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平成のベストドラマ31

平成ベストその②。原則、1クリエイターにつき1作っていう風にしたかったんだけど、ドラマはそれだと取りこぼしすぎるので、何名かの脚本家は2作品ずつ選出した。ゴールデンウィークにまとめ観して損はない30作を50音順に。そこに連ドラを観る文化を知った1作を加えて31本。

1.アオイホノオ

柳楽優弥ってこんなヤバイ俳優だったのか、、と目を見張る。凄まじく強い顔力。ホノオくんというクリエイターの芽吹きが、自意識と嫉妬でもみくちゃにされながら贈られる青春譚。これが実話ベースっていうのもアツイ

2.熱海の捜査官

今まで見たドラマの中で最も衝撃的な結末。何度も見返しては、張り巡らされた謎と仕掛け、そもそもの大前提に愕然とした。こんなに視聴者に投げっぱなしな作品が2010年に出来てた奇跡よ。比類なき大傑作であり超常作。

3.あまちゃん

悲しい記憶、消せない痛みに、コメディはどう対峙するのか、という1つの解答。日曜以外の週6日15分を半年間力で生活へもすっかり浸透。そして創作を飛び越えて今もなお、主人公の物語は現実でも続いているんだよな。

4.エジソンの母

そういえば伊東美咲って今何してるんだろう、、、彼女の最後の連ドラ主演作。サスペンティックな作品の多いTBS金曜10時に異端にほっこり感と機知に富んだ、大森美香の隠れた名作かと。主題歌のSuperflyも良かったんだよ

5.怪奇恋愛作戦

ケラリーノ・サンドロヴィッチによる初の連ドラ脚本作。どうしてこんな湯水のように不毛な会話を延々と書けるのか、、と感嘆すら覚える。犬山イヌコさんが喋り出すと場に"くだらなさ"が立ち込めてくるから声質って凄い。

6.架空OL日記

バカリズムが当たり前のようにOLを演じている違和感の先で、至極日常的なテンポ感であるあるであったり論理展開がなされていくという謎な構造のドラマ。結末は何ソレ?って思いつつ、妙にゾクっとする虚無がある。

7.ガリレオ

シーズン1のほう。キャラクターとしての外連味やキャッチーな演出とか、軽やかなリズム、"オルタナティブ月9"の金字塔だと思う。やはり第一話の唐沢寿明が最高だったな、翌日クラスであの机ガンガンがめちゃ流行った。

8.カルテット

この31作の中でベストを選ぶのであれば、これを挙げたい。ユーモラスな会話劇であることをベースにしてジャンルレスに加速していくその掴めなさが愛おしい。宮藤官九郎が演じた役に感情移入しすぎて体調を崩した思い出。

9.喰いタン

市川実日子を2006年の時点でヒロインに抜擢してるセンス、すごいなぁと今だからこそ思う。超可愛いし。東山紀之という男の存在感を持って成立させている作品だった。アタリ役っていう概念をここで初めて知った気がする。

10.最高の離婚

坂元裕二、とんでもねぇなって思うきっかけになった作品。さっきまで笑いながら見てた夫婦喧嘩が突如としてシリアスな真理に切り替わり、誰しもの生活へと刺さり出す。驚異の脚本。笑いも哀しみも全てシームレスに繋ぐ。

11.33分探偵

いちいちうるさいリアクション、大声でしょうもないことを叫ぶ、佐藤二郎、と福田雄一イムズの源流だと思う作品。なんやかんやで凄く楽しかったし、やはりこのサイズ感こそが福田雄一の最適な放送尺なのだと思う。

12.鹿男あをによし

これよくフジテレビ木10でやろうと思ったな、、という。ゴールが見えないし、カタルシスも判然としない、非常に純文学的な質感を持ったドラマだった。あと綾瀬はるかが史上No.1に綾瀬はるかだな~って役をやっている。

13.時効警察

2000年代中期の日本映画・日本ドラマにそっと巻き起こった「ゆるさ」ブームの筆頭。時効事件を趣味で捜査するっていう、"大人の自由研究"感が、夏休みっぽいまったりした空気を醸し出してたのかなぁ。癒される作品。

14.SICKS〜みんながみんな、何かの病気〜

コント番組なのだけど、どう考えてもこれは良質な連ドラだったので。「まどマギ」に感化されたという、途中から一気に物語が凄い方向へとジャンプする超展開。笑いと下ネタでクライシスに対峙する世界観、好きだなぁ。

15.重版出来!

野木亜紀子の、多数の物語線を走らせても全くごちゃつかない整理力と魅力的な人間を描く力が遺憾なく発揮された一作。編集者の話をメインに置きつつ、漫画家サイドのストーリーも過不足なく丁寧に描き切っていた。

16.スシ王子!

映画のほうはどうかと思うのだけど、ドラマはコテコテの堤幸彦演出が冴え渡る勢い良い名作コメディ。ヒロインが3話ずつ交代してく構成も楽しいし、戦隊ヒーローものっぽいバトル&お約束のオンパレードも良かった。

17.SPEC

第1話のトリックで唖然とさせられた後、何の躊躇いもなく超能力大戦争に突入するという訳の分からない事態に巻き込まれる作品。言うなればジョジョ6部的な粗筋なのだけど、それを刑事ドラマの範疇でやってる意味。

18.セクシーボイスアンドロボ

木皿泉という脚本家を知ったのはこの作品が初めてだったのだけど、このどこにも行き着かないような気持ちへの眼差しがとても繊細で心惹かれた。ロボとニコのバディという関係性も、他にないさっぱりしたテイストで良い。

19.タイガー&ドラゴン

1話観終わるとなぜだか勝手にガッツポーズをとってしまうようなドラマだった。落語のリズム感が、45分の中にしっかりと織り込まれていて、会話のうねりに乗っていけばいつの間にか没頭し、痛快な気持ちになっちゃう。

20.民王

長らく不作だった金曜ナイトドラマ枠、久々の会心の一撃だった。堤幸彦チルドレン・木村ひさしによる、抜けた演出も冴え渡っているし、少ないながらもキャラクターの可愛らしさが光る。脇役・高橋一生、ここに極まれり。

21.デザイナー渋井直人の休日

平成最後の傑作深夜ドラマ。「モテキ」とか刺さった人ならきっと抜けないトゲを再び撃ち込まれることでしょう。人は変われないのです、それどころか歳を重ねる度にそのこじらせ濃度は高まっていくのです。心地よい地獄!

22.Dr.倫太郎

周りに疾患の人多すぎだろ!と思わなくもない設定なのだけど、これってつまり誰しもが心を病みうるってことなんだ、と。何かしてあげるのでなく、心を知ってもらうこと。そして医師の弱さもひらりと描いているのが良い。

23.泣くな、はらちゃん

漫画から飛び出してきた主人公が現実世界に触れる、という古きよきおとぎ話的なエッセンスを、長瀬智也がパワフルな人情劇として仕上げていた。工場長が漫画の中で蘇るとことか、どうかしてるくらいめっちゃ泣いたな~

24.なぞの転校生

岩井俊二、またドラマ撮ってくれないかなぁ、、青春にSFが介入していき、パラレルワールドへとタッチしていく感覚を監督特有の映像美で捉えた優しく切ない秀作。杉咲花のナイーブながらも気高い"姫"の佇まい、尊いよ~。

25.半沢直樹

これ以降に続く同一フォーマットの顔面アップ&企業がんばりドラマはそれほど、、なのだけど、やはりオリジンは素晴らしい。こういう質感のお話をこんなテンションでやるんか?!という、歪だが有無を言わせぬパワーが。

26.マイ☆ボス マイ☆ヒーロー

これでこのラインナップ、長瀬智也主演3作目である、好きすぎるだろ。日テレ土曜21時の学園モノの輝きって永遠に語り継がれると思う。新垣結衣の大躍進の隣で、佐藤千亜妃がこっそりとレギュラーだったこと忘れないよ

27.みんな!エスパーだよ

終盤の展開は雑すぎて「?」だったのだけど、台詞が全部太字!みたいな、高潔なまでに下品!なエロ駆動型で爆走する前半のストーリーはバカバカしくてたまらなかった。染谷将太を最低で最高な無駄遣いをしてしまった。

28.MOZU

これはシリアスが突き抜けた結果、やりすぎてめちゃくちゃ笑ってしまうというエクストリームな作品だった。女装した池松壮亮が吉田鋼太郎をアイスピックで殺す戦いを21時台に10分間も放送するんじゃないよ。怪作です。

29.モップガール

北川景子の存在を知った作品。男女バディもので秀作を連発してた頃の金曜ナイトドラマ、その中では地味なほうだったけど、葬儀屋でコメディミステリーという難しい部分もからっと乗り越えて、温かいものをくれる作品。

30.モテキ

色々な意味で、大きく人生に影響を与える作品となってしまった。こんなものに絶対影響されちゃダメなんだけど、なぜか年々、どんどん寄っていってしまい、抵抗せども引き寄せられる。サブカルゾンビ発生の根源である。

31.女王の教室

初めて連続ドラマを全部観た作品。正直、こういうスーパーキャラクターモノはこれ以降そんなに好きな作風ではないのだけど、過激さというのは人を引き付けるものだなぁ、と。センセーショナルというものをここで知った。

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