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【シェア街住民インタビュー】人生詰んだと思っても「なんとかなる場所」を作りたい。Little Japanスタッフ・さばさんが描く理想の場所

「漠然と『人が集まる場所を作りたい』とは思っていましたが、Little Japanで働いて、その想いがより明確になりました。」
そう話すのは、大学を休学して、シェア街のリアルきょてんである東京浅草橋のゲストハウス・Little Japanでスタッフとして働いている、さば(瀧本まなか)さん。

Little Japanのスタッフ(10月末で卒業予定)となったきっかけや、働く中で、人生詰んだと思っても「なんとかなる場所」をつくりたいという想いに至った経緯を伺いました。

「人が集まる場所」に興味を持ったきっかけは転校

現在の仕事や活動について教えてください。

大学を休学して、Little Japanのスタッフをしています。
夜ご飯帯の営業をしたり、お客さんとおしゃべりしたり、一緒におでかけをしたり。
「おもしろそうだな」「たのしそうだな」と思ったことをしながら、日々ゆるゆる過ごしています。

Little Japanを知ったきっかけは何ですか?

休学をする前に、大学の友人とシェアハウスに住んでいたんです。毎夜毎夜語り合って、シェアハウスのメンバーと過ごす時間が楽しくて。
その時に、シェアって「物」だけではなくて、「感情」でもできるのだなと感じました。そこから、「人はどこまでシェアできるのか?」ということに興味をもち始めました。

ある時に「シェア」というワードをインターネットで検索したら「シェア街」がヒットしたんですね。ホームページを見て、「細かいことはわからないけど、なんだか人がたくさん集まっていて楽しそうだぞ」と思いました(笑)。
元々「人が集まる場所」に興味を持っていたので、ホームページにLittle Japanのスタッフ募集と書いてあったのを見て、直感ですぐに応募しました。

「人が集まる場所」「シェア」というワードが気になっていたさばさんにはピッタリの場所だったのですね。「人が集まる場所」に興味を持ったきっかけは何だったのでしょうか。

人が集まる場所に興味を持ち始めたきっかけは、小学校5年生の時に北海道から熊本の学校に引っ越したことでした。
北海道の学校は校則がほぼなくて自由な校風だったのですが、熊本の学校は校則が厳しくて、先生がいつもピリついているように感じました。同級生とも感覚が違うなと感じるところがあって、かなり辛かったです。その時に、「人は、関わる人や身を置いている環境で、こんなにも感覚が変わるんだな」と驚きました。
そこから、「環境は人に対して、どのように作用するのか?」ということに興味を持ち始めました。

「人が集まる場所」への興味がより強くなったのは、大学の文化人類学の授業で、インドのとある民族の文化について学んだ時です。
その民族では子供が産まれたとき、父親には親権が全く無くて、産んだ母親の男兄弟が父親役をやるそうなんですね。こういった価値観は日本とは全く違うので驚きましたし、「絶対に正しいこと」というのは無いのだなと感じました。
大学でさまざまな国の文化史を学ぶことで、「人が集まる場所」には、それぞれ全く異なる文化が出来上がることを知り、より「人が集まる場所」への興味が強くなりました。

Little Japanは実家のような安心できる場所

そのようなきっかけがあったのですね。Little Japanで実際に働いてみてどうでしたか?

スタッフのみんなもお客さんも、フレンドリーで面白くて魅力的な人ばかりだなと感じています!
Little Japanに集まってくる人が面白いからこそ、また新しく魅力的な人が来て...というようなサイクルがあると思います。
毎日が楽しいので、特別な思い出はあるか?って言われると答えるのが難しいのですが、それはLittle Japanが私にとって実家のような安心できる場所だからだと思います。

あと、一緒に働いているはるぽんの、仕事への考え方が素敵で尊敬しています。
Little Japanではベッドのシーツをリネン業者さんに回収してもらっているのですが、そのシーツを入れる袋がぐちゃぐちゃになっていたのを、はるぽんが整えていたんです。その理由を聞くと、業者さんが回収する時に大変だからだと話していて。
それを聞いて、仕事の行動の判断基準は、全部優しさベースで考えることが大事なんだなと思うようになりました。

人生詰んだと思っても「なんとかなる場所」を作りたい

大切なことですね。Little Japanで働くことによって「人が集まる場所」への興味や関心に変化はありましたか?

はい!Little Japanで働くことで、作りたい場所のイメージが明確になってきました。
今まで学校の中の目線しかなかったのですが、Little Japanで、「社会ではこのように人が集まってくるのか」ということを知れたことが大きかったと思います。

そうなのですね!それは具体的にはどのような場所ですか?

具体的なところでいうと、私がLittle Japanに感じたように、「誰かの安心できる場所」に出来たらと思っています。
それともうひとつ大切にしたいのが、人生詰んだと思っても「なんとかなる場所」をつくりたいということです。
大学生になって1人暮らしを始めた友人が、生活費のためのバイトと大学の課題に追われて、やりたいことが全然出来なかったり、栄養のある食事を取れなかった結果、鬱になってしまいました。
鬱になったことで、大学にちゃんと行けない、就活もこのままだと難しいという、漠然とした将来への不安から「人生詰みかも」と話していて、とても悲しくなって。
そんな友人を見て、病まない場所、人生詰んだと思っても「なんとかなる場所」を作りたいと思いました。

悩みや生きづらさって色々ありますけど、そこに今回の友人のように「お金が無い」ということが加わると深刻になってしまう気がするんです。もちろん生きていくのにお金は必要だし、あった方が楽しいんですけれど、「お金が無い」ということに、必要以上に振り回されるのも嫌だなと思っているんです。

だから、お金が無くても「何とかなるか」って生きていける場所をつくりたいと思っていて。
それを証明するためにまずは私自身が、衣食住を何でも作れる生活のプロ、つまり「生活ガチ勢」になりたいと思っています。
例えば家庭菜園で野菜を作ったり、服や布が作れたり、最低限の雨風がしのげる小屋が作れたり。それらが出来ればだいたい暮らせるのではと考えていて。あとは陶芸とかできたら最強かな(笑)。
元々、生活全般のことが好きということもあるのですが。

素敵な場所ですね...! 実現のために何かをされているのでしょうか?

10月末で、大学を休学しLittle Japanで働き始めてちょうど1年になるのですが、そのタイミングでLittle Japanを卒業予定です。
卒業後はもう1年大学を休学して、生活ガチ勢になるための1年にしようと考えています。
最初のステップとして、まずはネパールに行く計画を立てています。
具体的な目的があるわけではないのですが、なんだか呼ばれている気がして。直感です(笑)。

なるほど!さばさんは物事の判断をする時に、直感を大切にすることが多いのですか?

そうですね!私は基本、直感を第一優先に置いています。論理的に考えたらこちらの方が良いという道を選んで成功した試しがないので(笑)。
直感は無意識のうちにめちゃくちゃ計算されて出されたものらしいですし、そういう感覚的なところ、自分の「快」「不快」に従うのが一番いいのではないかと思いますね。
それに従わず、わざわざ「不快」をやり続けるから、気が滅入ってしまう人も多いのかなと思います。
色々言っていますが、まずは自分の「快」に従うこと。その結果が誰かのためになるのかなと思うので、まずは私自身が楽しく生きたいですね!

ありがとうございます!最後にシェア街の人にメッセージをお願いします!

そうですねぇ。オンラインのシェア街の活動も、とっても楽しいと思うのですが、ぜひリアルのLittle Japanに遊びに来てください!合宿やイベントの時ではなくとも、何もない日でも。リアルでシェア街の人と会うと距離感がぐっと近づくと思うので!

【クレジット】
執筆・撮影:菊村夏水
編集:はやかわ英明


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