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【病院採用ホームページ】クリエティブディレクション案件まとめ


ハイズに正社員として所属していた3年間の僕の案件は人材案件に次いで、広報案件の仕事が多く、広報物のディレクションをたくさん担当した。

獨協のイメージが強いせいか、かなりクセが強めの案件のオーダーが多い。もちろん一般的なものもオーダーがあれば作っています。

どれもこれも愛すべきコンテンツたちなので、しっかりまとめておこうと思う。



僕は皆のアイデアを形にしているだけ

斜め上の案件を多く担当していると、「加納さんってすごいクリエイティブですよね」よく間違えられる。

その姿勢で、斬新なアイデアを求められたりするんだけど、これが結構つらい。僕はクリエティブではない。むしろ、アイデアは乏しいほうだと思う。

これまでのアイデアは、ハイズ・オムニヒールのメンバーとブレストして、皆とのディスカッションで生まれてきた。だから、「僕が全部担当したんです!」なんて、口が裂けても言えない。

どちらかというと、皆でディスカッションをしたアイデアを形にしていくのが僕の仕事だ。ふわっとしたものを形にしていくのが僕は得意なので、1のアイデアを膨らませてコンテンツへと落とし込んでいるイメージだ。

(クリエイティブ案件を相談したい場合はこちらに相談するといいよ)


もっと言えば、デザインも僕が考えているわけではない。僕はアイデアを基に、パワポでラフ画像を書き、デザイン会社にイメージを共有している。そしてその粒度もかなり粗い。そんなむちゃオーダーにいつも120点以上で打ち返してくれるのが荒川デザインさんだ。

(大半のホームページ制作を依頼しているデザイン会社)



ディレクション業務

僕が担当しているディレクション業務は、ホームページデザイン制作会社と医療機関との間に立ち、翻訳していく作業だ。クライアントと社内メンバーとブレストを繰り返して、その内容を深堀り、言葉に落としていく。最終的にはデザイン会社に伝わる内容に変換をしていく(デザインイメージ、コンテンツ、全体構成、サイトマップ、導線等)

場合によっては、インタビュー、ライティング、編集までやることもあるので、便利屋として使われることが多い。

広報物のディレクション資料を作る際には、必ずクリエティブブリーフを作る。この手法は昔あるデザイナーさんに教わった。これがキモと聞いてからは、クリエイティブブリーフはかなり丁寧に作るようにしている。そこからクリエイティブブリーフを基に、荒川デザインさんと設計思想をすり合わせて進めていくイメージだ。

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                         (参照:宣伝会議)

斜め上コンテンツを作る理由

斜め上のアイデアはコンペや提案書を持っていく段階で、ふざけていると怒られこともよくある。でも、ふざけているわけではなくて、大真面目で提案をしている。

コンサル時代に全国色々な病院を見て回った。そこで感じたことは、中小病院のブランディングは”差別化”が難しいということだ。特に、地方の中小病院は色を出すのが難しい。地方の中小病院の医師採用は紹介会社経由をしても、応募がなかなかこないなんて話も多く聞いた。

(そういう思いもあってこういうパッケージも作りました)

200225 中小病院未来会議チラシ(表)


地方の中小病院で広報案件で仕事を受けた際、クリエイティブブリーフを作るために、院内のスタッフさんや経営層の人とブレスト、グループワークを繰り返す。ブランディングのコアとなるものを一緒に探していく。

そこで、必ず出るワードが「地域密着型」だ。皆、別に嘘をついているわけでもなく、実際本当にそこがウリなんだと思う。

一方で、「地域密着型」という言葉ほど、プロモーションで表現しづらいものはない。オーダーにそのまま従って広報物を作ると、デザインのほとんどが全部おじいちゃんとかおばあちゃんの顔とか地域の写真になってしまう。

もちろん、このことが悪いわけではない。すでに人が集まっている病院はそれでいいと思う。

でも、今まさに人集めに困っていて、本気で人を呼びたい、と思った時に、「地域密着型」という言葉は他の言葉に変換するか、別の魅せ方に変える必要性があると思う。もしくは、他院にはない他の強みを出していく方針もありだろう。

誰にでも心地よく聞こえるものは、裏を返せば誰にも刺さらない。現状がつらい状況だからこそ、100人を狙うのではなく、N=1を狙う戦略も検討してもいいと思う。

なので、別にとがりたくて、とがっているわけではなく、かなり真剣に考えて、この路線が一番コンバージョンしやすいかなと思い、提案をしています。それだけ、地方の医師採用は難しい。

提案して、「だめ」と言われたら、仕方ない。ちなみに獨協の時は松竹梅のプランを用意していて、中2病路線でいきましょうと提案をしたら、「面白いねそれ」と松プランが採用されて、今では3年間ぐらいお世話になっています。

こんな感じで、医療機関の強みを聞きつつ、響くコンテンツへと言葉や魅せ方を変換していくのもディレクション業務の大事な仕事だ。


愛すべきホームページディレクション案件たち


というわけで、前置きが長くなりましたが、ここからは僕が担当させていただいた案件をご紹介します。

●メッセージ:王道にはまりたくないキミ達へ
●伝えたい事:自分でカスタマイズが可能な柔軟な初期研修医プログラム
●ターゲット:最先端技術を学びたい人と地域医療を学びたい人の中間
●こだわり:ウリである自由な初期研修医プログラムを表現するために、ホームページ上で自分でプログラムを作れるプログラムビルダーを実装。ところどころに、獨協のフランクな雰囲気がわかるような面白要素を散りばめた


●メッセージ:君だけの能力を手に入れないか?
●伝えたい事:懐の大きさ、自由度の高さ
●ターゲット:こういうのを面白がってくれる人
●こだわり:見たことがない初期研修医サイトを作る。表・裏ページで2面性を出し、ぶっとんだプロモーションを実行。こういうプロモーションが許される懐の大きい病院だというイメージを浸透させる


●メッセージ:昨年はやりすぎました。ごめんなさい
●伝えたい事:懐の大きさ、自由度の高さ
●ターゲット:こういうのを面白がってくれる人
●こだわり:去年のプロモーションが一回きりではなく、今後も続いていく期待感を醸成する。動画を活用して、シェアをしやすい話題性の高いものに仕上げる


●メッセージ:ワークライフバランスの時代!”ライフ”に絶対かかせないもの。それは野球!!
●伝えたい事:プロ野球好きにはたまらない豪華入職特典
●ターゲット:プロ野球が好きで好きでたまらない医師
●こだわり:N=1を狙った採用。誰か一人に刺さればそれでいい。採用のコーポレートサイトとして活用するのではなく、キャンペーン企画として期間限定で募集し、話題性を呼ぶ。


●メッセージ:マッスルファーストな医師求む
●伝えたい事:筋肉好きにはたまらないトレーニング設備
●ターゲット:己を筋肉を限界まで、高めたい医師
●こだわり:プロ野球大好き医師とコンセプトは同様。理事長に顔を出してもらい、病院の本気度をより表現した。


●メッセージ:わがままな働き方をしよう
●伝えたい事:看護師さん目線に立った手厚い福利厚生、自由度の高さ
●ターゲット:子育てをしたい看護師さん、子供を産みたい看護師さん
●こだわり:子育ての手厚さを出すために、子育てナビを実装。合わせて、病院の自由度の面白さを表現するために、診断コンテンツやLine調のブログを実装。コンテンツは最小限に絞り、見せたいものを押し出す設計に


●メッセージ:大切な人に紹介できる場所
●伝えたい事:病院の暖かい雰囲気。職員の団結力
●ターゲット:コーポレートサイトのため設定せず
●こだわり:デザイン性に富んだあたたかな雰囲気が伝わるホームページの設計に。働いている職員の顔が分かるように写真を多めに。情報を詰め込みすぎず、必要最低限のシンプルな設計と感覚的な導線を意識。


●メッセージ:教科書的な学びはもういらない
●伝えたい事:座学中心ではなく、ディスカッション中心のプログラム
●ターゲット:病院経営に関心がある医療関係者
●こだわり:慶應のカラーを生かし、知的な印象と熱量の高さの両立を目指す。これまでの講座型のプログラムではなく、ケースディスカッションの中心な新しいプログラム設計への期待感を醸成する


●メッセージ:医療の課題に新たな武器を
●伝えたい事:医療現場にマクロ視点を取りいれることの重要性
●ターゲット:医療経済に興味がある医療関係者
●こだわり:経済という堅苦しいイメージではなく、軍師・参謀役としてのイメージを強めに出す。同時に、グラフィック調を用いて、ラボ感を創出し、ここから新しいものが生まれる期待感と多様性を強調する。


お問合せ先

上記のようなサイトを作ってみたいという、素敵な方がいらっしゃいましたら、お気軽にご相談ください(kazuki.kano3139@gmail.com)。Facebookメッセでも、TwitterのDMでも大丈夫です。ラフな相談ベースでもOKです。

案件の内容に応じて、ハイズやオムニヒールとおつなぎいたします。

(ばいばい)


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