見出し画像

2018年ベストドラマ5

5位 獣になれない私たち

これ程までに数字が約束される出演者陣を押さえ、このダウナーな内容。日テレ、攻めてた。ドラマでありながら極力ドラマチックではないことを目指してたのかなぁ、と。ガッキーと田中圭のあの出会いに降りかかる呪いとしての黒木華、っていう見方しか最初はできなかったのに、終盤ぐいーんと黒木華へのシンパシーが高まっていく流れは凄まじかった。ただやっぱり、そこでセックスか~そうだよな~っていうやるせない納得があったラスト近辺がね。あの局面をセックス以外で乗り越えるドラマを期待しちゃったんだよな、そんなことを起こさなくて済む男女の関係性を讃えて欲しかった。

4位 卒業バカメンタリー

お笑い芸人が脚本を書くムーブメント、もっと起こって欲しいと思っている。その急先鋒、シソンヌじろうによる初の連続ドラマ脚本。真面目で必死であればあるだけどんどんズレていって、どうしようもなく面白い方向に進むという、コメディの鉄板要素で構成されるドラマなのだけど、これが密着ドキュメンタリーという形で撮られているのがユニークだと思った。ヘンに凝った画作りをするよりも、分かりやすく笑いが届けられるし、良かった。主演のジャニーズWESTの2人はとても可愛らしいが、トリプルファイヤー吉田の棒読み演技もまた奥深いものになっている。なんだあの抑揚の無さは。

3位 dele

感想はここに。スタイリッシュで控え目なトーンがとても良かった。続編も同じ金曜ナイトドラマ枠でお願いしたい。映画やゴールデンでは、ないな。

2位 また来てマチ子の、恋はもうたくさんよ

tvkとGYAO!による共同制作のドラマ。知名度はかなり低いだろうけど、秀作だった。最初は誰がどう見ても「男はつらいよ」パロディのホームドラマだったのだが、なぜか中盤から壮大なタイムリープ&パラレルワールドをてんこ盛りにしたSFスペクタクルへと突入していくという大ジャンプを遂げた。こういう、最初と最後で全く違うテンションで観てる、みたいな作品がとても好み。脚本家はシベリア少女鉄道の土屋亮一、ウレロシリーズとかも書いている人だから、シットコムにとにかく強い、のだけどこんな超展開を30分枠でやるかね?という。工夫に満ちた、ハンドメイドオデッセイ。

1位 anone

僕らの坂元裕二、暫くテレビドラマは休止ということで。4年間、1月クールを彩ってくれてありがとう、という感謝しかない。「プロフェッショナル」でも語られた通り、彼の物語はマイノリティのものだ。それがこれ程までの支持を集めているというその事実が、「僕だけじゃないんだ」という気持ちにさせてくれる。最終回までずっと印象的だったのは、他愛もない、ただの会話シーン。それこそが偽物だろうが幽霊だろうが誰かと誰かの“近さ”を象徴するもので。血も罪も越えて、誰かと繋がろうとする姿は美しい。その哀切さが隅々まで行き渡っていて、思い出しただけでじんとなる。傑作です。

#コンテンツ会議 #ドラマ #TVドラマ #ドラマ感想 #ドラマ感想文 #ドラマの感想 #dele #anone #けもなれ #獣になれない私たち  

この記事が参加している募集

コンテンツ会議

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?