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柏レイソルがJ2で優勝するために。

本日7月19日。柏は明治安田生命J2リーグを22節を終え、勝ち点40で3位に付けている。
今シーズン、開幕4連勝と幸先の良いスタートを切り、流石柏レイソルという声も多く聞かれたものの、続く岡山戦で敗戦するとヴェルディ戦でも敗れ、連敗を喫し、「あれ。おかしいぞ」という空気感が流れた。その空気感のまま、失点こそ少ないものの、いかんせん点が取れない!という状況が6月半ばまで続いた。
一時はプレーオフ圏外となり、監督解任の噂もサポーターの中で囁かれたほどだった。

この勝てなかった時期にいくつかの原因が考えられたので、今回はそれを考察しつつ、19節千葉戦から連勝を続けている理由も合わせて考察しようと思う。

なぜ勝てなかったか

ネルシーニョと言えば、堅守速攻をイメージする人も多いと思う。
まさに、その通りで、しっかりブロックを作って守った上で、前線の能力の高い選手中心にロングカウンターを仕掛けるような狙いが顕著に見られる。

しかしながら、下平体制になった2016年、そして、J1で4位という好成績を残した2017年、(2018年については割愛…)では、4-4-2、または4-2-3-1でのポゼッション志向のサッカーで、自分たちのボール保持の時間を最大限多くし、非保持(守備)の時間を短くする事で失点のリスクを極限まで下げようというような闘いぶりであった。

下平体制の時にちょうどユースからトップへ昇格したのが中山や中谷らへんの(中谷は2年目で下平体制になった)世代で、あくまで個人の印象だが、やはりどちらかというと、デュエルでガツガツ闘うタイプと言うよりは、止める蹴るを得意とするようなポゼッションサッカーをユース時代からやってきたような選手たちだった。

このような選手たちがたくさん試合に出場し、保持の時間を多くできるようになり、チーム全体にもしっかりと浸透していて、勝てていたのが2017年まで。
2018年は試合終盤での勝負弱さが露呈されるような前半戦の戦いぶりもあり、下平監督が解任された後、どういう試合をするのかが定まらず、軸のブレブレなチームとなり、降格してしまった。

再起を託されたネルシーニョは前述した通り、柏の今までのサッカーとはガラッと変え、堅守速攻型にしようと試みた。

開幕4連勝したものの、6月半ばまでうまくいかなかった原因は"慣れ"なのではないかと感じた。
ここで慣れという言葉で終わらせてしまっては、このnoteを書いている意味が無いので、深掘りしていく。

今シーズン、ヒシャルジソン始め、染谷などデュエルのできる選手を補強し、スタメンとして使っていたものの、手塚や大谷、中山、中谷などの下部組織出身の選手に比べると繋ぐという面で難がある。それは顔出しもそうだし、トラップの置きどころ、パスの質や思い切って近くにパスを出してみるメンタルなど様々な面においてである。

パスの出しどころが無くなるとすぐにクリアに近いようなロングパスを前線に蹴ってしまうため、跳ね返され、セカンドを回収され、相手の保持の時間になってしまう。さらに前線の選手たちもこんなにたくさんロングボールが飛んでくることも今までになかったので、処理に少し困惑気味だった。

ネルシーニョの目指すサッカーはこんなものなのか。

恐らく違うはず。。。

ここで、もう一度前半戦苦しんだ原因を整理すると、得点が奪えない事だった。

個人的な意見だが、得点を奪うためにはある程度保持し、ビルドアップをする必要があると考える。

前半戦はこのビルドアップを省略し、とりあえず蹴る、と言ったシーンが多く見られ前線の選手が良い形(相手ゴール方向を向いていて、勝負を仕掛けたりシュートできる姿勢)でボールを受ける回数は少なかったように感じた。

これが、得点力不足の原因なのではないかと考えた。

4連勝できた理由

先程述べた通り、得点力不足は過度なビルドアップの省略だったので、そこの問題をクリアすれば得点ができるはずである。

久し振りに完勝と言える試合だった千葉戦、この問題が解決されていると感じた。

3-4-3の千葉に対し、4-4-2に変更し、更にCBに鎌田、ボランチに大谷が復帰しての一戦となった。
この試合では千葉のライン間に、中盤の選手が積極的に顔を出し、CBとのパス交換で相手を圧縮させてサイド攻撃をしたり、素早いサイドチェンジで広がった千葉に対して、中から突破して行ったり、どこか下平体制時代を彷彿とさせるような試合展開だった。
それに加えて、千葉がWBも含めて攻め上がってきたのを守りきり、カウンターを仕掛けて得点をしていてネルシーニョがやりたい事も出来ての勝利だった。(千葉戦は噛み合わせの面でかなり有利に試合を進められた。ここでは少し省略)

また、甲府戦ではカウンターが刺さりまくり、大量4得点での勝利となった。

アウェイの山形、徳島戦ではなかなか保持は出来なかったものの、勝負強さを見せた。

まとめ

このように、千葉ダービーからの4連勝はたまたま出来たものではない。

在籍の長い選手や下部組織出身の選手が慣れ親しんだボールを保持を志向するというサッカーと、新加入選手を織り交ぜたネルシーニョ監督の堅守速攻がうまくバランスの取れた時に、パワーを発揮している。

また、20日金沢戦より、新加入のマテウス、ジュニオール サントス、三原が出場可能となる。

彼らはチームに新たな風を吹かせ、追い風となれるのか楽しみだ。

勝ち点では1位の京都と並んでいるので、他会場の結果次第では次節にでも首位に立つ可能性が十分にある。

J2優勝、1年で復帰を目指す中で、この夏場を乗り切れるかどうかがとても重要となるだろう。


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