汲むSMAのお家芸じゃん!となりとても好み。しかもクリエイターたちはボカロ畑出身という新世代感。何だか令和一発目に相応しい!

いわゆるネットカルチャーと地続きなライブ現場に行ったのは初だったけど、なんか特有の熱気があって、まだ知らない世界が、、と。ナナヲさんは顔面がとても可愛いのでアイドルっぽいノリは想定してたのだけど、なんかそれとは違うんだよな、なんかニコ生の弾幕的な歓声っていうの?笑 あんまり一体とならないはずの人々がここぞで出す一体感って凄まじかった。

爆速の楽曲たちを人力で立ち上げる演奏隊、VJなのにめちゃくちゃ踊りまくる女の子、そんな情報過多なステージを更にブチ上げるモニターのハイカロリーアニメーション、脳をバテさせ、更に体も跳ね上げるという運動量のイカついライブだった。「ちょっと頑張る引きこもり」というキャッチコピー通り、スター的に煽るのでなく、着の身着のままふらりと歌い踊っていたナナヲさんはニュースター感あった。こんなにハイテンションな曲ばかりなのに本人がちょっとダルそうなのがイイんだよな。寝起きの女の子感ね。

5.4 どんたくミナトライブ

今年のGWは遠征せずおとなしく博多どんたくを。こんなに福岡に住んでいながらどんたくが何を祝う祭りなのかも知らない、毎年こう思っているんだけど全く調べようともしていないのだけど、ここ数年は局所的にアイドルフェスティバルの様相を呈しており、なので僕もアイドルを祭りあげる日だと思っている。今年初の日焼けをキメてしまうほどにピーカンだった。

ばってん少女隊と夢アド以外は初見のグループばかり。CROWN POPはスタダの中でも高身長でダンスが映える感じ。界隈では"夏木マリ"の異名でお馴染みの「夏キラリ☆」という名曲が完全に夏の到来を告げてしまっていた。

元アイドルネッサンスの原田珠々華はアイドルの流れで聴くのがちょっと可哀想なくらいには真っ当なシンガーソングライターで。こういう場では箸休めみたくなっちゃってたけれど、気持ち良く歌っていて好感度高かった。

kolmeも、ちょっと異色というか。R&Bのだし、今っぽいHIP-HOPのリズムが真ん中にあって。アイドルソングとしては逸脱しまくっているのだけど、クオリティと品の良さで圧倒していく感じがとてもカッコ良かった。

で、この日完全に心射抜かれたのがlyrical school。曲の良さは知ってたし、観ると沼な感じがして去年とかも観る機会あったけど避けてた節もあったほどに。で、その予感は的中し、この日を持ってリリスクに陥落してしまったよ。たった20分の中に、彼女たちのプレゼンする快楽が濃縮されて詰まっていた。振り付けが基本決まってない、勝手な感じがたぶんその自由さを助けてるんよな、フロアにも出てき放題、否応なしにSqueeeze!!ですよ。最後にやった「夏休みのBABY」、クラップしながら楽しすぎて気絶しそうだった。

5.4 夢みるアドレセンス LIVE TOUR 2019 SEVEN STAR@福岡DRUM Be-1

昼のどんたくに続き、福岡初ワンマンも鑑賞。結成8年目にしてようやくの!「カワイイだけじゃダメなんですか!?」のキャッチコピー通り、ステージ上に基本的にずっと良い女しかいない状態というのはやはりとても素晴らしい。わざわざアイドルをしなくても存分に承認欲求満たせそうなタイプの方々の歌い踊る姿を我々のような下層の者が拝見できるなんてありがたい話じゃありませんか、とクソほどへりくだってしまう程には美人揃いなのだ。

どんたくでも聴けたのだけど、「くらっちゅサマー」という曲がめちゃくちゃ好きだ。夢アドらしい、って一概には言いづらいくらい色んな曲があるんだけど、なんかこの軽さとかきゃぴきゃぴ感は夢アドイズムの塊だと思う。Cymbalsの矢野さんが書いたっていうの信じられないんだよな、だってサビの歌詞<Chu Chuくらくら恋愛中(Chu)/ハートにくらっちゅしてゲッチュー(Chu)>ですからね、偏差値低すぎるでしょ笑。そういう引き出しがある作家さんなんだろうなぁ、と感服する。頭空っぽにして聴きたいやつ。

「プラスティックガール」みたいなチルな曲や、「急上昇GIRL」みたいなソフトポップな曲も良くて、ギャルたちがはしゃいでるだけじゃないという面も知れて良かった。とはいえ、やっぱり「リーダーシップ」や「20xx」みたいなチャラめなEDMチックな曲がライブの場では爆発的に映えるなぁと思う。こういうお姉さんたちにはこういう曲を踊ってほしい。でもそんな中に一人だけ、山下彩耶という無垢めな女の子がいるというバランス感も素晴らしいんだよな、この娘だけはどの曲も背伸びしてる感じがして良いんだ。

あと、アンコールで着てたオーバーサイズのTシャツっていう衣装が大変に男心をわかっているスタイリングで思わず膝を打ちましたよ!前半でチアリーダーの衣装だったのだけどその色気とは比べものにならないリアリティがあった。山口はのんと荻野可鈴の2人は特に大学のしょうもないサークルではしゃぎがちな女の子って印象があるから、生々しい"持ち帰られ感"が。


5.5 ユニコーン100周年ツアー"百が如く"@福岡サンパレス

ユニコーン再結成10周年+5人なって30周年+ドラムス川西幸一生誕60周年で合わせて100周年。周年って合算できるのか!という驚きもあるが、そうせずとも凄まじい活動年数である。しかも100分きっちりでライブ終了するという事前告知。2016年に行ったツアーは悪ふざけに次ぐ悪ふざけでアンコールだけで50分ほどあったことを考えると、かなりの大改革である。

アルバム『UC100V』を中心にしながら、「働く男」も「ヒゲとボイン」もやる、「自転車泥棒」までやってくれるんだから100周年に相応しいアニバーサリーならではの豪華メニューだった。僕は彼らの名をフジファブリックのルーツとして知り、活動を追いはじめたのは再結成以降ゆえ、その頃出たファンベストの収録曲たちにはしみじみせざるを得なかった。そして『服部』リリースから30年ということで、収録曲たちを人力でリミックスしてプレイする時間もあったのだけど、それらの楽曲たちは全く古びておらず、彼らの実験精神が今の時代においてもなお独自であることを知らしめていた。

100年の風格を感じさせるゴツゴツとしたグルーヴは出音一発で熱い気持ちにさせてくれる。とはいえ肉体に鞭を打っているのは事実らしく、特にABEDON(この人、ユニコーンの頭脳に見えて最も捨て身のパフォーマンスを行うヤバイ人だと思う)はパートチェンジでドラムを叩いた後や、SAMURAI 5でボーカルを務めた後は、しっかりと休憩を取りたがっていた(そして実際、ゆっくりした曲がセットリストには並べられていた)。自分たちの体力を労ったライブ、この働き方は今後のスタンダードになっていってほしい。

アンコールも時間短縮のためステージから捌けずに行われたけど、結果時間が少し余って、ABEDONが変声マイクでMCを務めてこの日の感想をメンバーに聞いていく謎のアフタートークへ。その後は、ユニコーン(一角獣)の曲を英語禁止で歌っていくコーナーへ。そして100分ギリまでやって時間調整、という。タイトなのかグダグダなのか分からないライブ構成、いちいちユーモアで埋め尽くす感じ、これぞSMAのラスボス、という佇まいであった。


5.6 こわせ貯金箱 第2回公演「ラッキーフィッシュと浮かぶ夜」@ 甘棠館Show劇場

福岡の劇団、万能グローブガラパゴスダイナモスの若手公演。先月ガラパ本体の公演を観て、とても感激したので、同じ作演出家が担当するならば、と千秋楽へと足を運んだ。幸運をもたらす黄金の魚という都市伝説を入り口にしながら、いつのまにかド直球のSFを食らっていた。抽象的な舞台セットの上で、幾つもの場面をころころ切り替えながら、“欲望”という曖昧な概念をゆっくり縁取っていく。ユーモアを前提に置きつつ、じわり迫る恐怖もたまらない。

写真で分かるようにとても小さく密度の高い空間だけど、星空も宇宙もそこに浮かび上がらせてしまうから小劇場だろうが侮れない。むしろこの狭さだからこそ伝わるボリューム感があるのだ。劇中、plentyの「空から降る一億の星」が出演者全員によって歌われるという大胆な引用がなされるのだけど、この作品のキーである”友達“という関係性をぐっと引き立てて最高だった。やっぱり、ドラえもんも鉄腕アトムも、当たり前のように人間と友達なんだよな。

千秋楽の企画として、作演出の川口大樹が、劇中の一場面を再演しながら解説していくという、生コメンタリーがあり、これがとても楽しかった。演者と解説者の分断をうっすらと超えて新たな笑いを悪ノリ的に生んでいた。名物企画になるのも納得!

5.10 忘れらんねえよ主催ツレ伝 リリース打ち上げ編〜春が来た〜@福岡CB(ツレ:ネクライトーキー)

74回を迎えた忘れらんねえよの対バンシリーズ、昨年末から激ハマり中のネクライトーキーがツレという最高のブッキング。対バンというのは長年の盟友とか異色の競演とか様々あるのだけど、この2組は魂のシンクロ率が高めな非常に意義深いツーマンだろうと、アナウンスされた時点で思っていて。2組の間に流れるこじらせとひねくれが溶けあう濃厚なライブだった。

1番手はネクライトーキー、1曲目を異端なバラード「ゆうな」で始めて、ぐっと引き込んだ後は、ギター朝日廉が描く、こんがらがったポップスを次々発射していく。初めてライブを観たのだけど、全員のプレイはストイックで的確、それなのに不思議なほどに華がある。何より朝日の”何て言ってるか分からんがすごく叫ぶ“感じが、めちゃくちゃ良かった。エネルギーの出し方が定まってないあの感じ、燃える。大好きな「がっかりされたくないな」は、泣かせるムードを高めまくったイントロが追加されててとても染みた。

主催・忘れらんねえよは、サポートメンバーに爆弾ジョニーの2名とヒトリエのイガラシ氏を迎えた男成分強めな布陣。割と懐かしめの曲が多めのセトリで聴きたい曲も沢山聴けた。憧れのチャットモンチーえっちゃんと初対面したが気が合わなかったというエピソードから「ハナノユメ」に雪崩れ込んだ流れは説明不要な“らしさ”があったし、そこに同じチャットラバーであるネクライトーキー・もっさが加わったコラボもグッときた。そして「踊れ引きこもり」ではまるで持ち歌かのように歌い狂う朝日の姿もあり。その呼応しあう様はとても醜く、そして美しい。こじらせの日々はたまに輝くね!

5.17 BiSH 「LiFE iS COMEDY TOUR」@Zepp Fukuoka 

アルバムツアーだと思いきやまたしても違った!のだけど、開催直前に2枚のEPのリリース。新曲入りのセットなので一安心。過激でエッジーな『STICKS』とメロウでポップな『CARROTS』、彼女たちの音楽性をくっきりと二分して両方を際立たせるという作品だったので、2daysある箇所も多かったので、各日でそれぞれを軸にしたセトリを組んでるのかな?と思いきや違ったみたい。後半日程の福岡は、『CARROTS』を軸にしたメニュー。

とはいえ『STICKS』収録の「遂に死」、凄かった。メンバーが6人が折り重なった状態から始まる振り付けと、およそポップスの範疇には決していないサウンドワーク、常にイッている状態のパフォーマンス、これ意外と夏フェス映えすると思うんだよな。もちろん、『CARROTS』の真っ直ぐなポップネスもきゅんとなる。モモコグミカンパニー作詞の「まだ途中」なんて、売れに売れ切っているBiSHが今鳴らすべき言葉だなぁと思いしみじみした。

「プロミスザスター」「beautifulさ」「オーケストラ」で彩った本編終盤は素晴らしく劇的で良かった。連なっていくんだよな。めちゃくちゃやってるように見えて、実は王道のストーリーをちゃんと行ってる。7あと、僕はリンリンの、叫ばないノーマルな歌声がすごく好きだな。切実でグッとくる。「HiDE the BLUE」の<ねぇ神様もう少しだけ優しくてしてください お願い>とかすげー泣く。新曲「NO SWEET」も、Chara的なイメージすら湧いたよ。

・第1話

4月から始まったチョコレートプラネット×ヨーロッパ企画×NMB48っていう座組のバラエティ番組。フォーマットとしては、ヨーロッパ企画のメンバーがNMB48メンバーを主演に据えて様々なジャンルのドラマの1話目を撮るというもので。芝居のレベルとか、色々無理ある設定とか、思いっきりパクリであるとか、そういうイジられ前提の演出がなされたショートドラマを、チョコプラ長田がツッコミまくるというのが定番の流れ。超面白い。

ですが、第6回にヨーロッパ企画主宰・上田誠氏が登場して、ただの傑作ドラマを作ってしまったのです。そりゃいいの作るに決まってるのだけど、想像越えてくる。これ、最後の放送とかならまだ分かるけど中盤でこういう裏切りのカード切ってくるのめちゃ新しい笑。8分ほどだけど、コメディミステリーとしてかなりの秀作だし、ちゃんと枠を作ってやるべきクオリティ。この後の放送、全部これの続きでいいよ!ってなっちゃうから絶対に。

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