「切れなかった集中力」 マンチェスターシティvsウルブス マッチレビュー

まさかの2-0でウルブスの勝ち。何が起きた?

スタメン

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デブライネが鼠径部の怪我でメンバー外。代わりにIHにギュンドアンが入っての4-3-3のシティ。一方で3-5-2のウルブス。

噛み合わせ、シティの保持時

全体的な流れで言うとシティの猛攻をウルブスがひたすら耐えるような感じ。

噛み合わせ

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ウルブスは基本引いてブロックを作るので、5-3-2のような立ち位置となる。

図に表したようにウルブスの前線の3-2のブロックは常に縦横コンパクトかつ、連動しているので常に綺麗な5角形ができていた。

この5角形に対し、アンカーのロドリは相手2トップの間に顔を出したり、バックステップで高い位置を取り、5角形を後退させたり、パスを受けにいくだけでなく、相手をさらに下げさせるようなポジショニングをしていた。

例えば、ロドリがバックステップで高い位置をとったなら(上の図で言うとネベスに少し近づいていく感じ)、クトローネとネベスはラインを下げる。それによってボールを持ったCBはドリブルで数メートルだけ前進することができる。今節のロドリはそのように自分から相手を動かす、能動的なポジショニングを意識していたように思えた。(いつもそうですが。)

また、両IHは狭いけれど5-3のライン間に立つところからポジショニングを始めていた。まず、ライン間に立つのは、そこでパスを受けられたら、相手の中盤のラインが突破できていると言うことなので、スムーズに崩しのフェーズに移れる。ここでライン間が圧縮された時は相手3センターの両脇で受けたり、チャンネルランをしたりと常に位置的な優位性を生かした攻撃をしていた。そのようなスペースを見つける天才のダビドシルバがいたことがやはり大きく、得点はなかったものの、たくさんクロスをあげるのに至ったのも彼の存在のおかげであろう。

集中を保ったウルブス

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なんとこの日のウルブスの支配率は23.9%ととてつもなく少ない。

しかし、ウルブスは守備時は5バックを適用することで、ハーフスペースでプレーをしようとするシティの両IHに対して、サイドのCBが前向きで対応できていたことや、能力の高いシティのIHにチャンネルランなどでポケットを取られても素早くスライド、カバーをすることができていたり、ボリーがクロスをなんども跳ね返していたのは大きかった。

そして、回数は少なかったが、ボールを奪うと前線のネベスに早いタイミングで縦パスを当て、それに連動してトラオレが駆け上がり、シティーゴールにせまるシーンがあった。この日のウルブスはこれしかないと言わんばかりのカウンターでトラオレの個をうまく生かし、2得点を挙げシティに勝利した。

感想

シティにあれだけ攻め立てられたにも関わらず、90分間集中を切らさなかったウルブスの選手、スタッフは賞賛に値する。

逆に言えば、シティはウルブスのようにがっつり5バックで引く相手に対してペナルティエリア内深くまで侵入してのシュートがなかなか打てず、クロスも跳ね返されると言う状況だった。こんな時にデブライネがいれば...

しかし、いない人のことを考えても仕方がない。

後半はカンセロの惜しいミドルがあったが、あのようなミドルをもっと撃ってもいいような気がした。

何れにせよ、次節ペップがどのような対策を立ててくるのか楽しみだ。


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