4月に病院に転職して、1か月が経った。慌ただしい毎日が過ぎている。コンサル時代に見ていた景色と少し違う景色が見える日々は、とても刺激的だ。

今しか感じられない気持ちもあると思うので、しっかり書いておこうと思う。

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コロナという近年稀に見るタイミングで入職した僕は、案の定コロナの対応で仕事の大部分を持っていかれている。

ある意味、信頼獲得にはよかったのかもしれない。スタッフの皆と話すきっかけができたし、自分のことを知ってもらうきっかけもできた。MPHを取っておいてよかったと心底思う。

僕は3月から週2日非常勤という立場で関わっていた。3月の末日、入職を翌日に控えた日に、4/1からロックダウンが始まるというデマ情報（チェーンメール）を信じて、その夜に病院幹部を集めて、コロナ対策緊急会議を開いた。

今思えば、正式に入職する前に、よくもわからない奴が、急に招集をかけるのも変な話だ。でも、誰も文句を言わず、集まってくれて、僕の話を真剣に聞いてくれる。ありがたい環境だ。

結果的に、その内容はチェーンメールのデマ情報だったと気づき、次の日にスライディング土下座で謝りに回った。

みんな「これで仮にロックダウンが出ても、ある程度の対策が先に打てますね」と笑って許してくれた。

僕は入職直前でホームラン級の失敗を起こした。

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そんな優しい病院で、僕は人事課長、経営企画室副室長という分不相応な肩書をいただいている。

今年1年で、「頑張った人がちゃんと褒められる」人事回りの仕組みと制度を整えていく。そのためには、データだけでは見えない、スタッフの声を聴くことが必要だと思っている。

コンサルの時に、新しくコンサルに入る医療機関にはまずは現場スタッフの個人面談から入るというスタートをよくしていた。でも、このアプローチはうまくいかないケースもしばしばある。前提に信頼関係がない面談は形だけのもになりやすい。

第3者のアプローチとしては、それも有効だ。でも、僕は次は中の人として、みんなの話を聞かなくちゃならない。みんなの本音の声を聴くためには、その前提の信頼関係構築がありきだと思う。

なにが信頼関係構築につながるだろう。最初の3か月でその人への信頼が決まるという言葉もあるぐらいだ。転職経験の多い僕は、なんとなく肌感覚で下記のことを入職直前は心掛けている。

☐頻繁に人と会い話すこと≒現場に行くこと
☐聞いた課題をそのままにしないこと≒提案を持っていくこと
☐とにかくスピーディーに対応すること
☐宿題をもらうこと
☐宿題の回答を110点で返すこと

入職して3か月間は一見無駄に見えること、やりたいけど手が届いていないことを猛スピードですることが、信頼構築につながりやすいと自分では思っている。議事録作成しかり、マニュアル作成しかり、資料づくりしかり。

結果として、病院にいる時間は全く自分の本来業務の仕事が進まなくて、夜間と土日に自分のタスクをこなす日々を送っている。

最初はこれでいいのかもしれない。

椅子に座っているだけだと退屈だ。できるだけ、現場に足を運び、病院にいる間は少しでもスタッフの皆と話したい。面談という形ではなく、より自然な形で、みんなの声を聴きたい。

5月は週1日医師の診療にくっついて回り、週1日介護職として現場にでることを考えている。

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甲斐あってか、少しずつ話しかけてもらえることが増えた。
携帯のピッチが鳴ることが増えた。僕はこれがたまらなくうれしい。

もっと頼ってほしい。もっと声をかけてほしい。

あぁ、僕はなんてめんどくさい奴に生まれたんだろう。

ヘルスケア業界には思いドリブンの人が多い。病院で、急に話しかけられて5分の立ち話程度かなーと思って聞いていると、30分ぐらい捕まることもよくある。

何を言ってるか全然わからないこともあるけど、思いは伝わってくる。
思いドリブンの人の話を聞くのは嫌いじゃない。

こういう人の言葉を翻訳し、形にしていくことが、人事としての一番の仕事なんだろうなと現段階では思っている。

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入職して1か月しか経ってないけど、課題が一杯見えてきた。
課題が多ければ多いほど、課題解決型人材の僕にとっては面白い。

やりたいことはたくさんある。入職してこの1か月はタスクの進み度で言うと、40点ぐらいな気がする。でも、その分色々な人と話せて、見えてきたものもある。結果オーライなのかもしれない。

できていないことを批判するのではなく、改善する楽しみを皆で分かり合えるような事務職でいたいと僕は思う。悩んだ時は現場スタッフに寄り添いたい。

非医療職で色々な経験をしてきた自分だからこそ、できることは山のようにある。

そう思うと、病院の事務職は非常にクリエイティブな仕事だ。
次はどんな1か月になるだろうか。

楽しみだな。

（ばいばい）