【FIゼミ課題】プレミアリーグ 第34節 リバプールvsチェルシー マッチレビュー
プレミアリーグも今節を含めて残り5試合。
今シーズン、悲願のリーグ制覇のチャンスが訪れたリバプール。
シティが1試合未消化の為、暫定的に首位に立ててはいるが、未消化分の試合をシティが勝った場合、勝ち点1差で追いかける形となる。
シティが勝ち点を落とすかどうかはわからないので、少なくともリバプールは勝ち続けなければ優勝は遠のいてしまうだろう。
そんな勝たなければいけないリバプールは今節、宿敵チェルシーとの一戦を闘った。
実は、今節を戦うまで直近5試合でチェルシー相手に勝ちが無く、アンフィールドにおいては、2012年5月以来勝てていない。
宿敵相手でも勝たなければいけない、まさに天王山とでも呼ぶべきだろうか。
さて、本題へ。
メンバーとフォーメーション
両チームスタメンは以下の通り。
リバプール
リバプールはいつも通りの4-3-3。
チェルシー
チェルシーも4-3-3ではあるが、アザールが比較的自由なポジショニングをするので実質0トップのような形。
考える隙を与えない猛烈プレス
リバプールの守備の基本は相手に考える時間を与えないこと。そのために常にボールホルダーに対してプレスをかけ続けなければならない。
その上でボールを回収し、素早く相手の急所を付いていくという狙いであった。
今シーズンはシーズン通してそれができていたが、今節でもそれがうまくはまった。
ここでリバプールのセットした状態での守備を確認しておく。
相手CBがボールを保持した際、リバプールの両WGは相手SBへのパスコースを切り中に誘導するようなプレスをかける。
CFのフィルミーノはどうするのかというと、両WGよりも少し低い位置で相手のアンカー(この試合でいうとジョルジーニョ)を見るか、GKへのバックパスに対してプレッシング出来るようなぼかしのポジショニングをする。
ジョルジーニョを見るのはフィルミーノかファビーニョ。これは状況に応じて、正確に言えば、フィルミーノがCBかGKにプレスをかけられるならファビーニョが見る感じ。
この時にリバプールの中盤の3センターはしっかりと相手の中盤を見つつ、背後(DFラインとのライン間)を取られないようにマークする。
中へ誘導された相手CBが中盤に無理にパスを出せば3センターがそれぞれしっかりマークを捕まえているので奪われる。もしくは窮屈になってパスを出した先で奪われる。
また、CBがロングボールを蹴れば最終ラインでヘディングの強いマティプやファンダイクがしっかり跳ね返してセカンドを拾う。
もし、WGが切った相手SBへパスが出されたら、3センターがスライドし近い選手がプレスをかけ、WGはプレスバックで挟みに行く。今節でも、このように切ったはずのSBに出されることが何回かあった。(特にサラー側)
さらにアンカーや中盤を経由してダイレクトでSBに出される場面もあった。
しかし、今節はヘンダーソン始め、ケイタや時にはファビーニョなどが出足の素早い寄せで常にボールホルダーに対してプレスをかけられている状況を作り出せていた。
この時、ボールサイドと逆の相手の中盤の選手は捨てる。
上記のようなプレッシングをリバプールは行う。
とにかく、ボールホルダーにプレスをかけ続けること。
チェルシーはどう掻い潜ろうとしたか
常にプレスをかけてくるリバプールに対して、チェルシーが取った策、というか、結果的に言うと、数度ゴールに迫りかけたシーンを作ることができた要因としていくつか考えられることがあった。
プレスを受け、奪われ、押し込まれる状況の続いたチェルシー。
ただ、攻め込まれていた反面、ロングカウンターで攻め残りしているドリブルが得意なアザールやウィリアン、ハドソンオドイに仕掛ける余裕を与えることができれば、チャンスを作り出すことができる。
この試合でもチャンスができたのはそのような場面であった。
また、ボールサイドに素早くスライドしてくるリバプールに対してワンタッチのパスやライナー性の速い球でサイドチェンジができた時にチャンスを作れていた印象。
リバプールが支配率62%であった要因
これは単純にリバプールがチェルシーに対して、考える時間を与えないような連続したプレッシングをかけ続けられたことが要因の一つとして考えられるのだが、チェルシーのディフェンスの仕方にも原因があったように感じた。
チェルシーはオーガナイズされた守備時に、4-5-1のような形で守備をしていた。
今節では、前線からガンガンプレスをかけるのではなく、ミドルゾーンらへんまで待った上で、3ラインをコンパクトに圧縮できたらプレスを開始していた。
結果としてボールを奪うことは割とできてはいたが、コンパクトにしてしまっていたがために、奪った後に密集を抜け出せず、広げられず、奪い返されるというのが何回も起こってしまった。
このためチェルシーはボールをなかなか保持できない展開となってしまった。
今節垣間見られたリバプールの守備の弱点
リバプールの守備の弱点は2つあるような気がした。
まず1つ目。
リバプールはボールサイドに密集して奪いに行くので、ボールサイドと逆のサイドにスペースができる。相手としてはこういったスペースを見つけた上で、素早く使うことができたらチャンスができただろう。
2つ目。
激しくプレスをかけるので、アザールのようなフリックに弱い。
中盤は基本的にしっかりプレスをかけられる状況にあるリバプールであるが、相手の中盤の選手にパスが出ると素早く寄せようとするため、1タッチで剥がされるのに弱い。このように1タッチでフリックなどを利用されると簡単に中盤は剥がされてしまう。
実際、上記の2つの弱点があるが、リバプールのプレスを掻い潜れる選手やチームはなかなかいないような気もする。。。
まとめ
マネのヘディングゴールやサラーのスーパーミドルもありスコアは2−0。
スタッツはこちら。
2012年以来のアンフィールドでのチェルシー戦の勝利。
ヒルズボロの悲劇からちょうど30年のメモリアルマッチ。
そういったことも合間って、この1勝はリバプールサポーターにとって感慨深いものになったに違いない。
残るはリーグ戦4試合とCL。
今年こそタイトルを。
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