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7月のいだてん

第26回「明日なき暴走」
田畑編ではあるものの、金栗編から続くシマちゃん→人見絹江のリレーが完成する回。大根仁監督が10年に1度出るか出ないの仕上がり(モテキ第6話「ロックンロールは鳴り止まないっ」以来とのこと)と讃えていた通り、ちょっとどうかしてるレベルの回だった。何度となく鳥肌が立った。菅原小春の演技というのは、今まで観たことない種類だな、と思う。何というか、そこに"居る"演技なのだ。憑依とも違う、生きた人間としてそこに息づいてる。田畑に迎えられるリアクションとか、その人にしか見えなかったんだよな。全身、とりわけあの鋭い眼光で彼女の業を表現し尽くしていた。

マラソンに金メダルがもたらされ、金栗編も実質のゴールが。そんな余韻もよそに、田畑がずっとうるさいのが面白い。デリカシーの欠片もない男だけど、自身が30で死ぬことを信じきって、追い立てられるように生き急いでるのはとても人間らしい。阿部サダヲの愛嬌、これほどまでに冴え渡るとは。

第27回「替り目」
6月の前篇終了後も、引き続き登場していた金栗四三が本当の意味での幕引きとなる回。兄・実次(中村獅童)の死が大きなきっかけとなるわけだが、金栗四三がスポーツを志すきっかけも実次の言葉で嘉納先生と引き合わされたからで。この3人の関係性が美しく循環し合うというのが「いだてん」の大きなエンジンであったなぁと感慨深かった。最後に田畑政治に告げた「さよなら」の優しい声、主人公の役目を終えた安堵感のようなものに満ちてた。

一方で忙しない田畑政治(阿部サダヲ)の日々、いつの間にか予定寿命も超えてロサンゼルスオリンピックに奔走する。鶴さん(皆川猿時)が「まーちゃん!」と叫んで田畑をビンタするくだりは毎週お馴染みになりそうね笑。やはりこの2人は最高の組み合わせ。前畑秀子(上白石萌歌)も本格的に登場、むにむにしてて可愛い。もしも別の世界線があるとすればきっと、のんa.k.a能年玲奈が演じる予定だったんだろうなぁ、と思いつつ、モカモカもイイよ!

第28回「走れ大地を」
散々、大河ドラマじゃないと言われてきたけど、ここにきて高橋是清(萩原健一、声怖すぎ)、犬養毅(塩見三省、顔怖すぎ)に満州事変ですからね、めちゃくちゃ日本史じゃねえか、と。田畑政治が新聞記者だから、社会情勢も大いに関わってくるんよね。そのすぐ傍にある、エンターテイメントの物語だ。

そもそも田畑とは何なのか、という言及がなされていたのは笑った。確かに、鼓舞してタイム測ってるオジサンだもんな。鶴さんいわく「さざ波のようなクロール」を泳ぐらしいし、彼のハッタリ感を強める回だった。それにしても、斎藤工と皆川猿時の顔芸対決は腹抱えた。なんでこの2人なんだ。

五輪の応援歌「走れ大地を」が初披露された日と、五・一五事件の日が一緒だったということで同曲が流れる中で描かれた犬養毅暗殺のシーンには震えた。エヴァの「翼をください」的な。「話せば分かる」の後は即死じゃなかったんだな、と新たな知見を得た。しばらく息はあったんだ、と思うと、、

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