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2019年4月の色々(YUKI/チュートリアル/世界は一人/こそぎ落としの明け暮れ/チョコレートプラネット/ACO Touches the Walls/溺れるクジラ/私立恵比寿中学/Mr.Children/レイザーラモンRG/春ドラマ雑感)

4.7 YUKI concert tour 2019 "trance/fome"@福岡サンパレス

ホールで観るのは初めてだったYUKI。2階席の横っちょにある1人掛けの座席ということで、しっかりとYUKIを視認できる距離。ありがてぇ。形状を意味するフォルムという意味を含みながら、「for me」のダブルミーニングでもある新アルバム『forme』。そのツアータイトルは変形の意味とともに、「トランス・フォー・ミー」とも読める。そう、何よりも最優先なのはYUKI自身が最高潮の状態で在れるってこと。そのついでに我々も楽しめるのだから恩恵は計り知れない!2階席まで爆レスありがとうございます。

シンプルなバンド編成で贈られるアルバムの曲たちはどれもゆったりと聴くのにぴったりだった。とりわけ吉澤嘉代子が提供した「魔法はまだ」のクールでミステリアスなダンス感は、ホール良い音響で聴くに限る!一方で、J-POP史を彩ってきたバキバキのヒットチューンたちも、とても良かった。agehasprings、ってか蔦屋好位置の凄さなぁ。そんな中、最新の「やたらとシンクロニシティ」が「JOY」の熱気を引き継ぐ場所で大活躍していたのが頼もしかった。ポップスの歴史とともにYUKIはまだまだ歩みを止めない。

年齢のことを言うのも最近は色々アレだけど、45歳にしてあの不変的な外見というのはさすがに吃驚せざるを得ない。どういう生命体なんだよ。ずっとエネルギーが放電しっぱなしだから、常にデトックスされてる、みたいなことなのかなぁと考えたりもする笑。歌うために動く身体、というような、感情がそのまま身振り手振りに乗り移って暴れたがっている、というような、人類未踏の領域にYUKIはご機嫌なSunday girlの姿のままで突入しようとしているのではないか。ほんとに果てまで観てみたいものだ。

4.12 チュートリアル ライブツアー2019「奮発の黄昏」@福岡国際会議場

もうすっかりTVタレントだけど、時折ネタだけの単独ツアーを組んでくれる、その良い機会に巡り合えた。意表をつくオープニング、30分間もある漫才、ハプニングのせいで色々とブレまくったコントなど、多様な面白さを2時間20分に渡り届けてくれた。賞レースとかを無視できるレベルに突入すると、30分間もの間、のんべんだらりと話し続けることで生まれる笑いにも到達できるのだ!と感動した。延々とやれそうなんだけど、しっかり山場を作って爆発的な笑いも起こせるというのが凄い。

徳井義実という男の妄想と性癖がネタの核になっているわけだけど、やはり「女性」への強烈な希求があって。それは中学の頃に観た初期のDVD作品群にも健在だったわけだけど、年を重ねるごとに増していっているように思える。もう女性になりたいんだろうな、好きすぎて。ちょっと分かるけども。そして僕は福田充徳のツッコミがとても好きだ。特にワードセンスとかテクニックで持っていくわけでなく、大きな声ではっきりと「なんでやねん」という。これがバシバシキマリまくってるっていうのがホンモノの証拠。

4.13 パルコ・プロデュース「世界は一人」@北九州芸術劇場・大劇場

ハイバイの主宰であり、「来る」や「フリクリ/新劇場版」の脚本家でもある岩井秀人が手掛けた音楽劇。主演は松尾スズキ、そして松たか子に瑛太である。何と目に嬉しい競演だろう!この3人が小学生~青年期までを演じるというのがまずもって舞台演劇の楽しさだ。肉体や容貌の前提を壊せるから。

家庭環境も何もかも違う3人が、小学校時代の林間学校での"おねしょ事件"を契機に、運命に翻弄されながら人生を進めていく様が描かれた作品。幸せって何なのか、誰かを傷つけて獲得するのか。「生まれ直せないけど出会い直せる」、人と人の関係性の中にある人生を象徴してる着眼点だと思った。

僕はミュージカルというものに対して、「なんで歌うんや、普通にしゃべれや」という偏見を持っていた人間だったのだけど、そういうのを跳ね飛ばす程に、ここぞ!って鳴り響く歌たちに心震えた。前野健太を中心とするバンドメンバーによる、感情の機微を捉えたプレイも、繊細で美しかった。

初めて観た松尾スズキ氏、最高の動き方!松たか子さんの歌声はベリースペシャルだったし、瑛太も嫌な奴を演じる時の大好きな瑛太で、ありがたかった。そして「チワワちゃん」にも出てた古川琴音さんが可愛い。僕の大好きなユマニテ所属女優(門脇麦、岸井ゆきの、三浦透子など)の文脈です。

4.13 ベッド&メイキングス第6回公演「こそぎ落としの明け暮れ」@北九州芸術劇場・小劇場

映画「愛を語れば変態ですか」やドラマ「SICKS」の脚本家、福原充則による劇団、初の地方巡業。石橋静河さんを至近距離で観れるという理由で行ってみたのだけど、これがなかなかに珍妙な作品で。狐に化かされたみたいな気分になるお芝居。ちなみに石橋静河さんは可愛いとかそういうタイプの女優さんではないと思うのだけど、生で観るとバリカワだった。

内容は、虚無ゆえに誰にでも優しくする女性、蜘蛛を見たことないけど蜘蛛を愛しているおばさんが率いる害虫駆除チーム、大好きな「君」が様々な女性の中に憑依するため浮気を繰り返す男、の3つの軸で進む群像劇。こうやって整理して書いても分からない笑。「愛」の物語とは呼べそうだけど。

アフタートークで補完できたのだけど、自分の大切なもの/感覚/思考などを追い求める切実さを描いた作品なのだとのこと。誰かに笑われようとも、理解されずとも仕方がないんだ、ということを、爆発的なコメディに乗せて飛ばしていた。こうやって面白がって観ちゃうこと自体にも思念があった。

舞台女優は凄い、と思った。綺麗だけど声がヘンなのでコメディになってしまう吉本菜穂子さん、顔のうるささとイラつくキャラがシンクロしてた島田桃依さん、2分ほどのアドリブで観客を笑い殺しかけた野口かおるさん。野口さんは危険すぎる、あんな動きあれ以上やられたら呼吸ダメになってた

4.14 CHOCOLATE PLANET HOUSE Vol.1 LIVE TOUR 2019@西鉄ホール

いつのまにか大ブレイク芸人になってたチョコプラ 、当然のように前売りはソールドアウトだったけど当日券で行けた。公演開始前のセッティングという設定でIKKOさんと和泉元彌のキャラクターも登場させ、しっかりとファンサービスしていたのが好感しかなかった。(終演後には、今日のライブのコント中のTを探すという体でTT兄弟も登場させていた、素晴らしい取り入れ方)

本公演は、チョコプラらしい切り口で、1つのことを広げれるまで広げるコントばかり。2人ともボケとツッコミの両刀使いであり、それぞれ違った味わいの声質だから、飽きがこなくて素晴らしい。小道具を並べるパターンは賞レースに弱いと判断したのか、今回は小道具モノもパワーとテンションを乗っけて押し切る仕上がりになっていて、キングオブコントに合わせてきてるなぁ、と。「処刑台」というネタを決勝の舞台で是非とも観てみたいな。

とまぁ色々語ってはみたけど、チョコプラを評するに最も相応しい感想は「くだらねぇ笑」な気もする。「勇者」ってネタは本当に、どういう台本なんだっていうバカバカしさだった。

4.18 NICO Touches the Walls TOUR "MACHIGAISAGASHI'19"(Acoustic)@福岡DRUM Be-1

去年は見逃していたNICOのアコースティック編成、通称アコタッチズザウォールズによるワンマン。もうアナザーフォルムとして定着しているこの演奏形態、この日は2015年に発表したアルバムと2016、2017年のEP連作「OYSTER」「TWISTER」を中心のメニュー。しっとりとか、柔らかく、とかそんなレベルじゃない、別次元のアレンジを施すのが彼らのアコースティック流儀。「まっすぐなうた」なんてラテン調になってたし、バラードに仕上げていたのは「」の1曲のみ。編曲のバリエーションが異常なのだ。

音源を再現するのみならずそこに新たな間奏や遊びを付け足し、アドリブの中でまだまだ楽曲が育っていっているようだった。6月リリースのアルバムからの新曲もアコースティックで披露。ネオアコだけど、時折マンボになる楽曲がツボだったので早く聴きたいな。あとこの日はそのアルバムに付属するDVDの収録が入っていて。絶対にミスれないのだけど、アンコールラストの「来世で逢いましょう」で光村さんが盛大に歌詞をミスりまして、何事もなく2回目が演奏されるという珍事もあった。ラフで楽しい良い夜だった。

4.19 万能グローブガラパゴスダイナモス「溺れるクジラ」@福岡市美術館ミュージアムホール

2月に観た「みみばしる」、アフタートークのゲストに主宰の椎木樹人氏が出ており、そこで宣伝をしていた公演。せっかくならその縁を伝って本劇団も観に行こうじゃないかとふらりと立ち寄ったらこれが良くって!浅い観劇歴だけど、どうやら今までは空間とかをめちゃくちゃに使う作品ばかりを観てきていたようで笑、本作みたいなワンシチュエーションの中でそのまま展開されていく芝居っていうのが逆に新鮮。でも、こぢんまりするわけでなく1年に及ぶ時系列と、テンポよく整理されたチャプターで演出されてた。

大麻吸引の疑いで逃走中の男性アイドルをゲストハウスで匿うことになった5人の女性ファンの物語。このあらすじだけどヤバイ女オタクの痛い妄想の塊みたいな話だけど、それぞれに抱える暗い感情が、徐々に状況を侵食していく様の描き方が素晴らしかった。笑わせながら、しっかりとそこに流れる虚無を捉え続けていた。語り部として、猫を配置して、おまけにルンバも喋らせるという設定づけがもう美しいよな、人間の滑稽さとか愚かさにフォーカスするにはこういう視点って絶対に楽しい。非常に悲劇的なポーズを取りながらもどこかあっけらかんとした不思議な物語だった。

4.20 私立恵比寿中学 ライブハウスツアー2019~Listen to the MUSiC~@福岡DRUM LOGOS

3月リリースの5thアルバム『MUSiC』のレコ発ツアー。エビ中をライブハウスで観るのは初めてだった。いつもアルバムツアーはホールにがっちりとしたセットを組んで公演を行っているが、今回はバックドロップすら掲げられないエンタメ性0の剥き身のステージ。そこに、エビ中が己のパフォーマンスのみでショーを成立させていく、真っ向勝負を仕掛けた2時間だった。

明日もきっと70点」のようなエビ中イズムを真っ当に受け継ぐ曲もあれば、「星の数え方」のような歌声の重なりで美しく聴かせる曲、「曇天」(吉澤嘉代子、今回も名仕事だ)のようなシューゲイズサウンドで曖昧な関係性の男女を歌った曲もある。この曲には<青春に閉じ込めないで>という一節があるが、それは今のエビ中の覚悟としても響いてくる。

岡崎体育が作った「Family Complex」という曲、あまりにも"理解者"すぎてヒャダイン、たむらぱんに続くエビ中の"語り部"としての位置を獲得しつつあるなぁ、と。バチバチのEDMから、泣きメロロックという2部構成もライブの場で聴くとより立体化された。きっとこれから重要な曲になっていく。

4.21 Mr.Children Dome Tour 2019 “Against All GRAVITY”@福岡ヤフオク!ドーム

1989年に結成されたミスチルの平成最後のライブを観に行った。僕もこの日が平成ラストの音楽ライブ。この元号において常にど真ん中に居続けたバンドをシメで観れるのはとても嬉しい。

『重力と呼吸』のツアー追加公演、とばかりに思っていたのだけどアルバムから6曲のみの披露。あとはもう平成のポップス史を席巻してきた曲たちが次々と押し寄せてくる。序盤から「Your song」「Starting Over」「himawari」ってバラード3連発してるのにずっと盛り上がりっぱなしで、桜井さんもずっと走り回りっぱなしっていう。曲調がどう、とかじゃなくて、その曲のデカさを放ち、受け止めるにはこうするしかない、という。これが国民的であることの引き受け方だろう。

everybody goes」なんて特に平成初期っぽい空気を含みつつも、しっかりと現在の社会にもドロップキックかましていたし(それはつまり平成という時代の"変わり映えのなさ"への虚無でもあるのだけど)、アップデートがえげつなかった。ここ数年、ロックバンドとしてのエネルギッシュさを奪還しにいってる感のあるミスチル。本編ラストを飾った「海にて、心は裸になりたがる」の青々しい演奏がそれを雄弁に物語っていた。平成をありがとう。

4.27 「RGがどんたく開催前に景気づけに60分あるあるを歌い続ける会」@よしもと天神ビブレホール

タイトルそのままのことが繰り広げられていただけなのだけど、60分間、10数曲、計2,30個ほどのあるあるを浴びせられ続けると、感動すら覚えるもので。テレビだと、1~3ネタを出オチ的に放つだけだからね、ここまで畳み掛けられると、異常な会合な気がしてきて、そういう謎の興奮もあった。

この直前に出演していたZepp福岡のイベントで、男性アイドルグループのファン(通称:パサパサの金髪)が地蔵だったことに対する怒りを節々に織り交ぜながら、ホームな現場を楽しみまくっていた。本人が1番気持ちよくなってるからな。ボヘミアンラプソディの6分間を丸ごと使った歯医者あるある「受付の女の子コンパ好き」、素晴らしかった。

好きだったあるあるベスト3は
・平成・・・「平成の途中からサラダに水菜が入りがち」
・くまだまさし・・・「仕事終わったらアルフォートでドライブしがち」
・福岡・・・「福岡ヤクザ多い」
でした。
あと、Silent Jealousyに乗せて、ユニクロあるあるを歌ってる途中で、<ユニクロの海に流して>って歌った所で腹が爆発してしまった。まだ前段階なのに、時たまこういうフレーズが耳に刺さってくるから困る。

春ドラマ雑感

冬に続き、意識的に観ているからか良作が多い気がする。LGBT関連のドラマが多いのは、社会的な障壁とか掟破りな存在とかを描くうえで便利だからだろうなぁ、何かもっとメッセージの軽い作品も観たいなぁと思いつつ、そんな中で今クールで特筆すべきは「腐女子、うっかりゲイに告る。」だろう。

これは凄くナイーブな題材だと思うのだけど、根底にあるのが誰もが持つ生き辛さへの祈り、な気がして凄く切ない。「世界を簡単にして理解したフリをしたくない」や「今いる世界とは別の世界を想像するの」という台詞、どちらも劇中で主人公たちの趣味嗜好に触れながら放たれた言葉だが、こんなにも普遍的で眩しい台詞として降り注いでくる。普通って何なのか、をその当たり前へと迫る筆致。あと6話でどこまで到達してくれるんだろう!

その流れで触れると「俺のスカート、どこいった?」は、「生徒諸君!」の女装家版といった趣でそこまで新鮮味はないけれど、本筋と関係ないくだりが面白くて良い。荒川良々、大倉孝二、シソンヌじろう、小市慢太郎が揃ってる職員室、面白くないわけない。脚本家はまだ25歳の新鋭らしくて期待。てか古田新太が主演ってチャレンジングだなぁと思ったけど、生徒役にジャニーズと美少女を配置すればゴールデンでも成立するんだ!っていう納得。

わたし、定時で帰ります。」はややトゥーマッチな印象(でも先輩に吉高由里子いたら最高だ、とはなる)、「あなたの番です」は1クールでいいんじゃないのか、と思わなくもないけれど、2本とも脚本の良さで引っ張ってる感。深夜ドラマでいうと、VTuber主演の「四月一日さん家の」は、その前提こそ激攻めだけど、中身はオーセンティックなテレ東イズムに貫かれた冴えた台詞回しが光っている作品で何だかホッとする。ただフルハウスをやろうとしてるのは分かるのだけど、あの笑い声は本当にいらない。

テレビでは観れずGyao視聴組だけど私立恵比寿中学主演の「神ちゅーんず」がなかなかに期待できそうな内容。グループで主演ってなるとどうしても全員を横並びにしがちだったエビ中、今回は思いきって柏木ひなたを明確な主人公に据えたのが大成功。どう展開させていくのか、とても気になる。こちらも脚本が劇団・ロ字ックの山田佳奈、こじらせ気味な言葉遣いが絶妙。


トップ画はイムズで開催されていた大人計画30祭 福岡凱旋編で撮った写真。松尾スズキ作品には触れてきたけど大人計画は映像作品化されてるのしか見れてないのでチラシとかあらすじとかだけでも見れて良かった。BSプレミアムで放送されてた6時間特番「朝まで大人計画テレビ」の副教材として、たっぷり楽しめた。

あとお笑いネタが多かったんでついでに触れておきたい、4.20「 IPPONグランプリ」最終決戦での架空芸人自己紹介大喜利ね!4月で1番笑った。秋山とホリケンという瞬発的かつキャラ強め、なおかつ“くだらなさ”を重視している2人の座組だからこそ巻き起こった奇跡みたいな時間だった。

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